真夜中の天使  ~美少女戦士セーラームーン~

 

 いつもいつも、鏡に向かって、急いで化粧を直さなきゃいけない時に限って、アイツはうるさく喋りかけてくる。
「ねえ、やめなよう、ミナ~」
 ほら、やっぱり。こっちは、死ぬほど忙しいっていうのに。
 それより、まつげの角度が気になる。いつもより、上を向かないわ。
「遅くまで出歩いていると、お巡りさんに補導されちゃうよ。」
 それに目元がちょっぴり腫れてるような気がするな、寝不足のせいかな。
「事件が起きるかもしれないから、やっぱりいよう、ね?」
 お肌のノリも今イチかも?
「やめようってば!」

 ぷちん、あたしの中で何かが音を立てて切れた。
 すぐ目の前のヘアスプレーの缶を取って、うるさく話し続けようとする猫に向かって、思いっきり投げつけてやった。
「ミャーゴ!!な、何するんだよう!?」
 白い猫のアルテミスがフーッと逆毛を立てて、逃げた。残念、缶は命中しなかったのだ。
「う・る・さ・い!!」
 最後に香水をシュッと一吹き、あたしは鏡台の前から立った。
「お家にいようよ、ねえ、ミナ?」
 あたしの前に立ち塞がるように、アルテミスが叫んだ。
「そこ、どいて。」
 しかし猫はどかなかった。
 あたしは殺意を込めて、サッカー選手よろしく猫に向かって蹴り上げたが、やっぱりかわされてしまった。
「あ、ミナ!」
「う・る・さ・い!!」
 猫の嘆願を振り切って、あたしはドアの向こうに出た。
「ミ、ミナ!!」
 尚も後を追いかけようとするアルテミスに向かって、もったいないけど香水を振り掛けた。
「く、くさい!!・・・みゃあ、みゃあ!!」
 しょせん、猫には、この香水のありがたみは判らないだろう。ねだって買ってもらった、学生が持つには恐ろしく高価な香水なのだ。
「ふっ、やっぱり猫に小判ね、アルテミス。じゃ、行ってきま~す。」
 苦しんでのたうちまわるおせっかいな白猫を後に、あたしは捨て台詞を吐いた。少しだけ心がスカッとした。

 10番街の待ち合わせ場所に向かいながら、小うるさいアルテミスのことを考えると、はらわたが煮えくり返りそうになった。
 いつも、いっつも、ああなのだ。
 あたしが夜の街に繰り出そうとすると、ああいうことを言うのだ。
 あたしはセーラー戦士だ。悪者と戦って、日夜神経をすり減らしているのだ。こういう夜遊びでもしないと、ストレス過多で、あたし、きっと死んじゃう。
 亜美ちゃんみたいにいい子にはなれないし(プライベートまでという意味だ)、レイちゃんやうさぎみたいにまだ1人の人には縛られたくない。まこちゃんみたいに思い出にすがって生きていくには若過ぎるし(その割にまこちゃんは気が多いけどね)。
 あたしはあたし。今だけしかない大切な青春を思う存分、謳歌したいのだ。

 気づくといつのまにか、待ち合わせの駅前に到着していた。
「やあ、今晩もきれいだね。」
 今夜のお相手の、香水を買ってくれた自称・青年実業家(ホストクラブやキャバクラを何店舗か経営しているらしい、詳しくは興味がないから知らない、あたしは社長って呼んでるの)が、高級外車から降りてきた。
 いつも通りのハンサムぶりだった。確か、40代後半のはずだった。
「こんばんは、あら?」
 後部座席を覗くと、社長の連れ合いが3人、ひしめき合って座っていた。
「美奈子ちゃんの言う通り、たくさん用意してきたよ。」
「こんばんは~」
 後部座席の男達は、窮屈そうだったが挨拶をしてくれた。夜目にも男達は、あたし好みのカッコよさそうな連中のように見えた。
 あたしは内心舌なめずりをしていたが、それを隠して、
「今晩はよろしくね。」
 と、アイドル顔負けの笑顔で笑ってみせた。
 その時、身体の奥底がじゅん、って濡れたような気がした。

