汝の名は、カトル ~新機動戦記ガンダムW~

 僕は、もう息が絶え絶えに喘ぐことしかできなかった。

 休みもなく責め続けられて死にそうだったが、何とか声を出すことができた。

「デュオ……もう、許して……許してよぉ」

 顔を上げたデュオは、僕を見てニヤリと笑った。

「いいじゃねえか、知らなかったぜ。お前がこんなにうまいなんて」

 赤い舌をペロリと見せて、僕を恥かしめるように笑う死神、デュオ・マックスウェル。

「そんな言い方、しないでよぉ! デュオ、あ、ああっ、もう、僕」

 再び顔を埋めた死神が、僕を舐める、吸う、僕は吸い取られるのだった。

 しつこいくらいに舐められて、狂いそうになる。火花が散って、白い光に包まれて。

「あ、あ、あ」

「じゃ、そろそろ頂きます」

「あっ」

 身を起こしたデュオは、軽口を叩いてから一気に僕を貫こうとした。

「ヒ、ヒルデに言いつけてやるから」

 僕の抗議もどこか弱々しいが、デュオは怯まなかった。

「野菜、野菜、野菜って食ってると、たまには肉も食いたくなるんだよ」

「……僕はお肉なの?」

 何故か、僕の言い方は拗ねていて、どこかに甘えがあった。

「そうさ、とってもうまい肉さ」

 ガンダムを喪っていても、死神はどこまでも倣岸かつ残酷だった。僕を辱めて、こんな恥ずかしい格好のまま、ギシギシとベッドを軋まるのだ。

 激しい律動が何回も僕を切り裂き、貫き、白い閃光を見せる。垣間見る火花に僕は焼かれた。

「デュオ、デュオ!! 僕、僕!!」

「いくのか、え、カトル?」

 唇を塞がれたまま、僕は達した。

 一気に宇宙空間へ飛び出すシャトルのように高みに達し、ふわりと身体が浮いた。

 もちろん、錯覚だ。でも、でも気持ちいい。

「いいよう、いいんだよう……そこが、すっごくいい……」

 デュオの身体にしっかとしがみつき、僕は悶えた。自分が何を言ってるのか、叫んでいるのか、まったく判らなかった。

 ただ、自分を苛む快楽をもたらすかつての仲間、黒き死神デュオ・マックスエルの背中を抱きしめ、悶えることしかできないのだった。

「あ、ああっ、い、いく」

 頂点の叫びが、デュオをも促したらしい。

 荒々しく僕を振り解き、低い唸り声とともに、僕のお腹目掛けて射精した。

 熱いシャワーを受けて、身悶えした。全身が鋭敏になり、射精を受ける度にヒクヒクと痙攣した。デュオが用を終えた性器を僕のお腹に擦りつけて後始末することですら、快楽をもたらすのだった。

「へ、中に出してもよかったんだけどよ」

 激しい息の中、デュオが笑って言うのを、夢心地で聞いた。

「俺もまだ父親になる訳にいかないしな」

 手を伸ばしても、デュオには届かなかった。

 反対に胸の膨らみを吸われ、僕は震えた。その耳元で、デュオは囁いた。

「とってもよかったぜ、カトル。でもヒルデには内緒にしてくれよ」

 返事ができないまま、目を閉じる。

「あいつに怒られるの、恐いからな」

 言い残して、死神は去っていった。心地いい疲労感に包まれたまま、放置された僕は眠りに落ちた。

 

 新しい建設現場で建物の設計図とスケジュール表と睨めっこしていると、来客があるという。

 予定にないことだから、と断りをいれるように言った。ただでさえ、工期が遅れている。余計な時間を割くことさえできないのだ。

「カトル様、少しお休みにならないと」

 いつも補佐してくれるラシードが、お茶を持ってきてくれた。

 それをくいと一息で飲んで、僕は首を振った。

「ダメだよ、ラシード。みんな、がんばってくれているのに、僕だけ休むことなんて許されない」

「カトル様……」

「さあ、働こう」

 ラシードとその部下のマグアナック達はよくやってくれる。僕が気がつかないところまで気を配ってくれるから、ありがたかった。

「あの、カトル様」

 夢中で作業に没頭していると、さっきの来客がずっと待っているということが告げられた。

「時間がないのに、会わないって言っているのに……」

 呟くと、ラシードが、

「では、お会いになったらいかがです? カトル様も休憩がてらに」

「僕は……」

 反対してもムダだった。休みを取るように薦められて、僕は現場から追い出されてしまったのだ。

 

