ぐうと腹が鳴った。いや、鳴り続けている。空腹が背中をえぐるようで、もう辛抱できない。
俺は、四時限目の終わりを告げるチャイムが鳴ると同時に立ち上がった。ダッシュをかまそうとした瞬間、詩織が俺の前に立ち塞がった。
「ね、お話が……」
「ごめん、今からパン買いに行くんだ、早くしないと売り切れちゃうから」
二時限目の休み時間で、弁当を食い終わっちまったのが悔やまれていた。
「うふふ、そうだろうと思ってお弁当作ってきたの、一緒に食べない?」
笑う詩織が、二つのお弁当箱を俺に見せる。
……うわ、俺のためにわざわざ作ってきてくれたんだ……
すぐにクラスの男子達の目が俺達に集中する。学校一の美少女が来てるだけでなく、わざわざ、この俺にお弁当を用意してきたのだ。注目されないはずがなかった。
詩織の腕を取って、取りあえず教室から外に出ることにした。
「へえ、お弁当作ってきたんだ……胃薬も用意しとかなきゃ」
途端に詩織の頬っぺたが、可愛いくぷくっと膨らんだ。
「んもう、そんなこと言うなら、食べさせてあげないからね!」
「ごめん、ごめん、冗談だって……じゃあ、ごちそうになっていい?」
「うん、どうぞどうぞ」
「じゃあさ、屋上へ行こうよ」
小さい声で囁いた瞬間、詩織の顔がぽっと赤くなり、瞳が潤んだように見えた。
「いやなの?」
「ううん、そんなことないけど……」
「けど、何だよ」
「だって……恥ずかしいし」
二人きりになるのが今更恥ずかしいのか、詩織は頬を染めながら言う。俺は、手を離してこう言ってやった。
「じゃあ、いいよ……虹野さんだって、お弁当つくってくれてるはずだし、彼女にもらうわ」
わざと冷たく突き放した言い方をすると、慌てて詩織が、
「え……そんな……ごめん……なさい……屋上、いきましょ」
俺の手を引っ張って屋上へいく始末だった。
先に歩く詩織のさらさらした髪の毛が跳ねる度に、リンスのいい匂いが俺の鼻をくすぐっていた。
「さあ、どうぞ、一杯食べてね」
二つのお弁当箱の内、大きい方を詩織は開いてくれた。
「うわあ、うまそう~!!」
タコさんウィンナーに、唐揚げ、ゆで卵、ブロッコリ、うさちゃんリンゴが所狭しと並んで、お互いにその存在を主張していた。
「お茶も用意してきたわよ。はい、どうぞ」
小型の魔法瓶からお茶まで出て来た。う~ん、さすがは詩織、用意は完璧だ。
「頂きま~す」
俺は、飢えた野獣のようにお弁当に箸を伸ばしていった。
……お、うまい!!これもうまい、むしゃむしゃ、おお、うまい!!……
慌てて食べたせいか、咽喉に食べ物が引っ掛かった。
「もう、ゆっくり味わって食べてよ、お弁当は逃げないんだから」
ごくっ、ごくっ、お茶を飲んで、引っ掛かった食べ物を落としていく。どうやら、明日の新聞の見出しにならずには済んだようだ。
「あ~死ぬかと思った」
残りの弁当を一気に食べた。詩織の方を見ると、まだ半分も食べてない。
ゆっくりお茶を味わいながら、詩織の姿を眺めてみる。
白い咽喉が、咀嚼の度にひくっと動いている。真っ白な咽喉に赤い色と青い色の血管が薄く浮かんでいた。
ふわふわ、時折やさしく風にたなびく茶色の長い髪の毛。触れたらきっとさらさらだろうし、鼻を近づけたらさっきみたいにいい香りがするに決まっている。
黄色い大きなリボンとその向こうに息づく豊かな胸。体育の授業中では乳房が揺れる度に男子は大騒ぎだ。