 高級外車はすさまじい爆音を轟かせて、一路高速道路に乗った。
 途中で、何回か外車に戦いを挑もうとする愚かな暴走族まがいの改造車が接近してきたが、ことごとく夜のヘッドライトのように遥か彼方へ消えていった。
 ド、ド、ド、高級外車の響かせる重低音が、身体に伝わってくる。助手席のシートに座るあたしに、どんどん響いていく。
 それは魔法を掛けたようにあたしの中へ染みこんでいき、これからの期待へと合わさって、次第に下着を濡らしていくのだ。
「さあ、降りるよ!!」
 大声で運転席の社長が叫び、車はいきなり2車線を越えて、高速を降りた。料金所を越えたところで、いきなりフロントガラスの向こうに、ドイツの有名なお城そっくりの建物が現れた。
「す、すっご~い!!」
 思わず口に手を当てて、あたしは言ってしまった。
 白亜の塔が何重にも重なっていて、本当に中世のお城みたいだ。う~ん、ステキ。ステキすぎる。
「はは、超高級ファッションホテルだよ、先月オープンさせたばかりさ。」
「社長は美奈子さんのために、VIPルームを取ったんです。」
 後ろからそう付け加えられた。
「あ、ありがと~!」
「VIPルームは予約待ちの大人気なんですよ!」
 もう1人が顔を突き出してそう言った。
「へえ~社長、すご~い。」
 あたしは目を輝かしてみせる。演技するのも忘れないのだ。
「はは、我等がお姫様とすごす夜だ、これくらい何ともないさ。」
 社長はそう言って、車を駐車場に停めた。

 本当は、別にこんな高級ファッションホテルでなくっても構わないのだ。
 さすがに4畳一間の貧乏学生の下宿なんかはいやだが、その辺のホテルでいいのに。
 えっちするのに事前と事後のシャワーさえ使えれば、それでいい。それがあたしの主義だった。

「さあ、着いたよ、どうぞ。」
 男達にエスコートされて、あたしは外車を降りた。フロントで、うら若い、しかしどこか崩れた感じのする女性から鍵を受け取った社長が、あたしを促してエレベーターに乗せていく。
「女性の受付?」
「そう、今やラブホテル、おっと、ファッションホテルもセックス産業の花形だから。お客さんに高級感を味わってもらうためにね、用意したんだ。」
 とか何とか言って、どうせキャバクラに勤めてた女の子に手を出して、愛人にでもして、ここで働かせてるんだろうなあ、と勝手に見当をつけた。
 でも、そうなら、あたしとのこれからのことを公言してることになる。じゃあ、信じてあげてもいいのかなあ、と思ったりもした。
「部屋はこっちです。」
 4人の男を従えたあたしは、さながら女王のように案内された部屋に入った。
「今日はね、美奈子ちゃんのリク通り、ウチの店のナンバーワン、ナンバーツー、ナンバースリーのホストを用意したよ。みんな、本当に、今晩のお客さんの相手を断るのが大変だったんだから。」
「いや、年寄りや不細工な女の相手するより、全然いいですよ。」
「そうですよ、まさかこんな美少女とは、思ってなかった~」
 男達が、口々にあたしを褒めるのを聞くのは悪くない。どうせ、ホストだから口からでまかせだとしてもだ。
「うふふ、ありがとう。さあ、楽しみましょうよ。じゃあ、えっとシャワーは・・・」
 あたしがバスルームを探してキョロキョロとすると、社長が、
「おい、お前達、美奈子ちゃんをベッドへお連れしないか、さあ、早く!」
「は、はい!」
 男達は唱和して、あたしに近づいてきた。あたしは、
「ちょ、ちょっと、シャワー・・・」
「ああ、僕達はみんな浴びてきてるよ。それがマナーだからね。」
「そうじゃなくって、あたしが・・・」
「ああ、美奈子ちゃんは浴びなくっても、大丈夫。」

