夏の思い出 ~となりのトトロ~

 お母さんがまた入院してしまった。しょうがないと思う。もともと身体が弱いのだから、仕方がない。

 でもわたしは、妹のように泣いたり、ワガママを言ったりしない。

 だって、お姉さんだもん。

 お父さんだって、寂しいと思うから、泣かないもん。絶対に泣かないもん。

 

 お姉さんだから、1人で寝れるもん。

 

 強い風がガタガタ吹いて、雨戸を揺らす。風の神様が怒っているようだった。

 こんな時はふとんを頭まですっぽりかぶって、目をつぶるの。暑くて汗かいちゃいそうだけど、がまんするの。

 

 やっぱり怖いもん、お化けが怖いもん。

 メイのこと、笑えない。笑えないよう。

 

 ガタ、大きな音がして、またわたしはふとんの中で震えた。

 そのうち、ふと人の気配を感じた。足元に誰か、いる。いるような気がする。

 怖くなって震えた。

 お父さんを呼びたい。思いっきり叫びたいのに、声が出ない。

・・・誰?誰なの?・・・

 ひょっとしてお母さんかも!

 七国山病院から、抜け出してきたのかも!

 それともまさか、今、危トク状態で、魂だけがわたしのところに?

 

 幽霊とかお化けとかそんなのより、お母さんがいなくなる方が怖くて、わたしは起き上がった。

「あ!」

 闇の中から、驚いたような声。間違いなく人の声だった。しかも男の子の声。

 わたしも驚いて、声を出そうとした瞬間、

「しっ!」

 手が口に当てられてしまった。

「ウグ、ウグ!」

 暴れて手を離そうとしても無理だった。

 相手が手をぐいぐい押しつけてくるからだった。

「静かにしろ!」

 と、どこかで聞き覚えのある声がして、わたしは暴れるのをやめてしまった。

「俺だよ、俺!」

 顔を見た。暗さに慣れつつあった目が、だんだんと相手の顔を見れそうだった。

「俺だよ、カンタだよ、隣の!」

 そうだった。カンタだった。

 驚いたことに、カンタは、唐草模様の風呂敷みたいなものを坊主頭の上に巻いていた。

 まるで泥棒みたい。暗闇の中で、目だけがギョロリと光っていた。

「何、そのかっこう?」

 カンタの手を口から離して、わたしはようやく聞くことができた。

「早く寝ないと、明日学校遅れちゃうよ。」

 やっと声が出た。もう怖い気分はどっかにいっていたけど、どうしてカンタがここにいるのか不思議だった。

「黙って聞けよ。」

 怖い声でカンタが言う。心なしか、声が震えているような気がした。

「うん。」

「夜ばいにきた。」

「?」

 

 夜ばいって、何だろう?夜、さよならすることかな?

 でもそれじゃあ、夜ばいばいだわ。

 

 一生懸命に考えたけど、全然見当もつかなかった。

「何、カンタ?夜ばいって何?」

 そう聞くと、あわててカンタはしーっと自分の指をわたしの口に当てた。

「声が大きい!」

 わたしはふとんの上に座り直して、カンタを見つめた。

「判らないよ、意味が。教えてよ。」

 泥棒のかっこうをしたカンタが、畳に目を落とす。そのまま、しばらく考え込んでいるかと思ったら、急に顔を上げて、

「おまえは黙って寝ていろ!」

 と、わたしをふとんに押し倒してしまう。

「目をつぶってろ、絶対に開けるなよ!」

 そう言われてしまった。

 わたしはわけも判らず、手で顔をかくすことになってしまった。

 

 その後、あまりに痛くって、わたしはふとんの中で泣いた。1晩中、泣いた。

 

 次の日、学校でなかよしのみっちゃんに言われちゃった。

 サツキちゃん、どうして、ガニマタなのって。

 わたしは恥ずかしくて、足にケガしたってウソをついてしまった。

 

 ごめんね、みっちゃん、ケガなんて、してないの。

 う・・・ん、うん、血が出ちゃったけど、ケガじゃないの。きっと、きっとそうだと思う。

 でも、言えないんだ、言えないの。親友のみっちゃんにも言えない。

 