密かに盗み撮りする奴らがいて、詩織の生写真は、他校の生徒やその手のマニアどもにいい値段で売れたりするそうだ。俺も悪友の好雄から買わされたりして、晩のおかずにしたりすることもある。
可愛く揃えられている膝。スカートは他の頭の悪そうな女子と違って、不自然に短くもなく、ちょうどいい。もちろんルーズソックスではなく白いソックスだ。
……詩織、可愛いよなあ……
何度も思っていることを改めて思う。
……可愛いから、いろいろしたくなるんだよなあ……
いじめて泣き顔も見たいし、喜ばせて花のように眩しい笑顔も見てみたい。この二律背反する感情は、俺にとっては矛盾でありながらも、そうではないのだ。
ほら、あれだ。小学生が、好きな女の子をいじめたり、からかったりするような、そんな感じだ。
「……でね、この間、メグったらね……」
「……うん、そうだね……」
詩織が友達のことを夢中でしゃべっている。食べ物が口に入っている間はきちんと閉じられているのがお行儀よくって、いかにも詩織らしい。
俺はその姿を見ながら、適当にあいづちを返している。
ころころ詩織が笑っているのに気づいて、俺も適当に笑う。笑いながらもむくむくと、俺の劣情は強くなるのだった。
……早く詩織、お弁当食べ終えないかな~……
「うふふ、おっかしいの、ね、そう思うでしょ?」
「ああ」
……チッキショ~、早く食べろよ……
もう我慢できない。俺は発情していた。
まだ笑い続けている詩織の近くにじりっじりっと近づき、真横に落ち着いた。やっと笑い終えた詩織が、顔を固くして「?」って、不思議そうな表情をした。
「し、しお……詩織……」
肩を持って、顔を近づけていく。詩織がやや力を込めて抵抗した。
「……いや……誰かに……」
「俺のこと、きらいなの?」
畳み掛けて聞いてやる。
「……違うけど……見られ……あっ、ん、ん、ん、んっ!」
詩織に最後まで言わせず、無理矢理抱き寄せてやった。しょうがなく詩織も目を閉じて、キスに応じたいた。
柔らかい唇を味わう。重ねた唇がひどく小さく、可愛い。少ししてから、詩織が離れようとしてきたが、俺は絶対に離してやらない。
「ん、ん、ん、ううっ!」
目を開けた詩織が、その眼差しでもういいでしょ、と訴えていたが無視してやった。逆に力を入れて、更に詩織をこっちへ引っ張った。
唇を舌で割って侵入する。途端に俺の舌は、熱い口内に入り込み、詩織のそれを探し回った。
……み、見っけ……あった……詩織のが……
奥に隠れていた詩織の舌を捕まえてやった。最初は恐れるように怯んでいた詩織も、おずおずと出てきて俺に絡ませていく。
詩織の舌。他の連中が見たら、俺はきっと恨まれるに違いない。学校一の美少女とキスするなんて……ああ、詩織の舌だ、いい感じだ。
こくこく、詩織の唾液を思いきリ吸い込む。
玉露って、詩織みたいな女の子の唾のことを言うんだろうな、などと俺はスケベなことを考える。
甘い詩織の髪の匂いと唾液に包まれて、俺はしばし幸福な時間を過ごしていた。
……でも……物足らない……キスだけじゃ、やだ……
キスを続けながら、白魚みたいな詩織の手を取って、股間に導いた。
「ん、ん、う……! んんっ!!」
俺の強張りに気づいたのか、詩織が手を戻そうとするが、獲物を捕まえた罠のように離さない。ようやく口を離して詩織の耳元に囁いた。
「……わりい、俺、こんなになっちゃった」
「やだ、ねえ、お願い、離して、誰かきたら……」