 う、うそ、何が大丈夫なのよ~

 社長が指をパチリと鳴らすと、3人のホストが一斉にあたしに群がってきた。そのまま、あたしは抱えられて、円形の大きな馬鹿でかいベッドに運ばれていった。
「ちょ、ちょっと、シャワーを・・・あ、こら、どこ、触ってるの、あ、ああ!?」
 後ろから乳房、前から太腿、そして全身を触られた。
 恐ろしく男達の愛撫が上手で、シャワーに行くどころの話ではなくなっていった。
「さあ、脱ぎ脱ぎしましょうねえ、ばんざ~い!」
「あ、ま、待って!」
 ばんざい、スルリとブラウスが脱がされた。気づくと、あたしはストッキングまで剥ぎ取られている。

 て、手際がよすぎる、この人達。さすが、プロ。はれ?ホストはセミプロなのかな?

 変な感心をしている間にも、くるくる、あたしはベッドの上を舞わされて、下着姿だけになっていた。
「いやあ、可愛い下着だね~」
「う~ん、きれいな肌。」
 ロン毛のホスト、確かナンバーツーのホストが、あたしの乳房を後ろから揉みほぐしている。そのゆっくりとした愛撫に、あたしは感じてきていた。
「あ・・・あん・・・」
 吐息を洩らす間もなく、足が広げられて、女の子のようにきれいな顔をしたホスト、これはナンバーワンのはずだった、が、中指と人差し指をあたしの股間に当てていた。
 つう、つう、ショーツの下に隠れてる膨らみを撫でられて、背筋に電気が走った。
「あ・・・あ・・・あ・・・下着が汚れちゃう・・・」
 口元に持っていった手が引っ張られ、何か固いものに触れた。
「あん、おっきい・・・」
 手応えにあたしはぎょっとなった。
 大きい。大きすぎる。こんあのでされちゃったら、あたし、死んじゃうかもしれない。
 見上げると3人目のホスト、真面目そうな顔のナンバースリー君が、あたしを見下ろしていた。
「美奈子さん、口でしてくれる?」
 うなづくのを待たずに、ナンバースリー君が、愛撫に喘いでいるあたしの口先にペニスを差し出した。今度は視線をペニスに向けてみた。
 本当に大きい。
 ビール瓶とは言わないけど、あたしが今まで経験した日本人の男では、最大・最強の大きさかも知れないと思った。
 そういえば、黒人にナンパされちゃった時も、これくらいの大きさだった。あの時も、死ぬほどヒイヒイ哭いてしまったような憶えがある。
 あれ以来の大きさだ、あたしは快感の予感に打ち震えた。
 ナンバーワンホストがショーツの上からあたしに愛撫を続けているし、後ろからナンバーツーホストに乳房を揉まれている。

 いい、気持ちいい。
 あん、おっきなペニス、すんごいサイズ!
 うふふ、口でしちゃおうっと。ぱくっ、わあ、おっきい!

 あたしは喉の奥まで、咥え込んだ。むせかえりそうになりながらも、一生懸命にペニスを舐め続けた。くぽくぽ、ちゅぱちゅぱ、音がしてた。
 必死になって、舌を動かし続けた。
「ようし、美奈子ちゃん、パンツ脱いじゃおうっか!」
 ナンバーワンがそう言って、ショーツを脱がしてくれた。その途中で、
「わ!」
「え?」
「何?」
 男達がナンバーワンを覗きこんでいたが、あたしは口が忙しくて、彼が何に驚いたのか、さっぱり判らなかった。
「うわ!」
 ナンバーツーも見るなり叫んでいた。
「どうした?」
 椅子に座って1人、シャンパンらしい黄金色の飲み物を優雅に飲んで、あたしの痴態を見ていた社長までがやってきた。
「社長、この子、毛がないんです。」
 ペニスを咥えながら、あたしはウッと呻いた。
 しまった、数日前に遊んだ相手に、剃毛されてしまったのをうっかり忘れていた。
「おかしいな、2週間前に会った時は、確かにあったんだけどなあ。」
 社長がグラスを片手に首を捻っていた。

