Merry Christmas,Amuro ~機動戦士ガンダム~

 

 私が部屋に入ると、立ち上がったアムロがゆっくりこちらに近づいてきた。
 後2歩というところで、私が、
「部屋に入る時、フラウに見られたわ。」
 そう言うと、歩みが止まった。
 また下を見る。腕を口に持っていって、爪を噛もうとする。
 腕を伸ばして、アムロの手を取った。
「だめよ、爪噛んだらいけないって、習わなかったかしら?」
「・・・どうして、僕のことを年下扱いするんです!」
「年下じゃなくって?」
「く・・・ちっきしょう、今だってそうです、何でフラウのことなんか言うんです?思い出させるんです!?ね、セイラさん!」

 そうね、敢えて言うとしたら、アムロ、あなたに手ひどく扱って欲しいからかな。
 メチャメチャにして欲しいからかな。
 さ、いつものようにしてよ、しなさいよ、いじけてなんかないでさ。

「うう・・・う・・・」
 アムロが私をきつく抱いた。彼のかすかな汗の匂いが、私の女の部分を刺激する。発情しかけの少年のフェロモンが、発情しきった私を駆り立てるのだ。
 そのまま、唇が奪われて、アムロの舌が私を捜し求める。差し出した舌で互いを吸い合い、私はあっという間に高まった。

あ、糸、引いてる・・・ふふ、いやらしい・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ・・・ん、んっ!」
 1度は離れたアムロがまた私にキスをした。そのまま、アムロの髪を指ですくいながら、私も応じてやる。
 2人の足がよろめき、ドアに寄りかかったまま、お互いの服を脱がす、という行為に夢中になるのだ。もちろん、その間もキスは続けたままだ。

 さあ、どうするの、アムロ、今日はどうしてくれるの?

「セ、セイラさんなんか、いっつも澄ました顔してさ、私なんか関係ないわ、みたいな顔してさ!」

 もっと言って。

「でもさ、夜になると、こんなに淫らでさ、みんなに教えちゃいたいくらいだよ!」

 お願い、もっと言って。

 制服が床に落ち、アムロは私のショーツに手を乱暴に突っ込んだ。
「ほら!」
「あんっ!」
 アムロは、自慢気な、得意そうな顔になった。
「もうこんなになってますよ、金髪さん!?」
 アムロの指が、私の秘唇を撫でたのだ。そして外に出し、照明に透かせてみせた。
「もう濡れてるんだ。」
 親指と人差し指の間に粘つく糸のようなもの。
 部屋にくる時から、自分の部屋を出た時から、私はすでにこうなっていた。
「すごくえっちなんだ、セイラさんって!」

 もっと言って。私を辱めて。早く、もっと。

 力のこもった手が私を押し、ドアに顔をつける形になった。手際よく、アムロが電子ロックを施錠済みにしたので、物音以外、誰にも気をつかうことはない。
 後ろから胸を揉まれた。疼痛に唇を噛んで、声を出すまいとする。

 痛い。アムロ、本当に痛いの。でもその痛さがいいの。
 乳首の先。こりこりしてて、ああ、アムロ、そんなにしたら、私、私。

「尖ってる・・・」
 呟きめいたアムロの言葉。
 噛み続けたおかげで、形が崩れかけた爪が、肌に食い込んで痛い。
 さんざん指でこねくり回した後、アムロは、私の胸を揉んでいた手を再びお尻の方へ運んでいく。丸みを帯びた丘が撫でられてから、手のひらがショーツの中へ滑り込んだ。
「ん!・・・ん!」
 さっきあれだけアムロのことを注意したのに、自分の指を噛んでしまった。じっとりと湿った指が、よだれだらけになっていた。
 お尻にアムロのペニスが触れた。固い。大きくなっている。手を取られる前に、自分で触ってみた。
 熱い。たくましい。握り替えて、その雄々しさを確かめてみる。
「う・・・」
 アムロが声を洩らした。彼の指がどんどんショーツの中へ潜り込むのと同時に、私を指を動かしていく。
 握りしめたペニスから伝わる脈動が私の胸を焦がし、濡れぼそった先端からにじみ出る液体が私の手を汚していた。それと共に、私の下腹部が鈍く疼いた。

 アムロ、私に入りたいの?私のことが欲しいの?
 いいのよ、愛撫なんて、いらなくってよ。
 そんなに丁寧に触ってくれなくても、へっちゃらよ。
 手荒にしても、構わなくってよ。

 さっきの戦闘で、アムロはジオンのMS、いっぱい撃墜したのよね。
 顔も知らない、好きでも嫌いでもない人をね。憎んでさえもいないのにね。
 知り合ったら、きっと仲良くなれるかもしれない人をね。
 サイド7を出発した時は、気難しそうな感受性の強い普通の男の子だったのに。
 それが今では、ニュータイプとか、連邦の守護神とか、お偉いさんとか軍人に屁理屈並べられて一躍、英雄扱いよね。
 でも、私知ってるわ。
 戦闘の後、お手洗いで戻してるんでしょ?いつも。いっつも。
 フラウ・ボゥとハロだけが知ってると思ったら、大間違いよ。