「詩織がしてくれたら、離してあげる」
きっと俺の顔をにらむ。眉が可愛く逆八の字になっている。これは怒る寸前だと長い付き合いの俺は知ってはいるが、手を離さなかった。
「ばか、何言ってるの、いやよ!」
「……ふ~ん、じゃあ、虹野さんに、これからお弁当作ってもらうことにするわ」
「え?」
俺は意地悪く続けてやる。
「だってあの子、性格いいんだもん、お願いしたらいろいろしてくれると思うんだ、それに何だか俺、気に入られてるみたいだし」
「……ひどいわ、ねえ、わざと意地悪言ってるの?」
……ビンゴ、詩織、正にその通り……
詩織を気にせず、ズボンのチャックを降ろして、詩織の柔らかい手を俺自身に触らせた。
「あ……熱い!!」
詩織の手が引っ込もうとしたので、掴んでそのままにさせた。
「してくれるの、してくれないの、どっち?」
「……どっちって、ここ学校の屋上よ……あっ!!」
詩織の髪を軽くぐいと引っ張る。顔が赤くなり、瞳が潤み始めた。
これをすると詩織は思考停止し、呆けた状態になるのだった。力が抜け、何も抵抗できなくなるのだ。
昔、公園とかでいじめた時に発見したのだ。詩織の弱点は髪の毛を引っ張られることなのだ。そうされると捨てられた子犬のようになってしまうのだ。
白い首筋にちゅっとキスしながら、痕をつけるように強く吸ってから、言った。
「こんなに固くなったの、詩織のせいなんだよ、早くしてよ」
「……え……私のせい? ち、違うわ……ああ!」
またくいと髪を引く。だんだん桜色に染まってきた詩織の咽喉元が悩ましい。
「してくれないなら」
「……し、します……ね、させて」
手を離すと、反動で俺の膝に持たれかかった詩織がふうふう息を荒くしていた。張りのある乳房をそっと掴んで詩織を促した。
俺自身が、ごそごそと詩織の手によって外界へ出てくる。下着や制服に押さえ込まれていたせいか、外に出た瞬間、ぐいんと空を突くように大きくなっていった。
「……じゃあ、早くしてよ」
……詩織の手、柔らけえ……気持ちいい……
両手で数回しごいてから、やがて詩織は、おもむろに口を開いて俺自身を口の中に入れていくのだった。
「ん、ん、ん、んう、はぁ、はぁ、ううん、ぐ、ん、ん、んっ!!」
制服姿の詩織が、俺の左側から跪いて、可憐なお口でご奉仕だ。
ずいぶんやり方を覚えたのか、上下に頭を動かしながら吸うという技術まで会得している。もちろん添えた手も俺自身をさするのを忘れない。
「んっ、ん、あむ、あむっ、はあはあ……ん、ん、ん、はぁ、んうっ!!」
髪が落ちてきて邪魔なのか、時々手で髪を耳に戻している。頬が口の動きでへこんだり、膨らんだり。そして詩織の口から、
ちゅぷ、じゅぷ、ちゅぷぷぷぷ、
なんて、いやらしい音さえもする。
詩織のことも気持ちよくしてあげたくなって、指で胸の曲線をなぞったりする。
すると、甘い吐息を洩らしながら、詩織が身悶えするのだった。もちろんスカートをゆっくりめくって、お尻を隠している純白の下着だって露出してあげる。
純白の下着、つつましやかに飾りの少ない下着、それが詩織のお尻という黄金の曲線を覆っているのだ。そっとその間に触れると、びくっと震えて、時々訴えるような視線を投げてくる。
「ほらあ、お口を休めないでよ」
ちゅぷ、じゅむ、ちゅるるるる、
俺は満足しながら詩織のご奉仕を味わっている。そして再び指で下着の下を確かめた。
……おおっ、詩織、濡れてる!