 カンタがどうしてるかと言えば、男の子同士で、すもうを取ったり、追いかけっこをしたりしてた。そして、おきまりの男の子と女の子のけんかになると、後ろの方でコソコソしてるの。

 わたしは前に出て、

「男の子、男の子って、いばるんじゃないの!」

 って、怒ってやった。

 それを見たみっちゃんが後で言ったよ。

「サツキちゃん、ケガなんて平気みたい。」

 って。

 それ聞いたら、わたし、ケガしてるってみっちゃんに言ってたのに、顔を真っ赤にして、思わず駆け出しちゃった。

 体育の授業がなくって、よかったと思う。

 その日は、とうとうカンタとお話しなかった。と言うか、お互いに昨夜のことを思い出しちゃって、目も合わさなかったんだと思うの。

 

 夜。ムシ暑くって、なかなか眠れない夜。

 寝れないのは、それだけなんかじゃない。

 コロコロと転がって寝返りを打ってると、ふすまが音もなく開いた。

「だ、誰?」

「カンタ。」

 小さい声で、でも平気な声でカンタが言った。やっぱり頭に唐草模様の風呂敷を巻いてて、目だけをギラギラさせていた。

「横になれよ。」

「う、うん。」

 わたしはもうカンタの言いなり状態だった。

 目をつぶって、横になる。近くにカンタがやってきて、わたしのボタンを1つ1つ外していく。

 

 昨夜と同じことをするんだ、わたしは思った。恥ずかしくて、顔が真っ赤になっているはずだと思った。

 

 身体を合わせて。重ねて。

 棒きれみたいな、カンタのアレがわたしの中へ。

 痛いのに、苦しいのに。

 わたし、本当は今日もカンタがくるのを待ってた?ひょっとして、心待ちにしてた?

 

 いやらしい。

 わたしっていやらしいんだ。

 

「ん、んっ!」

 カンタの手がわたしのパンツに触れた。そうっと撫でるように何回も何回も。

 人差し指、中指が大切な場所を撫で撫でと。

「熱いよ、サツキの。」

 カンタの言葉が恥ずかしい。

 自分でも判ってるんだ。何かが、わたしの身体の中からにじみ出てきちゃってるんだ。

「うわ、とろとろ!!」

 また恥ずかしい言葉が。

 暗いのに、わたしは手で顔を隠しちゃった。それでカンタがするのを、ずっと待っているの。ずっと。

「あっ!」

 わたしの悲鳴。だって、カンタが口をつけるんだもの。

「き、汚いよ、カンタ!!」

「大丈夫!」

 

 何が大丈夫なんだろう、ここ、おしっこするところなのに。

「あん!」

 濡れた舌がペロって、わたしの中に入ってきた。

 股を押し開くように、顔を入れてきた。両手で足を持って、わたしの中心に沿って舌が舐めていく。わたしを、わたしの中心を。

 

 気持ちいい。

 何か、すっごく気持ちいい。

 ああ・・・

 ああ、ああんっ!

 あ、何かがくる、くるう!!

 

 身体の奥底で、何かが爆発したみたい。爆発するみたい。

 わたしは必死にカンタの頭を押さえた。同時に足で坊主頭をはさんでいた。

 その拍子で、唐草模様の風呂敷が取れてしまった。

 でもカンタは口を休めない。逃げるわたしを捕まえて、舌をぐいぐいと暴れさせる。

 