 客を待たせついでにシャワーを浴びて、それなりの格好をした。

 と、来客が女性であると聞いて、僕は首を捻った。

 リリーナ・ドーリアン外務次官でもなければ、レディ・アン長官でもないという。ルクレツィア・ノインさんは、ゼクス・マーキスと一緒にどこかへいってしまったし、一体誰だろう?

 それでも面談のためにいくと、僕は我が目を疑ってしまった、絶句してしまった。

「……フェンシングの試合の続きでもしにきたのかい?」

 彼女は皮肉な笑いを見せた。

「面白い冗談ですこと。もっともあの時、リーブラの中で負けたのは、カトル・ラバーバ・ウィナー、あなたよ」

 腰まである長い金髪を揺すって、ドロシー・カタロニア嬢が嫌味たっぷりに笑った。

 故デルマイユ公爵の孫であり、旧ロームフェラ財団の魔女、ドロシー・カタロニア。意思の強そうな眉毛は昔のままだった。

「……今更、僕に何の用です?」

 ソファに向かい合って座って、取りあえず紅茶を勧めた。

「このコロニーは建設ラッシュのようですわね、ウィナー家のご当主様」

 どうやらドロシーは、質問に素直に答えるつもりはないらしい。

 ソファに深く座って、ネクタイを緩めて、僕は灰色がかった青い瞳を見つめた。唇の端に浮かぶ嘲笑は、少しも変わっていない。

 昔のドロシーのまま、だ。

「何の用かと尋ねているのですが」

「ガンダムのメンバーに会うために、世界を旅しているのです」

「お気楽なことで」

 僕の言葉がドロシーの気に障ったようだった。一瞬彼女は額に青筋を作ったが、すぐに温和な、それでいて例の冷めた笑いを見せながら、紅茶を飲んだ。

 世界は正に復興中である。

 大戦とマリーメイアの反乱の傷痕は、まだ決して癒えていない。もっとも、破壊の一翼を担ったサンドロックのパイロットである僕が言えた義理ではない。

「それで会えましたか、他のパイロットにも?」

「……カトル・ラバーバ・ウィナー、あなたに会うのが最初ですもの」

 ドロシーは言った。

 考えてみれば、僕以外の所在を掴むのは難しい。

 ヒイロは神出鬼没だし、デュオはジャンク屋に身を潜めている。トロワはサーカスという特殊な世界にいるし、五飛はサリィ・ポォさんとどこかに移動中である。

「カトル、それより、あなたの秘密を知りましたの」

 意味ありげに魔女が言った。

 僕はソファに深く座ったまま、

「僕には秘密はありませんよ」

 反論するものの、その実、僕は震えていた。隠していた僕の秘密、知っているのは数少ない仲間達だけだった。

 ドロシー・カタロニアは……仲間? 仲間なのか?

「あら、私存じておりますのよ、ウィナー家のご嫡男、いえ失敬、今はご当主のカトル・ラバーバは……」

「やめて下さい!」

 僕はドロシーに思わず詰め寄っていた。だが、彼女の冷たい青く灰色の瞳はせせら笑っているだけだった。

 ドロシーの両腕が僕の首に絡みついた。

 甘く、妖しく、それでいて、どこか冷酷な空気。それは僕を包み、父を喪った時のように精神を狂わせようとする。

 と、僕の鼻先で魔女は囁いた。

「あなたは女の子なんでしょ?」

 息を呑む僕に、ドロシーはくちづけた。そしてそのくちづけを受けた瞬間、僕は奈落の底へ落ちていった。

 

