Killing Me Softly Baby ~美少女戦士セーラームーン~

 何もすることのない午後の日差しは、眠気を誘うだけ。
 薄いレースのカーテンの向こうに見える風景に目をやった。見えるのは、見えるのは、計画性もなく建てられている、無残な超高層ビルの解剖図だけだ。
 エラい人達は、ちゃんと考えているのかな。この街の未来を考えているのかな。
 ボクはそう思うのだ。
「ん・・・ん・・・」
 いけない、恋人がボクの横でまどろんでいたっけ。せっかくの安らぎのひとときだ、邪魔しちゃいけない。
 風も出てきたようだ。恋人の顔を見てから、少しだけ開いている窓を閉めようとした時、
「・・・人の寝顔を見ないで下さる?」
 と手を握られた。
 振り返ると、恋人が美しい瞳をボクに向けて、微笑んでいた。その柔らかい笑み、温和な笑顔、ボクは見ているだけで幸せになる。
 そうボク達は幸せだった。ボクらには、どうやら他人より才能があるらしい。運動やら、芸術やら人より抜きん出ているらしいのだ。
 だけどそんなことはどうでもいい。2人一緒にいるだけで幸せなのだ。
 
 あの大災厄の予感を除いて、という条件つきで。
 繰り返し何度も見る悪夢。街が人が滅んでいくあの悪夢。
 ボクは、自分1人だけが見ているのかと思っていた。だけど、違った。彼女もそれを見ていたのだ。
 だからボク達は決意した。あの悪夢を決して実現させないように、戦うと。

「失敬、失敬。あんまりきれいな寝顔だったもんでさ。つい見とれちゃったよ。」
 ボクは恋人、海王みちるの髪を撫でた。サラサラの豊かな髪だ。
 肌が透き通るように美しい。思わずキスを額にしてしまった。
 しっとりした感じが唇に残っている。離すのも惜しかった。
「よくお休みだったね。」
「誰かさんが、夕べ遅くまで寝かしてくれないからでしょ、うふふ。」 
 とみちるは魅惑的な笑顔で言う。
 そうだった。昨夜はハリキリ過ぎて、みちるの身体の弦を奏でることに熱中してしまったのだ。
 みちるはその華奢な身体を跳ねさせて、何回も美しい音曲を聴かせてくれたものだった。
「あ・・・ん!」
 みちるが声を出していた。どうしたのかなと思って見ると、ボクはいつのまにか彼女の花芯に触れていた。
 敏感なみちるは、すぐに声を出してしまうのだ。
「や、やだわ、他のことを考えながら、人の身体、触らないでくれるかしら?」
 もうみちるは瞳を潤ませている。感じやすい身体のせいだった。
 ボクは笑って、
「お団子頭のことを考えていたのさ。」
 と言ってやった。
 果たしてみちるはきっと唇を噛み、
「もう、知らない!」
 膨れてそっぽを向くみちるは、本当に可愛い。ヤキモチを焼いていても、可愛いと思った。
「ごめんごめん、ウソさ。みちる、君だけしか見えてないよ。」
 ボクはみちるの首にくちづけをする。そして花芯を探る手をかざしてみた。
「ん?みちる、もうこんなじゃないか。」
「あん、し、知らない、あんっ!」
 手についたみちるの愛液が光っている。
 それを見ながら、ボクは、彼女の乳房に息づく小さな蕾を舌で転がしていた。
 ふっくらとした乳房は、吸いつくような舌触りだった。蕾から膨らみを下がり、感じているみちるの匂いを吸う。そしてまた、蕾へ。
 蕾は、ひっそりと小さく固くなっていた。ひどく甘いその味わいに、ボクは興奮していた。
 歯を立ててコリッと噛むと、
「あ!あっ、は、はるかぁ!」
 ボクの名を呼んで、みちるがボクを抱きしめる。
 キスを求めるみちるに答えてやった。ボクは彼女の唇を吸う。舌を絡ませ、互いを吸う。
 2人しかいない部屋に、濃密な官能の世界が広がってきていた。

 みちるはボクにとって、恋人であり、親友であり、同志だった。
 どうして身体を重ねてしまったのか、それはよく覚えていない。気がつけば時々こうやって、お互いを求めるようになっていたのだ。
 多分、世間的には異常なんだろう、ボクとみちるの関係は。
 だけど後悔なんかしてない。
 ああ、みちる、君が好きさ。誰よりも好きさ。

 花芯の中は熱いくらいだった。差し込んだ指がその熱さにも負けずに、みちるの中を探求していった。
「あん、あん、ああん!」
 普段は冷静沈着なみちるも、快感には勝てない。だけどそこが愛しいのだ。
 ボクは、切なそうな顔で喘ぎ、またか細く、高い声を振り絞るみちるの顔を眺めた。
「みちる、可愛いよ。」
 眉がひそまり、逆八の字になった。高まっているのだろうと思う。
 みちるの手が伸びて、ボクの乳房に触れた。白い魚のような指先、乳房にそれが触れた瞬間、電気のようなショックがボクを襲った。
 人のことは言えない、ボクも実は敏感なのだ。
 みちるの手に掛かったら、ボクはもう陥落寸前だ。だけど、今はボクの番。ボクが攻める番なのだ。
 もっと胸を触って欲しかったけど、今は我慢して、みちるの花芯と繊細な突起を撫でることに専念していった。
「あ、あう、あ、ああ!」
 ボクの身体にしがみつくみちるが震える。