「あ!あ!ああ!!」

 何かに捕まらないと、わたし、どっかにいってしまいそうなの。

「カンタ!カンタッ!!」

 カンタの名前を夢中で呼んでしまった。と、その時、ガラッと部屋のふすまが開いた。

「!?」

 わたしは身体をすくめると、舐めていたカンタも動きを止めた。

 恐くて、冷汗がどっと流れちゃったと思う。

「眠い・・・」

 お父さんだと思っていたところには、頭がなかった。だんだん視線を降ろしていくと、そこには眠そうに目をこするメイが立っていたの。

「メ、メイ!」

「おしっこしたい。」

 どうやら寝ぼけているようだ。わたしはメイに声を掛けた。

「もうお姉さんだから、独りでいけるよね?」

 コク、メイは頭を縦に振って、ていねいにふすまを閉めて出ていってしまった。

 そのまま、しばらくして耳をすましていると、水を流す音が聞こえてきた。

「はぁ~」

 メイは無事に用を足してくれたようだった。

 安心したのを見越したのか、わたしの足の間で固まっていたカンタが、

「続けていい?」

 と聞いてきた。

 熱っぽく、ぼんやりとしてたわたしは、

「うん、続けて。」

 って、お願いしてた。

「あんっ、わたし、変になる、変になるう~!!」

 カンタの舌が更に激しくペロペロって。

 その時、わたしはとけてた。おひさまに当たった氷のように、とけてた。びくんびくん、って身体がしびれてた。

「もう、死んじゃう~!!」

 ふとんをかんで、わたしはそう叫んでた。

 なごりというか、気持ちよかったことにずっとしびれてると、口の回りをべたべたにしたカンタが、わたしの顔を見て言った。

「入れるぞ。」

「う・・・ん、入れて。」

 迷いもせずにそう言っていた。

「よい・・・しょ、う、うん、あ、入った・・・」

 カンタのアレがきた。わたしの中にやってきた。

 不思議なことに、こないだはあんなに痛かったのに、今晩はもう痛くなかった。

 それよりどうしてこんなにいいんだろう?気持ち、いいんだろう?

 

 ああ、カンタ、そんなに激しくしたら、わたし、わたし、わたし、ああ!!ああ!!あ、何かくるよう、きちゃうよう!!

 カンタッ!!

 

 わたしはカンタにしがみついていた。ぎゅって、抱きついていた。

 そうしないと不安だった。どっか、知らないところに自分がいってしまいそうで恐かったの。

 でもそうすると、もっと気持ちがいい、って判っちゃった。

 密着すると、もっといいの。

 カンタのアレが、わたしの中の奥まで届いているような気がして、いいの。

 かき回されているみたいで、いいの。

 ああ、狂って、狂ってしまいそう!

 

 あっ、また波が、波が、大きい波が、くるっ、くるのっ!!

 あ、おかしく、カンタ、わたしを抱きしめて、そうでないと、あ、ああっ!!

 

「あ~~気持ちいいようっ!!カンタ~!!」

「う、うう!」

 わたし達はお互いを抱きしめあって、声を出していた。

 真っ白になったわたしの頭。びくんびくんって震える身体。気持ちのよさにしびれていると、カンタのアレが、白くてねばねばしたくさい液を出していた。

 それがピュッピュッって出されて、身体の中を打っていた。

「カンタ・・・」

 夢うつつで、名前を呼んでいた。

 はあはあと息を荒くして、わたしはカンタを抱きしめようとする。だけど、憎たらしいカンタは、だんだん後ろに下がってしまうの。

「カンタ?」

「・・・またくる。」

 そう言って、カンタは闇の中へ消えていった。後に取り残されたわたしは、そのうち眠りに落ちてしまった。

 

 学校の図書館で野草の図鑑を探していた。

 ふと、国語辞典が目に入り、わたしは手に取ってみた。

「や・・・ゆ・・・」

 みっちゃんが先に図鑑を探すね、って言う。わたしはうなづいて、「よ」の項を見ていた。

 

 夜ばい、あった!

 

 カンタが口にした夜ばいの意味が知りたかった。お父さんや先生、みっちゃんに聞くのが、何だか悪いことのような気がしちゃって。

 

 夜ばい(夜這い)ヨバイ 名

 夜、女のところにしのんでいくこと。

 

 これじゃあ、意味が全然判らない。「しのんで~」も引いてみたけど、手裏剣シュシュの忍者の忍ぶ、という言葉しか見つからなかった。

 

 足を大きく広げさせられて、のぞき込むカンタ。

 恥ずかしくって顔を隠しているけれど、また暖かい息がかかって、わたしは震えちゃう。

「ぐしょぐしょだな、サツキのここ。」

 あれからほとんど毎晩、カンタがやってくる。

 学校では全然しゃべらないの。しゃべるのは、男の子と女の子同士のけんかの時くらいかな?