 は、恥ずかしい。
 数日前の相手に、さんざんいかされてしまって意識が朦朧としている間に、剃られてしまったのだ。気がついた時には、もう遅かった。
 あたしの股間はつるっつるになった。
 怒ってその男に抗議したが、つるつるのあたしを見て興奮したそいつは、またもや挑んでくる始末だった。数分前には怒っていたくせに、結局、あたしはあんあん悦んじゃったんだけど。
 それ以来、毛が伸びてくるとちくちくするのがうっとうしくて、あたしは自分で剃っていたのだ。

「それにしても、きれいなピンク色だなあ。」
 社長が感心するように言った。
「どれどれ、俺にも触らせてくれよ。」
 社長の指が触れて、亀裂を撫でた。
「あん・・・あ・・・」
「ふ~ん、さては誰かに剃毛されたんだな、美奈子ちゃん?」
 あたしは返事をするのが恥ずかしくって、ペニスをしゃぶり続けた。
「本当にきれいな色っすねえ、社長?」
 社長とナンバーワンのペニスを両手に、あたしは奮闘している。
「さ、こっちもしてよ。」
 社長のリクに応じてあげる。社長のはそんなに大きくないけど、真っ黒(使いこんでる証拠だろう)で、太かった。
 少々、名残惜しかったが、長さがたまらないナンバースリー君から口を離して、あたしは首を曲げて社長のを含んでやった。
 舌を絡めて吸い上げる。唇をきつくしめて、舌先で叩く。社長のペニスからにじみ出した男の「先走り汁」というものを、すすっていく。
「あ~美奈子ちゃん、うまいな、やっぱり・・・」
 男達があたしの技で喜んでいるのを見て、あたしは言いようのない幸福感と満足感を感じた。
 そして、両手には熱い熱いペニス。
 ごしごし、何回もこすりあげた。その固さが、あたしの胸をいっぱいにさせていくのだ。
 社長から口を離して、次のペニスへ。もう、後ろであたしを愛撫しているのが、誰か判らない。口に入っているのが、誰のペニスなのか判らない。両手のペニスは誰のものなんだろう。
「ん、ん、あ、ああ、ん、ん、ん、んっ!!」
 あたしはベッドに倒された。
 どうやら1番手の人が挿入するようだ、胸が震わせながら、あたしはそう思った。
 足が大きく開いた。そして、膝と胸がくっつくくらい身体が強い力で折り曲げられた。

 あん、あん、だ、誰、1番目は誰なの?
 あたし、こんなに広げちゃって、恥ずかしい!
 あ、あ、きた、あ、これ、覚えてる、この感じ、覚えてる、あ、社長の~
 ああ、あん、あん、あん、あ、は、激しい、激しいの、あん、そんなにしたら、あ、ああ!!

「見ろよ、社長の高速ピストン、すげえな!」
「す、すげえ!・・・美奈子ちゃん、死んじゃうんじゃねえか?」
「通常の3倍の速さだな。」
「う、う、まだまだお前らに負けないぞ。」
 社長の現役宣言と共に、高速ピストンが更にスピードを増して、あたしは窮屈な姿勢のまま貫かれた。腰があたしを打つ度、太いペニスが入口をこすり、刺激していく。
「あ、ああ、しゃ、社長の、すっご~い、すっご~い、ん、ん、ああ、ああ!!」
 ごりごりと内臓まで犯されているような気がした。身体の奥底まで、太いペニスで掻き回されているようだった。
 そして舌が捻じ込まれ、荒々しいキスをされた時、あたしは1度達していた。
「ふう、おい、お前達、ぼうっとしてないで、美奈子ちゃんにしゃぶってもらえ。」
 全員が、あたしと、あたしとセックスしている社長を取り囲んだ。喘ぎ続ける口にペニスが差し込まれ、シーツを掻きむしる手にペニスが触れた。

 ああ、あたし、あたし、こんなに、こんなにたくさんの相手をするんだ。嬉しいな、ああん、嬉しいな。
 ああん、社長の太い、ああ、すっごい、まだ1人目なのに、またいっちゃうかもしんない。
 うく、うぐう、あ、ああ、いぐ、いぐう、ああ、いっちゃう!!

