美しき女豹の決断 ~ザ・キング・オブ・ファイターズ~


 滝のような汗を流しながら、私は岩のように頑強な肉体に抱かれていた。
「あんっ!あ、あ、あぁっ!!」
 まるで小娘のような嬌声をあげて、私は突き上げる快感に身悶えてしまう。
 ギシギシと安物のベッドのスプリングが軋む。このまま獣のように乱れれば、いつか壊れてしまうだろうなと朦朧とする頭の隅で私は考えていた。私と愛しい人のグジュ、グチョ、グチョという粘膜のこすれる卑猥な音がする。枕に顔を埋めている今、遠く彼方から聞こえる音の様だった。
「・・・気持ち良いか!」
「う、うん・・・いいっ!いいわっ!!・・・お願いっ!・・・もっと激しく突いてえっ!!」
 愛しい人が背中に巻きついている私の足を折って、更に深くペニスを侵入させた。激しく突かれる度に目の前に火花が散っているような気がした。
 もう、今日は3回目なのにタフな人、と私は思った。もっともそれは私も同じ事だ。朝から夕方になるまで、ずっと私達は愛し合っていたのだから。
 こんな素晴らしく愛に溢れたSEXは、かつて経験した事が無かった。今までの性体験が、いかに貧弱なものかと思いしらされてしまう位、だ。
「ああっ!あああ!!・・・いいっ!・・・凄いっ!!・・・あ・・・子宮の奥まで貴方を、感じちゃう!!」
 私は絶叫した。歓喜の涙を流し、喘いだ。片時たりとも忘れた事の無い弟ジャンの事すら、脳裏から今は消え去っていた。
「愛してる・・・!」
「わ、私も・・・あう!・・・いい!・・・いいっ!!」
 キスで口を塞がれた私は、夢中で愛しい人の口唇を吸い返した。愛しい人の全てを求めた。舌と舌がいやらしく交じり合い、唾液と唾液が混合される。
 固いペニスが私のヴァギナをえぐる。その凶暴なまでの動きに私は既に何度も達してしまっていた。
「駄目・・・駄目・・・駄目!!私・・・死んじゃう、死んじゃう!!あ、あ、あ、あ、あ、いいっ!!」
 私のヴァギナ内を掻き回していた愛しい人のペニスが、大きく膨らんだ。
「いくぞ・・・いくぞ・・・!膣内に出すぞ~!!」
「うん・・・うん・・・うん・・・中に頂戴!!頂戴!!・・・ああっ!!」
 悦楽に酔いながら私は決心していた。快感の高みにいながらも、精が放たれるのを心待ちにしていた。
「出る!」
「あん!!欲しいっ!貴方の精子、たくさん欲しいの!!あ、あ、あ、あ、いく!!」

ああん、あ・・・欲しい、欲しい、あん、もっと欲しいの~!!

 絶叫と共にどくん、どくん、どくんと射精された。全てを受けとめるために、その愛を確認するために、私は逞しいその身体にギュッとしがみついていた。
「あん・・・あ・・・貴方の・・・感じる・・・感じる!!」
 胎内に熱く注がれ、迸る精液を子宮に感じながら、私は深く満ち足りた幸福感に包まれていた。
 
 数ヶ月後。
 私は恒例となった格闘大会に選手として出場していた。
 先鋒の不知火舞がロバート・ガルシアに負け、次に出場した私が彼を倒した。相手の次鋒であるユリ・サカザキを下し、残る相手の大将はリョウ・サカザキである。
「容赦無く行くぜ、キング!」
「最近、無駄な喋りが多いわね、餓狼の連中の影響かしら?・・・ベノムストライク!!」
 さすがは最強の虎、である。リョウは難なく躱して、虎煌拳を放ってくる。
 長い付き合いね、と私は戦いながら思った。バウンサー時代からの因縁であった。
 戦いに要らぬ雑念を持った方が敗北するのは自明の理である。いつしか私は体力のほとんどを削られてしまっていた。
「・・・ふん、弱くなったな、キング!」
「はあはあはあ・・・」
 私はボロボロだった。だが、まだ闘志を失っていないつもりだ。一発逆転の隙を待って、耐えに耐え抜くのだ。
「・・・行くぞ、覇王翔哮・・・って、うわ!!」
 私の最後のパートナーが乱入してくれたのだ。
「飛燕疾風脚!暫烈拳!!」
 リョウ・サカザキがのけぞった隙を見逃す程、私は落ちぶれていない。ずっと練っていた闘気を集中させ、イリュージョンダンスを発動させた。
「うわあ!!」
 乱入者に気を取られていたリョウは、私の必殺の一撃でダウンしたのだった。 
「戦っている最中に油断するな、未熟者が!!」
「お・・・親父!」
「お師匠・・・!」
「お前達の極限流は全然なっとらん!!イチから出直してこい!」
 リョウとロバートの情けない顔がたまらなく愉快、痛快だった。
「特にリョウ!お前は女性の扱いがわかっとらん!!」
「へ?」
「彼女は妊娠3ヶ月だ。・・・もっと丁寧にせんか!」
「へ?へ?」
「彼女は極限流次期継承者を産むのだ。このワシの子をな!!」
「へ?へ?へ?」
 私は愛しい人、即ちタクマ・サカザキに優しく抱きしめられた。
「この間、入籍した所だ。・・・言わなかったか?」
「へ?へ?へ?へ?」
「これからはリョウもユリも、お母さんと呼べよ。」
 彼等竜虎チームは、ぽかんと口を開けてしまっていた。
「もう、無理はするな、お前。次のCAPCOM何たらには出場するなよ。」
「はい、貴方!」
 私は最高の笑顔で接吻してから言った。
「さ、帰りましょう。」
「うーむ、妊娠中は交合えないのが辛いな。・・・なあ、口でしてくれないか?」
「もう貴方ったら!」
 放心状態のリョウ、ユリの兄妹やロバートを残して、私達は引き上げる事にした。
 しばらく格闘はお預けだ。赤ちゃんを産んだらもう引退も同然だろうが、悔いる事は無い。
 私には強くて、優しくて・・・少しエッチな最高の恋人がいるのだから。
 

(了)

亭主後述……

ベタな落ちだし、KOF94以来遊んでないので実際のゲームとは異なります。すいません。
もっとエッチに書きたかったのですが・・・服が破れるって設定、好きでした。
~もちろんキング様の他の小娘にはない色香が・・・ 格闘系は私には無理かなあ?
S★D★A★さんへ贈呈しています。

うわ、またもやkaede-dさんから挿絵を頂いてしまいました~愛欲に呆けるキング様ぁ!!
ダメですって!ジャン君のこと、忘れたら!(笑)
kaede-dさん、ありがとうございます。