 だって、私もそうなの。
 マチルダ中尉におだてられて、パイロットになってからの私がそうだもの。
 敵機を撃墜して、部屋に戻ってからはいつもそう。胃がむかついて、苦い汁が込み上げてきて、吐き気がする。
 思えばリュウが死んじゃった頃、ホワイトベースのみんなには内緒だけど、ランバ・ラルの襲撃と彼の死からそうなのかもしれない。
 スレッガー中尉とか、カイやハヤトなんかは、大丈夫みたいなのに。
 人を殺した、っていう罪悪感を、殊勝にも感じてるのかな。
 だから2人共、狂ったように貪り合わないと、壊れちゃうのかもしれない。
 ね、そうでしょ?そうやってバランスを取ってるのよね、私達。

 アムロは私を抱き寄せたまま、ベッドに腰掛けた。ショーツの中に手を入れて乱暴に掻き回されると、震えが身体に走り、思わず彼の方を振り返った。
 顔が近づき、私は唇を重ねた。
 互いを愛撫しながら、くちづけをする私達。頭の中がただピンク色1色に染まっていく。

 いいじゃない?
 戦争中なんだから、休憩の間くらい、今は何したっていいじゃない?
 出撃中は、孤独な冷たい鋼鉄の棺桶にただ座ってるだけなんだから。
 いいじゃない?
 お互いを貪り合って、刺激し合ってもいいんじゃない?

 今は、舌を絡めて唾液をすすり合うのに、夢中。高まっていく感じ、切なくって、ステキ。

 キスの最中、ショーツがするりとお尻から抜かれて、膝のところで止まった。アムロは私の顔を離さず、そのまま身体をひょいと浮かせた。その意図に気づいた私は、素直に協力し、ペニスを秘唇の真下に持っていった。
 ああ、今から挿入されるのだ、甘美な予感に身体が震え、疼き、とろけそうになる。
 数回の試行錯誤の後、アムロのペニスの先端が定位置を捉え、私を落としていった。
「ん・・・ん・・・」
 呼吸が苦しくなって、顔をそむけた。
 まだ体内に入りきらないペニスが、すでに私を狂わせよう、狂わせようとしていた。秘唇に触れる度、奥底から何かがにじみ出てくる感じがする。
 そして、卑猥な粘膜の濡れる音と共に、ペニスがゆっくりと入っていく。
「ん・・・んっ・・・あ、ああっ!」
 体内を貫かれる。アムロが入ってきてる。
 私の中に、ずっとずっと。
 2つの乳首が痛くなる。アムロはそれを両手で摘み上げ、いじめていた。尖り切って指からはみ出た乳首が、暗い照明でも鮮やかに赤い、と思った。
「い、痛い・・・」
 訴えてもアムロは容赦などしない。もちろん、私もそれを望んではいない。ただ痛くても構わない程に扱って欲しいだけだ。
 しばらくの間、アムロは執拗なまでに乳首を揉んでいた。おろそかになった動きに焦らされて、私は自分からペニスに貫かれた腰を揺らしていく。
 胸と秘唇からの快感が私を支配していた。
 ただひたすらに快楽を追い求め、私は熱くなっていた。貫かれた秘唇の奥へ奥へと、アムロのぺニスを侵入させると、耳には粘膜がこすれ、愛液が洩れる音だけが入ってくるのだ。
「う、動いて、お願い、動いてよ、アムロ!!」
 自分だけの動きでは満足できずに、とうとう言わされてしまった。
 アムロは乳房からようやく手を離し、私の腰を掴むと下から突き上げ始めた。
 ばす、ばすっ、ばす、
 肉の当たる音が響いた。私は両手をアムロの腿と固いベッドに当て、腰を振り続ける。
 そうして貫かれているうちに、昂ぶる快感が何回も脳天に届いた。
「あん、あん、あん、ああん!!」

 当たる。えぐる。突き込まれる。いい。気持ちいい。もっと、もっとして欲しい。
 アムロの真剣な顔、私がよがるさまをじっと見つめる、憎たらしいほど真剣な顔、ああ、そんな風に見られたら、観察されちゃったら。

「ああん、いっちゃうっ!!」
 狭い部屋が揺れたような感覚。何かが私の体内で弾け、爆発した。
 アムロは胸への愛撫をやめ、腰を両手で掴んで動かし続けた。
 達したはずなのに、次から次へと快感の小爆発がどんどん押し寄せ、目が眩んだ。
「ん、ああ、ああっ!!・・・あ!」
 アムロが体勢を入れ替えたのだ。今度はくるりと私が下になり、ベッドの上で抱かれた。
「セイラさん、どんどんいっちゃえ!」
 汗がポタリと私に落ちてきた。変わらず真摯な眼差しで私を抱くアムロが愛しくなり、顔を引き寄せいつのまにかキスをしていた。
 アムロの舌が私を探し、私は逃げていく。私が追いかけると、彼は逃げていく。お互いを捕らえ、舌を絡ませるとそれだけで達してしまいそう。