指に、ねちゃあという粘つく感じが。
キスからか、或いは口でしているせいか知らないが、詩織はもう濡れてきていた。俺が下着の上からこすると、
「ん、ん! ん、ん、ん、ぷはっ、ああ、だめえ!」
叫び声が上がった。だが俺は容赦なく、下着を詩織自身で汚すように指でいじりながら、
「今度は玉の方も舐めてよ」
と命令した。仕方なく詩織が再開する。それでも、俺の攻撃で時折悩ましい声を出すのだった。
「ああん、あ、ああっ! んっ、んっ、はぁん、あん、ううん! あ、あ、あ、ああっ!! ん、ん、んっ!!」
可愛い舌が、俺の袋を刺激する。その間も、茎の部分が手でしごかれていい感じだ。
詩織の喘ぐ姿を見ていたら俺もやばくなってきていた。
「よおし、立つからね」
詩織に含ませたまま、俺は立ち上がった。壁に持たれながら、頭を持って動かしてやる。
「あ、あ、し、詩織、気持ちいい……」
詩織は自分への刺激がなくなったせいか、取りあえずご奉仕に集中している。だんだん顔と手の動きが早くなっていた。
ちゅぱ、ちゅぷ、ちゅぱっ、
……あ……出そう……出そうだ……詩織の口の中、あったけえな、あ、ああ、気持ちいいや……も、もう……どうしよう?どこに出そうかな・・・あ、あれ、どこだ?……
「いっていいか、詩織ぃ!」
詩織がうなづいた。また動きが早くなった。
あ、もうだめだ、俺がそう思った時、ようやく詩織の食べかけの、残り少ないお弁当箱が目に入った。
「ああ、出る~!!」
観念した詩織が大きく口を開いていたが、残念、今日の俺は、いつものようにそこには出してはやらない。
俺は、詩織のお弁当箱に射精してやった。途中でこぼしながらも、たこさんウィンナー、ゆで卵、ブロッコリにたっぷりドレッシングを振り掛けてやったのだ。
俺の様子をぼんやり見ていた詩織が、やっと我に返った。
「……え? え? ええっ? ちょ……ちょっと何してる……の?」
「詩織に特製ドレッシングをあげたくてさ……どうぞ、召し上がれ」
赤いたこさんウィンナーに、びっしりと俺の精液が付いていた。
輪切りになったゆで卵には、黄身の上に精液が掛かっている。おぼろ月夜みたいだ。
ブロッコリの上の精液は、サウザンドレッシングみたいにどろ~り濃くて、いい感じである。
お弁当箱を近づけていくと、言葉を失っていたような詩織が、
「ひどい……ひどいわ……せっかく、一緒に食べようって作ったお弁当なのに……」
もうベソを掻いている。瞳の端からつうと涙が流れ始めていた。
「……ぐすん……ひどいよ……ひどいよ……」
何度も同じ台詞なので、我慢できなくなった俺は、また髪を掴んだ。
「あ」
詩織が泣くのをやめた。ほんのり上気した顔が半開きになり、潤んだ瞳が色っぽくなっている。
「いいから早く食べるんだよ!」
「……は、はい……食べます……」
差し出されたお弁当に、詩織の箸が伸びていった。
ぱくっ、精液で味付けされた鮮やかに赤いたこさんウィンナーが、詩織の口に入っていく。
むしゃ、むしゃ、詩織が咀嚼する。
ごくん、ごくん、咽喉が動いて、神聖なる詩織の胃腸に俺の精液が溶け込んでいく。こんなえっちで刺激的な見世物もそうそうない。
「う……う……」
泣いてはいるのだが、そんなに悲しそうではない。また髪を持つ手を引くと、
「ああ……はうっ……」
びくんびくんと震えている。
間違いなく詩織は、髪の毛を引っ張られるという行為に、性的興奮を得ている。
それが、俺との幼児体験によるトラウマなのかどうかは判らない。ただ、今は、精液で汚してやるということだけが、俺の望みだった。
「ほら……ゆで卵食べ終えたら、次はブロッコリだよ」
命令通りに箸が動いていき、とうとう詩織はお弁当を平らげたのだった。
「よ~し、よくできました」
俺が誉めてやっても、あんまり嬉しそうじゃない。また泣き出しそうだが、どこかが違う。
……そうだ!媚を含んだ涙目の視線で、俺を見ているのだ!