 柔らかくもしなやかな手のひらが身体に触れる度に、僕は吐息を洩らしていた。

 小さな胸を、肩を、首筋をそっと優しく撫でる魔女の愛撫。僕を裸に剥いたくせに、自分は着衣のままだ。

「ん、あ、ああっ」

「カトル、あなたはとっても敏感で、可愛いわ」

 ふっと耳元で囁かれるだけで悶えてしまう。

「……や、め、て……あ、あ、ああっ!」

「続けて欲しいくせに。見てごらんなさい?」

 ドロシーの指先に光るしずくは、言われるまでもなく僕のものだった。愛撫が、僕の体内からそれを引き出させるのだ。

 嫌だ、やめてくれ、と言っても身体が反応していた。だから、僕は濡れる、股間を濡らし続ける。

「ほら、指先があなたの中に入っていきますわ」

 ドロシーの細長く美しい指が、ずぶずぶと入っていき、快感に目が眩んでしまっていた。

「ウィナー家の嫡男にして、30番目の娘」

 そう呟いてドロシーは犯し続ける。

「誰も知らない、あなたの本当の姿はこれなの」

 ドロシーは薄く笑って、指をぺろりと舐めた。僕のしずくがついた指を、舐めて笑った。

 普段は面会の客を通す応接室で、僕は凌辱されていた。誰もこないのは、大切な商談でもしているとみんな思っているのだろう。

 声を押し殺して、それでも時々込み上げる悦楽の声を洩らして、悶えた。

 恥ずかしい音が聞こえた。愛撫されることによって、果てしないしずくをたらす股間からそれは聞こえた。

 

 ああ、僕は、僕はっ!!

 

 拒否の言葉も出せず、ただされるがままの僕。

 ドロシーにされるがまま、狂う僕。

 身体中が神経そのものになって、感じやすくなっている。

 汗まみれになって、火の吐息を洩らし続ける、僕は、僕は……

 

 ふと目を開ければ、魔女の冷徹な眼差しが僕を射るように見つめていた。

「どうして、そんな……あ、ああん、こんなことを?」

 言葉が続かないのは、襲ってくる快感の波が高くなるからだった。

「どうして、ね、どうして、僕を? あん、あん、ああっ!」

「私はね、ガンダムのパイロットに会うのが目的、と言ったはずでしょ」

 手の動きが激しくなり、また快感の嵐が訪れた。

 僕は気づいた。ドロシーは、愛撫しないもう片方の腕を、自分の長い、くるぶしまであるスカートの中に突っ込んでいた。

 魔女は僕を辱めながら、自分を慰めているのだ。

「ああ、このこと? いいんです、あなたは気にしなくっても」

「で、でも」

「あなたがいいお顔になるのを見ながら、自分でするって最高ですのよ」

「ドロシー、君は、君は」

 何か、胸の奥でつかえていたものを溶かすように僕は声を出した。

「君は、何です、カトル・ラバーバ・ウィナー」

 声音に苛立ちを交えて、ドロシーが言う。心なしかご自慢の眉が痙攣しているように思えた。

「ひょっとしてドロシー、君はリリーナさんを、好きじゃないの?」

 今度は本当に眉がひそまった。同時に僕をまさぐる指の動きが一瞬止まった。

 

 図星だった、図星なのだ、ドロシー・カタロニアは、リリーナ・ドーリアンのことが……

 

 しかし苛立ちを如実に示す眉は、再び元に戻った。そしてふう、とため息を一つ吐いて、ドロシーは、

「そうかもしれまんわね。ええ、そうですとも!」

 僕をソファに置いたまま、ドロシーは立ち上がった。

 そして世界を我が手に掴むかのように、大きく腕を天に伸ばすのだった。呆気に取られてその姿を見ていると、ドロシーは大きな声を張り上げた。

「ああ、ステキ、リリーナ様!!」

 うっとりとするドロシー・カタロニア。

 豊かな金髪を波打たせて、アイドルを思い浮かべる思春期の少女のように(実際に思春期の少女なのだが)、両手を顔の前で組むのだった。

「あのすべてを悟ったようなお顔! 鼻持ちならない、絶対平和主義などという理想主義!」

「……でも、絶対平和主義は何とか達成できたじゃないか」

 口を挟むと、ピシャリとドロシーは言った。

「人は、戦争をしなくては生きられない生き物よ。人類の戦争の歴史は終わらないワルツを踊るようなもの、と言ったのはマリーメイア・クシュリナーダだったかしら」

 僕は、黙ってドロシーの言うことを聞こうと思った。

「青臭い、夢みたいなリリーナ様の理想論が好き。何があっても困らないリリーナ様のお顔が好き。結局は、最終的にあなた達ガンダムチームが助けてくれると信じていたリリーナ様が好き」