「やだ、変なこと言わないで。」

 ぴちゃ、口で吸われちゃう。わたしの大切なところをカンタは吸う。

 吸われると、大切なところがぱくりと開いて、指でカンタがいじるの。くりくり、ってされるとわたしはもうだめ。

「あっ、あっ、カンタッ!」

「ここ、気持ちいいんだろ?」

「う、うん・・・」

 おしっこが漏れちゃいそうな感じ。でも、おしっこじゃない。

 何かが、何かがあふれるって感じなの。

「池が増水してるみたい。」

 

 そう、わたしの大切なところ、ぐちゃぐちゃでぐしょぐしょなの。

 

「いいよう・・・いいよう・・・気持ちいいんだよう!」

 わたしは夢中で叫んでいる。

 やがてカンタは、わたしの上に乗って、アレをずぶってするの。

 深くされると、わたしはもうだめ。

「あっ、あっ、あっ!!」

「サツキの中・・・ヒダヒダがすごい・・・」

 そんな感想を言われても、わたしにはよく判らない。

 だって、ぼんやりしちゃってて、気持ちよくなっちゃうから。

 

 時には身体を引っくり返されて、後ろからされたり。

 一生懸命、手で支えて後ろからカンタにされるの。上からの時とは違うところをずぶずぶされて、いいの。

 そのうち、手が辛くなって崩れちゃうけど、カンタはお構いなし。

 わたしのお尻を持って、カンタがくいくいって。

「あ、死ぬ、死んじゃう!!」

 そんな恥ずかしい声でわたしは泣いちゃう。

 

 わたしがカンタの上に乗らされることもある。下から突き上げられちゃうの。

「おっぱいの乳首、とがってる。」

 こんなこと言われてしまって、恥ずかしいったらありはしない。

 でも、とがってしまったおっぱいの先を摘まれると、すごい感じちゃう。ひくひく身体がしびれちゃうんだよ。

 

 だんだん判ってきたの。

 カンタにいやらしいことを言われながらされると、感じちゃうってことが。

 熱くじんじんしびれて、感じちゃうってことが。

 それで思いっきり声が出ちゃうってことが。 

 

 わたし、いやらしい女の子になっちゃったよ。

 ものすごくいやらしくなってしまったの、お母さん。ごめんね。

 

 カンタに夜ばいされるだけじゃない。

 雨が降って、たまたま偶然帰りが一緒になった時、神社にいったりしたの。

 それで誰もいないことをいいことに、お社の中でしちゃった。

 お稲荷さん、ごめんなさい。

 でも気持ちよくって、大きな声を思う存分出せたの。

「カンタ!!カンタ!!いいよう、そこ、いいよう!!」

 って。

「きれいだよ、サツキ、お前、きれいだよ!」

 って言われて。

 夜のお家では言えないような叫び声を出しながら、泣いちゃったの。

 上になったり下になったり、さんざん。本当にさんざん、いやらしいことをいっぱい。

 

 カンタのおばあちゃんに言われちゃった。

「最近のサツキちゃんは、女らしくなって。見違えるようなべっぴんになっちゃったなあ~」

 って。

「もう大人だよな~」

 模型の飛行機を作ってたカンタは、何も言わずに外へいってしまった。

 おばあちゃんは笑う。

「はは、カンタも照れてるんだから。」

 

 違うの、おばあちゃん。カンタがわたしをこんな風にしたの。

 ごめんなさい、サツキは悪い子なんです。

 

 みっちゃんの家で遊んでいると、突然、下半身に生温かいものが流れたような気がした。

 足を見てみると、太ももから赤い、そう真っ赤なしずくが流れて足首へ。

「みっちゃん・・・」

 先に歩いていたみっちゃんが振り返る。

「サツキちゃん、けがしてる!!」

 きっとわたしは貧血を起こした時のように、真っ青になっていたと思う。

 そしてその時、思ったの。

 

 神様がわたしに罰をくれたんだ、って。

 

 カンタと夜な夜なあんなことをするから。

 自分から、カンタに欲しいって言ってたから。

 お稲荷さんでしちゃったから。

 

 神様が怒って、わたしを・・・

 