被虐の眼差し、それは決して悲しい、とか、辛いではなく「もっと私にして、もっと私をいじめて!」というサインなのである。
詩織の身体を押して、よつんばいにさせた。
「ああ、痛くしないで……」
かすれた声に情感がこもっている。
さわさわと、まくれたままの下着に触れると、階下への昇降口に顔を向けた詩織の口から、
「あ、あ、んくっ……はうっ……だ、だめえ……あ、あ、あ!」
下着の上から乱暴にこすると、詩織の形のいい尻が円を描いて揺れた。
だめ、と詩織がいくら言っても説得力がない。
抵抗はまったくないし、すでに下着は、詩織の蜜で濡れてしまっているのだ。それどころか、腿の内側までぐしょぐしょになっていた。
「詩織、こんなに濡れてるよ……」
半透明になった下着から、ほのかに赤くなった詩織の花芯が、透けて見えている。
「やん! あ……ああん……やん……ち、違うの……」
ずぶっ、下着の脇から中指を入れてやった。
「きゃんっ! ああん、あん、ん、ん、ん、だ、だめ! だ、誰かきちゃうよおっ!」
ぐりぐり、中指が、蜜のおかげで奥に消えていった。詩織の花芯は、進んで俺の指を吸い込んでいくようだった。
「平気だよ、昼休みだし、誰もこないよ」
確かに校庭からは、昼飯を終えた生徒達がきゃあきゃあ騒ぐ声が聞こえてきたりしている。だが、俺達以外には誰もいないこの屋上では、詩織の甘い声だけしかしない。
「詩織だって、こんなに濡れてるし、喜んでるし……」
それに本気でいやがっていない。
中指で、詩織の壁の奥底をなぞる。ざらざらした壁が収縮し、指を離そうともしない。指の付け根と手のひらで敏感な突起をくすぐると、
「いや……いや……やんっ……あ……違うの……あんっ!!」
「違わないよ、詩織がこんなにすけべな女の子だって知ったら、みんなビックリするよね」
「恥かしい……あ……あ、ああ、や……ん……あ、あ、ああん、んっ! ん、ん、んうっ!」
声が大きくなってきた。そして、その甘い声と喘ぎが、俺自身を固くしていた。
背後に回って、まだ詩織の唾で濡れ光っている俺自身をしごきながら、桃みたいなお尻に当てた。
「! だ、だめ……外でなんて、だめ!!」
逃げようとする詩織にも、もう俺を跳ね除ける力はない。
「……入れちゃうよ。ほら!」
にゅぷ、にゅぷぷぷ、にゅぷっ、
とっくに回復していた俺自身が、詩織の体内に入っていく。途端に詩織の身体が弓なりに反った。
こん、こつん、こつん、
「あ……だめ……だめえ……誰かに見られたら……私、死んじゃう……あ、あ、あっ、ああ!」
「外でって、スリルあるよね、しかも真昼間だし」
調子に乗ってこづく、こづく。その度に詩織が哭いて、喘いだ。
細い腰を持って、強烈に送り込む。詩織が死ぬほど哭いたかと思うと、今度は浅い挿入にして、焦らすようにして、詩織を犯すのだ。
ずぶ、ずぶっ、にゅるん、
「あん、あん、あん、ああっ! やあ……やん……あ、あ、あ、あ……ああ……え?」
動きを止めると、詩織がこちらを向いた。瞳を潤ませながら俺を見ていた。
「何、その不思議そうな顔は。どうしたの、詩織?」
「……ううん……何でもない……」
詩織の不満気な顔の理由はお見通しだ。
さっきまで、激しく責められて気持ちよくなっていたのに、途中でおあずけを食ったから不満なのだ。満ち足りないのだ。
「詩織、自分でお尻を動かしてみてよ」
「ええっ?……やだ……できないよ」
また髪を引っ張ると、詩織の思考が止まる。恍惚状態になるのだった。
「いいから、動けったら、動けよ、欲しいんだろ? 突いて欲しいんだろっ?!」
「は……い……ん、ん、ん……」
詩織が動き出した。尻肉を掴んで広げてみる。
蜜まみれになってしまった純白の下着は、もはや汚れたままで糸のように細くなっていた。花芯にこすれる度に、か細い悲鳴が聞こえてくる。
「はう、あう、ああん、あっ、あ……ああん、あん、ああっ! やん、や、やぁん!」
やだやだ言う割に、詩織は一生懸命に腰を、尻を動かして、花芯を俺自身にあてがっているのだ。