 社長がペニスを引き抜いて、絶頂に打ち震えるあたしの顔に射精した。どくどくっと、熱い液体を浴びせられて、あたしは口を開いた。餌をねだる鳥のヒナよろしく舌を伸ばして、すべてを吸い取ろうと努めた。
 あたしは、精液を飲むのが好きなのだ。たまらなく好きなのだった。
 だから、男達と寝るのが好きというより、飲むのが、口の中に出してもらう方が好みなのだ。だから、身体の中には絶対出させてやらない。もちろんセックスも大好き、そういう前提なんだけど。
「ん・・・あ、まだ出てる、あ、ああ、こんなに・・・」
 まだ残って付着していた精液をペニスから絞っていく。最後まで吸い取った後、頬や顎、鼻についたそれを指で集めて口の中へ持っていった。
「あん、社長のおいしい・・・」

 この味、とっても、だ~い好きなの、この恍惚感、すごい好き。

 社長が射精するタイミングが不思議と他の男達にも判ったのだろう、さっきまであたしの口に入れていた男が、速やかに侵入しようとしていた。
 咽喉の中でねばつく社長の精液をごくごく飲み干しながら、あたしは喘いだ。
 
 あん、あん、だ、誰かな、これ?

 深く挿入されながら、今、あたしとしてるのは誰なんだろう、そう思って薄目を開けて盗み見た。
 ナンバーツーのロン毛君だった。外見と似合わず、たくましくがっちりとした筋肉が、頼もしく思える。彼は、正常位であたしの中に入ってきた。
 あたしを突く度、ロン毛が跳ね、うっすら肉体に浮かべた汗を飛び散らせていた。
「しゃ、社長、俺、こんな子、初めてっす!」
「どうだ、美奈子ちゃんの感想は?」
 ナンバーツーがあたしを抱きながら、またシャンペンらしきものを片手にした社長と会話していた。
「うお、すごいっす、熱くて、絡みついてくる・・・あ、す、すげえや!!」
「名器だろ?」
「うわあ、こりゃ、気持ちいいやあ。ようし、じゃバックで・・・」
 ナンバーツーがあたしをコロン。あたしの腰を持って引っくり返した。
 そしていきなり抽送の速度を上げて、あたしを突いた。もちろん、ペニスが中に当たって気持ちいいのだが、それにもまして、袋の部分が揺れて敏感な突起を打ち続けるのがたまらなかった。
「はい、美奈子ちゃん!」
 目をつぶっていたあたしの前に、美少年のナンバーワンホストがペニスを突き出した。可愛らしい顔とは正反対に、獰猛になったペニスが反り返って、お腹とくっついている。
 あたしはぱっくりとそれを咥え、次にナンバースリー君のを手に取って、しごき出した。

 あん、こんなにされちゃってる、あたし、みんなにされてるう、あん、最高!