 頬をばら色に染めて、ドロシーは熱弁を振うのだった。

「ああ、私はリリーナ様の困った顔が見たいわ。辱めにあうリリーナ様が、屈辱に歪む顔が、ヒイロ・ユイに抱かれるリリーナ様が見てみたい」

 紅潮したドロシーの顔が、歪んだ。それも欲望に膨れあがって醜く歪んでいた。

「この手で、ドロシー様をひいひい哭かせてみたいの!」

「あっ!!」

 脱兎のごとく、ドロシーがまた僕を押し倒す。力の抜け切った身体は、そのままいいようにされるだけだ。乳房に、肌に、と噛みつくようなくちづけを受けて、僕は哭く。

「だから」

 熱い息を吹き吹き、魔女は囁く。

「リリーナ様の代わりに、あなたを抱くの。辱めるの。屈辱を与えてあげるの。だって、汝、カトル・ラバーバ・ウィナー、あなたは」

「あ、ああっ!!」

 固くなっている僕の乳房を口に含んで、そして吐き出してから、

「リリーナ様に似ているもの」

 僕はリリーナ・ドーリアン、いや、リリーナ・ピースクラフトの身代わりの生け贄、ということか。

 

 ドロシーは徹底的に僕を犯すのだった。身動きの取れない僕を徹底的に。

 乳房をさんざん舐め尽くした後は、股間に舌を這わせる。肉の芽を転がし、柔らかく噛んで、あふれる愛液を飲んで、また僕に口移しして。

 自分は裸にならないというのに。

 それでも欲情し、発情しきったドロシーは、己の股間を僕にこすりつけ、また自分の指でスカートの中を掻き回していた。

 ぬめりとした舌が僕の頬を、鼻を、耳を犯す。荒々しい吐息とともに、僕をしゃぶり尽くすように犯す。

 時々耳元で、

「可愛い、可愛い」

 と呟いて、責め立てる、ドロシー・カタロニア。僕が歓喜の声を思わず洩らすと、嬉しそうな顔をする。

 何を勘違いしているのか、

「ああ、もうリリーナ様、可愛くて食べてしまいたい……」

 とか、

「リリーナ様、私、いきそうなんです」

 本当にそう叫んでは、切ない顔になる。身体をひくひくさせて痙攣させるのだ。

 

 ドロシーは、僕をリリーナさんと仮定しているのだ。

 リリーナさんに凌辱を加えることを夢想し、興奮し、発情しているのだ。

 

「ああ、リリーナ様、いけないドロシーにお仕置きして……下さい」

 

 濡れた声、かすれた声。

 僕の手を取って、ぐしょ濡れの股間に宛がう。下着はぐしょぐしょ。それでも、固くなった肉の芽が指先に触れると、金髪を波打たせ、頭を反らしたドロシーは叫んでいた。

「あ、ああ!! 私、いっちゃう」

「あ、僕も」

 胸の頂きに疼痛が走った。歯を立てたドロシーが噛んだのである。

 

 倒錯の戯れといけない指の絡み合いの果て、とてつもない快感に襲われ、僕は目を閉じた。

 目を開けると、暗い応接室のソファの上で、僕は一人きりになっていた。部屋の中に人の気配はない。

 どうやら、ドロシ-は僕を残して立ち去ったようだ。

 身体をじんじんと焦した欲情の波は消えつつあり、心地いい疲労だけがある。再び睡魔に襲われて、僕は瞳を閉じた。

 