 さあ、目を閉じないで、ボクを見て。その美しい瞳をよく見せて。
 お願いだから。ボクだけに見せて。
 そうさ、みちる、ステキだ、ステキだよ。
 魚が湖水の上を跳ねるように、飛ぶ姿をボクに。このボクに。
 さあ、見せておくれ。

「あ、あ、ああっ!はるかっ、私、ああ、もう、もうっ!!」

 もっとさえずっておくれ。その声を聞かせてよ。

「だ、だめえっ!!」

 可愛いよ、みちる。

 みちるがガクガクとベッドの上で跳ねた。
 愛液が溢れた花芯がボクの指を締め、くうと身体を小さく震わす。次の瞬間、爆発が起きて、切なくも甲高い声で、みちるは達していた。
 だけどボクはここでやめたりはしない。
 みちるをもっと追い込んでやるのだ。ここで逃がしたりはしないのだ。
 可愛らしい、だけど肥大した肉の芽を弾き、反ったみちるを抱きしめる。
「あっ!ああっ!!だめ、はるか、私、だめになるう~!!」
 匂いが、いい香りが漂い、ボクは吸う。
 そして、断続的に弛緩するみちるの口を塞いでやった。
「ん、ん、ん・・・」
 徐々に力が抜けていく。ぐったりと、汗まみれになって、でも、息を荒々しくして、みちるは果てた。
「はぁ、はぁ・・・」
 黙って額にキスをする。
 みちるが薄目を開けた。
「もう・・・はるか・・・激しいんだから。」
「君がそうさせるのさ。」
 汗ばんだ素肌に口づける。ぴく、みちるが反応した。
 快感の余韻、ってやつだ。だからどこに触れても、みちるは声を上げてしまう。
 悶え続けるみちるの声と薔薇色に染める頬を見ていると、何だかボクももうたまらない気分だ。

 このまま、こうしていたい。君とずっとこうしていたい。
 たまにクルマに乗って、スピードとスリルを追い求めたりするのも、余暇にすぎないんだ。
 こうやって、ずっと君と抱き合っていたいのさ、な、分かるだろ、みちる?
 
 そんなことを考えていると、いきなりみちるが身体を起こして、ボクの上に乗った。
「おいおい、みちる。」
「今度はあなたの番よ。」
「よせよ、もうボクはクタクタ・・・」
 ボクの口をみちるが封じた。
 小悪魔のような妖しい笑みのみちるが、ボクを吸う。

 ああ、みちる、そんな、そんな顔、しないでくれ。ああ、ボクもおかしくなっちゃうよ。

「う、うう!」
 小悪魔のピンク色した舌が、ボクの胸を吸っている。
 大きさは、ちょっとみちるに負けてて、悔しいんだけど。
 唇に含まれ、舌がボクの乳首を転がした。
「ボクは、オモチャじゃないんだから、ああっ!」
「はるかもここがいいのよね。」
 そう言って小悪魔の容赦ない攻撃が続く。
 みちるは、ボクのすべてを知っていた。だから、だから、肌を合わせたところ全部がいい。いいのだ。
「あん!」
 ボク自身に触れたみちるの指が巧みに動いていた。ヴァイオリンを爪弾くように、触れている。
「ああん、はるかのその顔、とっても好き・・・」
 またキスをされた。
 ボクだって、男の子と間違われることもあるけど、れっきとした女だ。そこは弱点、というものだ。
 重ねた唇にも性感帯がある。ずっと押し当てているだけで、感じるのだ。
 だけど、みちるはボクが舌を絡めようとした時に、離れてしまうのだった。
「あ!」
 ボクは目を開く。相変らず妖しい笑みのみちるは微笑んで、ボクを見下ろしていた。
「?」
 疑問に思う間もなく、みちるはボクの股間を広げていた。
「あ、そこは!」
 最後まで言い切れなかった。
 みちるの伸ばした舌が、ボクの感じる突起を突ついていたからだ。
 唾液をたくさん含んで、突起を舐め上げる。電流は走ったように、ボクは痙攣してしまう。
「あ、あ、あ、そ、だめ、そこは!」
 だけど、みちるは許してくれない。
 ボクは、自然に腿を閉じようとしていた。腰が浮き、足を閉めてしまうのだ。

 だって、そうしないと。そうしないと。
 そうでもしなきゃ、そうでもしなきゃ、あ、だめだ、ボク、いくう!!