 ぱん、ぱん、ぱんっ、

 あん、すごい音、あん、いくう、いっちゃうの~

「ふ、不覚だ、もう、もたないや、う!」
 ナンバーツーがあたしの頭を越えて、顔を向けさせた途端、また奔流のような精液が口に注がれた。
 今度のは異様に量が多く、残っていた社長のと混ざり合って、飲み込むのに苦労させられた。
「あ、あ、う、うくう、はあ・・・あ、あ、あ!!」
 休む間もなく、例の美少年ホスト、ナンバーワンがバックで挿入してきていた。ようやくナンバーツーのペニスが離れ、おかげでようやく声を出せることになったのだ。
「ああん、ああん、あん、やあん、気持ちいい!!」
 可愛い顔のくせに、さすがはナンバーワンホスト。彼は女の身体を知りつくしていた。
 あたしの感じるポイント、それが的確に突かれ、回った片方の指で敏感な突起を摘む。時折、つぶすように力が込められた。
「ああ、す、す、す、すごい、あん、やん、ああん!!」
 あまりの快感にあたしは哭き叫んだ。声を震わせた。
 社長にも、ナンバーツーにも悪いが、ナンバーワンのテクニックは、常軌を逸していた。
 パワーではない、ペニスではない。右手で、ビックサイズのナンバースリー君のペニスをしっかと握りながら、頭を真っ白にさせながらもそう思った。
 抱きながら、ナンバーワンはあたしの肌に舌を這わせている。
 あたしの汗を吸い、何事か呟きながら、あたしを突いている。
 耳をすますと、美奈子ちゃん、きれいだよ、とか一緒にいこうね、とか、そういう台詞を言っていた。
 きっと彼に熱を上げ、貢いでいる女達は、こういう言葉の攻撃にメロメロになるのだろう。
「やあん、やん、あ、いっちゃう、いっちゃいそう、ああん、だめえ、いくう、いくの!!」
 絶頂が、本日5回目、6回目の高みが、あたしを襲った。ナンバーワンの突きを受けながら、あたしは、はしたなく絶頂の歓喜の叫びを、大きな声で叫んでいた。
 びくん、びゅくん、びくん、全身が痙攣して、あたしはベッドに突っ伏した。
「ほら、出してあげる。」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・あ~ん・・・」
 力なく、ただ口だけを開いて、舌を突き出した。
 女の子顔のナンバーワンが、自分で自分のペニスをしごいているのが見えた。なまじ美形なだけに、真っ赤な顔をしてペニスを動かすのが倒錯した感じをあたしに与えた。
「早く、早くう、出して、あ・・・あ・・・ああん!!」
 ねだってる間に、3回目の射精が行われた。それは水のように薄かったけれど、舌先に全部たまって、あたしを満足気分にさせた。
「うん、うん、まだ出るからね、全部絞ってね、美奈子ちゃん。」
「うん・・・あむ、あむ、ん・・・」
 すする、すする、すべてを飲む。指に残った精液を音をたてて、すすり、あたしは胃の中へ流していった。
 満腹感に似た充実感に酔い、心地いい疲労にあたしは包まれた。

 あん、もういっぱい、いっぱい、し、幸せ・・・あ、な、何?

 巨根のナンバースリー君が圧し掛かってきたのだ。しまった、もう満足感に満ちててすっかり彼を忘れていた。
 ナンバースリー君は突起を指で責めながら、
「本当にきれいなあそこだね、興奮しちゃうなあ。」
 指だけでなく、舌がぺろん。
「あ、ああ!」
 あたしの身体はどうなっているのか、ひどく感じやすくなっていた。感じやすい、というより、男達に責められ続けたおかげで、敏感になっているのだった。
 それでも、あれだけ絶頂を味わったのにまた感じるってことに、あたしはひどく興奮した。
「子供みたいにつるつるだ。」
「あっ、い、いやん!」
 尖った舌先が体内に入り込む。亀裂に沿って舌が蠢き、あたしはまた濡れた。
 それぞれタイプの違う百戦錬磨(?、でもホストなんだから、そうだと思う)を楽しむことができて、あたしは本当に幸せなのだ、そう思った。
「あっ!あっ!」
 身体をよじって逃げようとした矢先、巨根があたしの身体を穿った。それは亀裂が切り裂かれるんじゃないか、もう裂かれているんじゃないか、そんな錯覚と恐怖心を伴っていたが、前の黒人のことを思い出し、身体の力を抜いた。
 こんな時、抵抗したり、力を入れたままだと、逆に痛くなるものだ。今までの経験値がそれを教えてくれていた。 
「あ~とろけそう、美奈子ちゃんのここ・・・」
 ナンバースリー君が、うっとりとした声でそう言ってくれる。
 あたしは、といえば、巨根がもたらす快楽に脳天まで揺さぶられていた。がくがく、身体が痙攣する。
 真っ白な光が頭の中で点滅し、その実、あたしには何も見えていない。
 身体が串差しされてしまったような感じ、身体の中で膨らんだペニス、そんなワケの判らない思いだけがあった。
「ああああ・・・だ、だめえ、し・・・死んじゃう!あたし、死んじゃうよお~!!」
 足をナンバースリーに巻きつけて、絶叫するあたし。ぎゅ、一生懸命抱きついてないと、どっか行っちゃいそうなあたし。
 すごい、すごすぎる。