結合部分からは、やや白くなった愛液が洩れていた。もちろん俺のじゃない、詩織の蜜が気持ちよくなるにつれ、白濁しているのだった。
おまけに俺自身が出入りを激しくすると、白濁液が地面に垂れていった。
「……詩織、もっと動いてよ、気持ちいいとこ、俺に教えてよ」
「う、うん……あ、いい、ここ、いいっ……あ~ん……あ、あ、あ、気持ちいい……いいよう……あん……いいっ!!」
詩織が自ら押し当ててくるところが、いいのだ。弱点なのだ。
悩ましい歓喜の声を聞いていたら、もう我慢できない、腰を掴み、激しく俺自身を花芯の中へ送り込んでいった。
「し、詩織! 気持ちいいか? あ? どうなんだ?!」
「いいよ、いい、ああん、あん、やん、よくなっちゃうよお~!あん、いくいく!! ああっ!!」
びくん、身体が反り返った。詩織が達してしまったのだ。
それでも俺自身の突き込みは止まらない。反り返った詩織の口から、
「……ああ……あ……あ……あ……あっ、あっ、あっ、ああ!! だめえ!!」
また声が高くなってきていた。
「だめ、だめえっ!!」
首を振りながら、俺の動きを止めさせようとする詩織の動きを封じて、突いた。
こつん、こつん、こつん、
「だめえっ……ああ、だめえ!」
「何でだめなの、詩織?」
「……だって……ああ……あ……ま、またよくなっ……ちゃうもん……ああん……またいっちゃいそうなんだもん……だから……あ……ああ……やめて……」
一杯涙を溜めた詩織がとても可愛くて、俺の突きが休まる訳がない。
「いいよ、どんどんいって」
ぱん、ぱぁん、ぱんっ、
「あ、死んじゃう、死んじゃう……いい、いい、いい……ああ、あ、あ、いいっ! そこ、いいの、あん、ごめんなさい、いっちゃうよお、あ~ん、いくいくうっ!!」
すぽん、乾いた音と共に、詩織が前のめりに突っ伏した。達したせいで、自分の身体を支えられなかったようだった。
「詩織って、すご~くいやらしいんだね」
コンクリートの地面に伏せたまま、動かない詩織をひっくり返した。
ひく、ひくっ、詩織が細かく痙攣をしている。そんなにバックから責められてよかったのだろうか?
固くて痛いはずのコンクリートに寝たまま、詩織は半分失神しているようだったが、俺はもうぐしょぐしょの下着を右足の膝まで下ろし、俺自身の先端を潤沢な蜜で溢れんばかりの花芯に突き立てた。
「あ、あ、あ、あ、ああっ、だ、だめっ……私、おかしくなるよ~」
否定の言葉を紡ぐくせに、詩織の両手両足が俺の背中に絡み、結合が深まるばかりだ。
ぐい、ぐい、ぐいっ、奥深く到達した俺自身が詩織をこつんと突く。
こつん、こつん。そしてまだ花芯の入り口まで。
獰猛な俺自身が、詩織の美しい花園の壁をこすり続けるのだ。
またずぶり、詩織が様々な声を上げる。制服に顔を埋め、柔らかなその乳房に顔をすりすりしながら、俺は腰の運動の速さを高めていった。
「あ、だめ、や、だめ、ああん、あん、あん、ああ! またいくう、いっちゃうよお!! ああん、いい、いい、いいっ!! ごめんね、わた……し……いっちゃうよ、あん、いい!!」
花芯が収縮した。同時に詩織の身体が、弾んだボールみたいに震えている。しかも俺自身をきつく捕らえたままの花芯が、そろそろ射精を促そうとしていた。
「詩織ぃ……俺も出そうだよ……あ……気持ちいいや、ね、中に出していい?」
「……」
返事がない、瞳がどこか遠くにいっている。軽く頬に手を当てると、気づいたようでようやく瞳に光が戻ってきた。
「あん……だめ……中は……ああん、あっ……だめえ」
快感に身悶えしながら、詩織はゆっくりと言った。
「中は……恐いから……だめえ……あ、あ、ああん、あ」
だが、俺は詩織をとことんいじめたくなるのだ。わざと恐い声で言った。
「じゃあ……これが最後だね……もう次からは」
「ひどい!! ああん、何でそんなこと言うの? 虹野さんが……ああん……そんなにいいの? ひどいわ!!」
潤んだ瞳と逆八の字眉全開の抗議だ。でも喘ぎ声は止まらなかった。