 ふふ、アムロ、上手になったわね。
 最初は震えるだけだったのに、緊張してるだけだったのに。
 マチルダさんのこと、抱いてるつもりで私を抱いてるの?
 フラウ・ボゥが可哀想よ、戦争が終わったら、抱いてあげなさいよ。あ、もし生きのびたらの話だけどね、うふふ。
 私だって、兄さんのこと、思い出してるんだもん、お互い様よね?

「ああん、ああ、あんっ、よくってよ、よくってよっ、アムロ!!」
 アムロの枕に顔を埋めたまま、またいってしまった。
 体内でペニスが蠢き、アムロが達するのが近い、と呆けた頭で何となく思った。
 乱暴な力で身体がひっくり返された。足を恥ずかしい程に広げられて、私は突かれるのだった。
「あ、だめ、いく、いっちゃう、ア、アムロ、アムロ、ああん!!」
 上から呻き声が聞こえ、私から離れたアムロは、胸に射精した。
 沸騰する意識の中、熱い体液が降り掛けられる度に、私は痙攣していた。そして、兄さんに抱かれたような錯覚に陶酔していた。

 気づくと隣でアムロが寝息を立てていた。私はくすりと笑い、汚れた胸をティッシュで拭った。
 アムロを起こさないよう忍び足で起き、身づくろいを整えた。汗ばんだショーツとブラは部屋に帰るまでの我慢だった。
 そうっと眠ったままのアムロの頬に、ご褒美のクリスマスプレゼントのつもりのキスをした。

 メリー・クリスマス、アムロ。

 通路に出た。
「!」
「セイラ、元気、セイラ、元気?」
 足元に球形の物体が転がってきたのだ。その元の方角に足が見えた。
「フラウ・ボゥ?」
 影に身を隠していたつもりの少女が、ピクッと震わした。
「アムロなら寝ちゃったわ。」
 返事はなく、フラウは立っているだけだった。
「フラウ・ボゥ、脳波乱レテル、フラウ・ボゥ、乱レテル!」
 ハロはフラウの方へ転がっていって、騒いでいた。いきなりガシャッと金属音が聞こえ、ロボットは壁面に激突していた。
「フラウ・ボゥ、怒ッテル、フラウ・ボゥ、怒ッテル!」
「ハロを蹴っちゃだめよ。」
「アムロのこと、好きなんかじゃないくせに!!」
 台詞を吐き捨て、フラウ・ボゥは駆け出していった。慌ててハロがその後を追いかけていった。

 メリー・クリスマス、フラウ・ボゥ。
 
 フラウ・ボゥは、私がアムロに抱かれる間、ずっとそこに立っていたのだろうか。
 私が涎にまみれ、アムロと身体をすり合わせている間、何を考えていたのだろうか。
 快感にのた打ち回っていた頃、よがっていた頃、泣いていたのだろうか?

 突然、昔のことを思い出した。
 地球でマス家の養子になっていた頃、兄さんのところにメイドが忍んで行ったっけ。
 あの時、私は朝まで起きて、隣の部屋の様子を覗っていたような気がする。

 なんだ、女ってみんな一緒なんだ。
 妙にバカバカしくなり、私は椅子の上で苦笑した。苦笑が止まらなくなり、お腹の底で笑い出していた。
 そうしていつのまにか、私は笑いながら、涙をこぼしていた。

 明日はクリスマス・イヴだというのに、私達は戦場の真っ只中にいた。

(了)

 

またもやセイラさんを書いてしまった!kesoさんの新刊発売記念だ!!(笑)
うう、フラウが可哀想すぎるよ~ん。(笑)
「アムロとセイラがデキてる」説は、小説版を読んでしまった昔から、私の頭に刷り込まれています。(爆)
アニメの本編ではこれっぽっちもその気配がないのに、見る度にその匂いを探してます。ほとんどビョーキですがな。
しかし、実際情事の時、「・・・ってよ!」って言うのだろうか?
書いてておかしいなあ、と頭を捻ってしまいました。わはは。
ちなみにソロモン戦の前後、コンスコン強襲の頃と思って下され。(←表現力不足)
タイトルは、お察しの通り、「戦場のメリークリスマス」の原題パクリです。時節柄、ということでご勘弁召されい。
あ、アムロの綴り、合ってます?ちと、不安・・・
セイラさん画伯の第1人者、kesoさんから、またしてもえっちなCGを頂きましたよ、ありがとう~
瞳と唇の色っぽさ、たまりませ~ん!!