「あ、みちる!ボク、ボク!!」
 舌の動きが激しくなる。たまに軽く歯を当てて、突起に齧りつく、みちる。
「あ、あ、あ、あ、あ、ああ!!」
 きゅいんと、何かがボクの身体の中を走り抜けた。
 それはエクスタシーだ、浮遊感の中で思った。ベッドの中で確かにボクも、さっきのみちると同じく、飛んでいた。
「あ、ああ!!」
 だけど、まだ顔を上げないみちるは、ボクを攻めている。
「いく、いく、いくっ!!」
 みちるの頭を押さえながら、ボクは絶叫していた。
 心地いい疲労感と、頭の中を真っ白にして、ボクは達したのだ。
 ところがみちるは、普段虫も殺さないような顔して、実は残酷だったりする。ボクを離してくれないのだ。
 というよりも、快楽の追求に貪欲というのか。
 みちるは、ぐったりして力の抜けてしまったボクの足を開かせ、自分の身体を割り込んできた。ボク自身とみちるの花芯が、すっぽり合わさる形になるわけだ。
 古来から、こういう体位のことを、「貝合わせ」と呼ぶらしい。女性器の形状が貝殻に似ていることから、そう呼ぶのだそうだ。
 もっとも平安時代、貴族の令嬢達がたしなんだ、美しい桜貝の貝殻同士を合わせて楽しむ遊戯を、貝合わせと名付けたところからきている方が、ロマンティックだと思うのだけれど。
 とにもかくにも、みちるはまだ充分に濡れていた花芯を、ボク自身にこすりつけてきた。
 例によって、あの小悪魔の笑みを浮かべて。
 ボクはみちるに協力するため、やや身体を起こして、左肘をベッドについてやった。そうやって、お互いの身体を崩さないように、触れ合った貝を押し合うのだ。
 互いの性器から流れ出る愛液が潤滑液となって、ボクらは高まっていく。
「ん、ん、ああ、ん、ああ、あ、み、みちる!」
 ボクは彼女の名前を呼んだ。淫猥な小悪魔の表情が、だんだん切ない顔に変わっていた。
 きっと、ボクもあんな顔しているんだろうと思ったら、たまらなく感じてしまう。
「はるか、ああ、はるか、ステキよう!!」
 交わった花芯がぐちょぐちょ、いやらしい音を発している。だけど、それは今のボクらにとって、いいハーモニーなのだ。ステキな響きなのだった。

 だって、愛を感じてるんだもの、いいだろう、それくらいのこと言っても。
 ね、みちる、そうだろ、ボクら、そうだろう?
 あん、みちる、みちる、ボク、またいっちゃいそう、お願いだ、手を握ってて!
 ああ、ボクを優しく殺しておくれ・・・

「ああ、いい、いいよ、みちるぅ!!」
「あっ、ああっ、あ、はるか、可愛い、ああ!!」
 汗ばんだ手を握りしめて、ボクらは達した。
 揺れ合って、触れている場所から、稲妻が起き上がり、身体を駆け抜けていった。

 女の子同士の愛は、際限を知らなかったりする。
 だから、いってしまっても、達しても、元気さえあればまだ続くのだ。この点、男の子には気の毒だな、と思う。
 愛し合ってるから、ずっと抱き合っていたい。抱きしめ合っていたい。
 当然の行為だろ?
 このまま、みちると身体を寄せ合っていたいのさ。

「あん、ああん、あんっ、いいよ、いいよう、感じるの!」
「ボクもだよ、あん、あっ、みちる、もっと激しく、ああ!!」
 こうやって、何もすることのない午後はずっと愛し合う。
 邪魔が入るまで、愛し合うのだ。

 いつしかボクらは疲れて眠ってしまったようだった。
 傍らでは、あれだけ乱れていたみちるが、すやすやと穏やかな寝息を立てている。
「可愛いひと。」
 頬にキスしてやって、ボクは天井を見上げた。

 破滅の予感。ノストラダムスの大予言、なんてやつは信じないけど、必ず破滅はやってくる。
 だから、ボクらはタリスマンを集めて、救世主の存在を・・・

「!」
「はるか、現れたわね!」
 寝ていたと思ったみちるがいつのまにか起きて、ボクを見ていた。
「ああ、休日にも、ボクらは休まさせてもらえないらしい。」
「さ、いくわよ!」
 この勇気溢れるみちるの凛々しい顔が好きだ。
 ボクは、みちるの頬にもう1度キスをしてから、驚きの表情を浮かべたままの彼女を尻目に変身した。

 さて、敵はどこにいる?

(了)

亭主後述・・・


長~い充電期間(笑)空けの作です。

新ヤオイの精神には反するのですが、百合モノにチャレンジしたくって、ついついと書いてしまいました。

セラムンの再放送を見て、今までのセラムン戦士ではなく、はるかに萌えてしまった訳なのです。

はるか、いい!!その甘い台詞と緒方恵美さんの声で私を殺して!!(笑)

もう1つ言えば、「ボク女」もいい!!(爆)小学校のころ、こういう女の子いましたよね。れ気味ですが、許して下さい。