「だって詩織はいやらしいくせに、俺の言うこと聞かないんだもん、だからさ……あ、詩織……気持ちいいよ、熱くて、ぬるぬるで、こんなすごい音してるのにさあ」
にゅぷ、にゅぷっ、にゅぷ、下着を取ったせいで、花芯はもう大変なことになっている。蜜やら俺の先走りやら、汗やらぐちょぐちょのグチュグチュだ。
「……いいよ」
消えそうなくらい小さな声が聞こえた。
詩織の身体から不意に力が抜けた。膣内射精をされると恐れていた身体から、抵抗がなくなった。それどころか、俺の腰を抱えて、更に深く突き入れさせようとするのだった。
「え? ……今、何て言ったの?」
不思議そうに詩織の顔を見ると、とうとう目尻から珠のような涙がはらりと落ちた。慌てて詩織は横向いて顔を隠そうとしていた。
俺は動きを止めて、詩織を見つめてしまっていた。
「……中でいって、いいよって言ったの」
「し、詩織!?」
もともとそんなつもりがないのに、改めて言われると焦ってしまう。
「……出したいんでしょ?……いいよ……あなたの、せ~しなら……大丈夫……いいから中でいって、ね?」
「……詩織……」
何にも言葉がみつからない。でも俺の言うことを聞かない器官が、更に固くなっていた。
「……出して、いいんだよ……だって虹野さんとしちゃったら、私悲しいし……妊娠は恐いけど……でも……」
今度は見る見るうちに、瞳に大粒の涙が盛り上がってきた。やがて詩織の頬を伝ってコンクリートに落ちていく。
「あなたのなら、平気だよ、もし妊娠したって……恐いけど……いいよ……だから……ね?」
「何でひどい目にあってるのに、平気なんだよ! 怒れよ、普通は、怒るはずだよ!!」
言い放った俺を、詩織は下から恥ずかしそうに頬を染めて見ていたが、やがて天使のように笑うのだった。
「……好きだから……」
「!」
「言っちゃった、卒業まで一年もあるのに……恥ずかしいな」
「ばか、何言ってんだよ!」
「……本当よ……だから、何をされても平気、だからいいよ……詩織の中で、思いっきり出して?!」
最後は涙声だった。
「うう……あん……あんっ、あん、あん、あん、あ、あ、あ、ああっ、あ、あん、また、変になるよお~っ!!」
動き出すと、泣きながら詩織が喘いでいく。
吸いつくように湿った肌から、俺自身を引き抜いた。自分でしごいて俺は達した。
俺の射精は、横たわった詩織とは見当違いのあさっての方角へ飛んでいた。そんな俺を詩織は力なく、ただ優しそうな瞳で見ていた。
「……どうして、私の中で出さなかったの?」
「……さあね……判んないや」
「……ふふ……」
身体を起こした詩織が、俺自身をかぷっと口に含んだ。
「ん、ん、んっ、ん、あむ、あむっ、ん、ん」
昼休み終了のベルが鳴っているのに、俺は詩織に舐められ、咥えられた。
詩織の舌が残りの精液を吸い取る度に、俺は背筋を走り抜ける快感に身を震わすのだった。
「お前は授業に出る気がないのか、廊下で立ってろ!」
五時限目の途中で教室に戻ると、先生に怒られた。おまけにバケツを持って、などという古典的な罰を与えられる始末だった。
詩織は、というと、女子トイレに寄って、身だしなみを整えてから教室に戻ってきたが、先生に怒られずに済んだ。
成績がよく、品行方正だとこんな所に差が出るんだなと思わずにいられなかった。
「ゴ・メ・ン・ネ」
五時限目の終了時、ようやく許されて机に戻った俺の耳元で、詩織は囁いた。
また、ふわっと香りのいいリンスの匂いが、俺の鼻をくすぐっていた。
(了)
亭主後述・・・
あの、いじめはカッコ悪いのでやめましょうね。
いやよ、いやよも好きのうち、と言いますけれど、限界を考えて。(笑)
さあて、とうとうヒロインの真打ち、詩織嬢の登場であります。
実はこれ、競作用の作だったんですが、話も進まないので、思いきって手を加えてアップしちゃいました。
詩織には、いつも痛い目に遭っています。誘っても、デートには、なかなか応じてくれないし、条件厳しいし。
でも、何回も口説いてしまうんだよなあ。(笑)