 気がつくとわたしはみっちゃんのふとんで寝ていた。起き上がると、そばにいてくれたみっちゃんのお母さんが、冷たい飲み物をくれた。

「平気、サツキちゃん。」

「あ・・・わたし・・・どうしたんでしょうか?」

 気分もよくない。冷汗こそひいたけれど、お腹がしくしく痛いし、吐き気がかすかにしていた。

「サツキちゃん、おめでとう。」

「え、何でしょう?」

「女になったのよ。さっきの血はそういうことだから、心配しなくていいの。」

 みっちゃんのお母さんはどこか嬉しそうだった。

「女?」

 訳が判らなくてわたしは聞き返した。

「そうか、サツキちゃんのところは、お母さんが入院してるんだよね。お父さんだけじゃ、大変ね。」

 みっちゃんのお母さんが、初潮について説明してくれた。

 

 わたしは大人になったのだ。大人の女になったのだ。

 小学生なのに、大人になってしまったのだ。

 赤ちゃんを作れるようになったのだ。

 どうしよう!

 もし赤ちゃんを作ってしまったら!カンタとの間に作ってしまったら!

 

 家に帰って、お父さんに今日あったことを説明した。

 いきなり、お父さんは飛び上がって顔を赤くした。そして病院にいるお母さんに電報を打った。

 そうしたら、カンタのおばあちゃんが、お祝いのお赤飯を炊いてくれたの。こういう時は、お赤飯でお祝いするらしかった。

 

 カンタはすねたような顔をしていた。そうして2杯ほどお代わりして部屋にいってしまった。

 わたしはカンタの後を追いかけたくなったけど、おばあちゃんやカンタのお母さんの説明を聞くのが、精一杯で何もできなかった。

 夜、カンタがきたらお話しようと思った。

 

 その晩、遅くまで起きていたけど、とうとうカンタはこなかった。

 

 以来、カンタがこなくなった。学校で聞こうと思ってもみんなの目があるし、お話しできなかった。

 1度だけ、お地蔵さんの前で会ったけど、カンタは逃げるように走っていってしまった。

「カンタ!どうして逃げるの!!」

 わたしが呼んでも、カンタは一目散に走っていくだけ。

 何だかきらわれているような気がして私は、悲しくなった。

 

 悲しいといえば、もう1つ悲しいことがあった。

 お赤飯を食べた日から、わたしは、もうトトロの姿を見ることができなくなっていたの。

 妹のメイはまだ見えるらしいのに、わたしだけ見れないなんて不公平だと思う。

 

 大人になるって、こういうことなのかなと思ったら、何だか泣けてきちゃった。

 

 2学期になってしばらくしたら、またカンタが時々くるようになった。だけど昔みたいに、わたしの中で出さないようになっていた。

 どうして、って尋ねると、

「赤ちゃんできたら困るだろ!」

 って言ってくれた。

 わたしはそんなカンタにすがって、もう1回っておねだりするの。

 だって、カンタが好きだから。

 わたしを気持ちよくさせてくれるから、好きなの。

 

「あん、ああん、いいよう、もっと!」

 とか、

「カンタ、いっちゃう、わたし、いっちゃうよう!!」

 とか、恥ずかしい言葉を連発して言うようになってしまった。

 

 これが大人になるってことなんだ、快感の中でそう思った。

 もうトトロに会えなくなって大分たつけれど、わたしはもう平気だった。

 

 だって、こんなに気持ちいいことがあるんだもの。

 さあ、カンタ、わたしをもっと、ああん、もっとして。気持ちよくさせて、ね、カンタ。

 あん、そこ、とってもいいよ。

 もっとして、優しくして、ね、カンタ。

 

 これがわたしの夏の思い出なの。

 

(了)

亭主後述・・・

 

昭和30年代、とある田舎町に都会から父と姉妹がやってくる。はつらつとした都会の女の子の姿は、家の手伝いをする少年には、さぞかし眩しく映ったことでしょう。

 

廃れつつあった風習を知っていた少年は、女の子のもとへ忍び込む。

 

夜な夜な、覚えたての2人は、毎晩身体を重ね合うのでした・・・という妄想から書いてみました。(笑)

 

例によってガントモ会の皆さんとカラオケいった時に、ビデオが流れてて妄想してしまいました。

 

今でもこういう風習はあるんでしょうか?(笑)

 

え~でも家宅侵入で捕まってしまうような気がするので、みなさんはしないで下さいね。(爆)