 次に目を覚ますと、裸だった身体の上には毛布が掛けてあった。そして半身を起こすと、テーブルの上には、冷たい飲み物が置いてあった。

 紅茶に砂糖とミルクをたっぷり注いだアイスのチャイだ。一口飲んで渇いた咽喉を潤すと、コップの横に手紙が置いてあった。

 手に取って、つらつらと眺めると、

「カトル様。飲み物を置いておきます。あまり無理をなさらぬように」

 忠実な部下、ラシードの武骨な文字に、僕はおかしみを感じ、手紙を抱きしめた。彼の気持ちは痛い程に判っている、判り切っていた。

 でも、僕は、ラシードを受け入れることはできない。ウィナー家の「嫡男」として、それはできない。

 

 僕にできること、それはラシードのたくましく、筋骨隆々の身体を妄想することだった。

 マグアナック隊の面々が僕を一斉に取り囲む。彼等は皆一様に荒い息を吐き、血走った目で僕を見つめている。

 脅えた僕は、ただ後退りしてそこから逃げようとするが、マグアナック隊の包囲網は完璧であり、逃げ道はない。

 そのうち、一人、また一人と、彼等は襲い掛かってくる。僕は押し倒されて、悲鳴を上げた。

 

 僕は、マグアナック隊に捧げられた哀れな生け贄の小羊なのだ。

 

 男達は容赦なく欲望にギラギラとさせた性器をこすりつけ、押し当て、僕を汚す、穢していった。

 どろりとした果てしない精液の海に、僕は溺れた。

 

「やめて、やめてアブドル!!」

 

 おののき、震え、脅える僕に群がる男達。中でも一際たくましいのが、隊長のラシードであった。

 ラシードは僕をよつんばいにし、後ろから貫くのだった。奥まで、ずっと深く奥まで。張り裂けそうな痛みすら感じて、哭いた。

 内臓まで掻き回されているような錯覚に、哭いた。

「ああ、い、痛い、痛いっ!!」

 もちろん、ラシードは容赦してくれない。僕の声の中に媚びがあるからだ。それを判っているから、激しく腰を振るのだ。

「ああ!! あっ!!」

 あっという間に昂まった僕は、全身にみなぎる快感にただ悲鳴を上げていた。

 

 股間に差し込んでいた指を引き抜いて、眺めた。

 指先に透明なしずくの他に、白く濁ったものが着いている。さっきドロシーにオモチャにされた身体がまた疼いていた。

 小さい焚き火のように、ちろちろと鈍く、じんじんと身体が勝手に動いていくのだ。

「あんっ……ああん」

 乳房に触れた途端、声が洩れた。全身が鋭く、どこに触れても感じてしまう。

 指先が固い肉の芽をまさぐる。すぐに僕はあふれ、とめどもなく蜜を流していた。

 

 あれだけ、ドロシーに導かれたのに。あれだけ、達したのに。

 

 貪欲に指は動き、肉の芽をまさぐった。

 快感を追い求め、追い掛ける行為は際限がなかった。夢中になって自分を慰める行為に没頭した。

 恥も外聞もなく、ただ指を動かし、足を広げて、口からよだれさえ流して。

 そして、洩れた声は、

「ヒイロ!! ヒイロ、僕を抱いて、抱いてよう……ああん」

 だった。

 そしてヒイロだけでなく、トロワ、デュオ、五飛の面々に弄ばれる自分の姿を夢想するのだ。

 四人の仲間に囲まれて喘ぐ僕の姿を、遠くから二人の娘が侮蔑の眼差しで見ていた。リリーナさんとドロシーである。

 そしてその冷たい視線が鋭ければ鋭い程、強いエクスタシーを迎えるのだった。

 

「ああ、いい、いいよう……」

 僕は、ただ快感の渦に溺れていた。強烈な快感にただ喘ぎ続けた。

 

(了)

 

新機動戦記ガンダムWを見ました。意外と面白かったです。

あまりにも他の方が叩いていたため、期待はしていなかったのです。その分、よかったですよ。

ただガンダムの凶悪なまでの強さ、ヒイロの不死身振り、リリーナ様の底抜けた考えには参りましたが。

女性キャラでは、やはりドロシー・カタロニアの嫌味に満ちた言い回しが印象的でした。

私は、素直な視聴者ではありませんね。

五人のパイロットでは、カトル君が可愛すぎました。従って、彼をヒーローならぬヒロインで描きました。

ショタの気? そ、それはないはずなんですが(笑)