 あん、本当にすごいの、ああん、ああん、いっちゃ・・・う・・・い・・・っちゃ・・・う・・・あ、も、もう!!

 狂わされるよう快楽、脳内エンドルフィンの大洪水、ううん、もう、あたし、きっとおかしくなってる。
「だ、だめえっ、いっくう!!」
 その日、1番の快感が突き上げて、あたしは絶叫してた。
 しばらく気を失っていたのだろうか、次に覚えているのは、口に入れられたナンバースリー君のペニスが精液を放っているところだった。
「く、く、うく・・・うっく・・・ぷ、ぷは・・・」
 ごくごくと、咽喉を鳴らして飲み込んでいくあたし。
 顔中をドロドロに汚して震えるあたしに、回復した社長がペニスを怒らせて近づいてきた。
「社長、飲まして、もっと飲みたいの、あたし・・・」
 心の底から、あたしはそう言った。

 朝の光が、あたしを眩しく照らしていた。
「あ・・・腰が痛い・・・」
 誰ともなくあたしはそう呟いて、電柱に寄りかかった。
 お腹の中がタップンタップン、だった。朝までされ続けたために、男達の精液が胃の中にどろろんと溜まっている感じだった。
 車で10番街の待ち合わせ場所に降ろされて、社長達とはそこで別れたのだ。
「じゃ、またね。」
 そう再会を約束して、別れたのだ。
 今日は日曜日、夕方までゆっくり寝よう、そう思ってまた歩き出した。
 そこへ突然、
「ミナ!!」
 おなじみの声がした。
「あ、アルテミス!!」
 白猫は、真剣な顔であたしを見ていた。
「あ、朝帰りしちゃった、てへへ・・・」
「てへへ、じゃないよ、うさぎちゃん達が大ピンチなんだ、さ、こっちだよ!」
「て、敵が現れたの?」
 あたしの声はうわずっていた。
「そうだよ!さ、ミナ、早く!こっちだよ!!」
「待ってよ、アルテミス~」
 駆け出したアルテミスを追いかけたのはいいが、腰がずきんと痛んで、あたしは顔をしかめた。おまけに、またお腹がタップン、精液が揺れていた。

 何もこんな時に、敵が出なくってもいいじゃない、お家帰って、ゆっくり寝たいよ、え~ん!

 そうはいかない、いかないのだ。だってあたしは、愛と美の戦士セーラーヴィーナスなんですもの。
「ヴィーナススターパワー・メイクアップ!!」
 金色の光に包まれて、ベッドが恋しいあたしは変身した。
 きっと、疲れ切った顔で変身してるんだろうなあ、そう思うと、頭の隅で情けなくなっていた。

(了)

亭主後述・・・

 

えっち大好き、しかも飲みまくり(笑)の美奈子ちゃんでした。
タイトルは、栗本薫女史(中島梓名義だっけ?)から拝借しております!
美奈子ちゃんは、セーラー戦士5人の中で1番の美人だと思います。
だけど何か軽そうなイメージがあって、乱交がまた似合いそうなイメージでした。(笑)
ファーストインプレッション通りに書いてみました、よろしければご感想を下さいませ。