反魂の巫女 ~犬夜叉~


「あっ、あっ、あっ、ああっ!!」
 身体がひくひくと痙攣した。紅の袴から白い足が覗いて、何もない空中を蹴っていた。
「ああっ!そんな、そんなっ!!」
 いよいよ身体をすりつけ、懸命にきゃつの首をかきくどくのだった。そう、そうしないと、まるで死んでしまうかのように。
・・・死んでしまう?・・・
 恍惚の中でわずかに考える。
・・・私は、もはや死人なのだ、今更何を言うのだろう・・・
「ああっ!!ああ・・・あ、だめ、だめえっ!!」
 きゃつの責めに私はむせび泣く。せせら笑うきゃつの冷笑に見下ろされながら、ただひたすらに私はすすり泣くのだった。
「ふふふ。」
 きゃつが唇を歪めて笑う。
「・・・巫女たるお前が、そんな淫蕩な女だったとはな、わしの中の鬼蜘蛛も、さぞかしがっかりしてることだろうよ。」
「ん!・・・はっ、く、くっ、く、ああっ!!」
 心の中では抱かれたくないのに、私の身体がもっと、もっとと求めるのだった。
「・・・焼いた骨と土と泥と、魔女の呪詛で出来あがったその身体が、こんなに具合がよいとはな・・・いや、鬼蜘蛛は、かえって喜んでるかもしれぬて。」
 言葉を続けながらきゃつ・・・奈落は更に腰を深く埋めてくる。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・き、貴様・・・それ以上言うな・・・あ、ああっ!んくっ!・・・」
「ほう、まだ言い返す気力があるのか?・・・ならこれはどうだ、桔梗よ、ん?」
 白いヒヒの毛皮をまとった奈落の動きが速くなった。私の身体は愉悦に哭いていた。奈落の棍棒のようなそれが入りこむと、拷問の刑に処せられたかのように身体が反った。
「あっ!ああっ!・・・んく、ん、ん、んっ!!」
「犬夜叉とこうしたかったか?抱かれたかったか?ん?桔梗、よがってばかりいないで、答えるがいい。」
 耳に囁く奈落の悪鬼の声が私の羞恥心をくすぐっていく。
「だ、誰が・・・そんなことを思ったり・・・あ・・・ああん・・・す、するものか・・・あ・・・あんっ!」
「ほざくな。強がりもいい加減にするんだな。」
 奈落は酷薄そうな唇を歪めて言った。
「真夜中、御神木に跨って悶えていたのは誰だ?」
「え?・・・あ、ああん・・・ち、違う!」
「社の中で、家の中で、独りで己を慰んでいたのは、お前ではなかったのか、桔梗よ?」
「ち・・・違う・・・あ・・・あん・・・よせ・・・私は・・・違う!!」
「見たんだよ、鬼蜘蛛のあさましき想いがな、お前の痴態を見ていたんだよ、あの光も通わぬ洞穴の中からな。」
「あううう・・・あ、ああん、や、やめろ、奈落・・・思い出させるな!」
「ふん、狂うがいい、狂ってしまえ!そうして堕ちてしまえっ!!」
 ずっ、肉の音がした。
「あうん!あ、あ、あ、いや、いやっ!あ、ああっ!!」
 奈落の一突きに私は悶えた。そして・・・思い起こしていた。

 人目をはばかって、丑三つ時の頃、社の榊の御神木に跨って股間をこすりつけていたことを。
 樹木の微妙な曲線の膨らみに
「はっ、はっ、はっ!ああんっ!!」
 と必死になって押し当てていたことを。
 紅い袴の上からぐりぐりとこすりつけていたことを。
 やがて乳房の先が固くなり、袴が私の蜜で黒く湿ったことを。
 半妖の犬夜叉を想って、生娘の私が達したことを。

 それだけでは物足りなくて、部屋で妹の楓に隠れて、指で直接秘所をまさぐっていたことを。
「はぁん・・・あん・・・あっ・・・い・・・いぬや・・・しゃぁ・・・犬夜叉・・・ああ・・・あ・・・あっ!!」
 隣ですやすや眠っている楓を起こしたくない、気づかれたくない、でも止まらない、止められない私の指。熱くうねうねと体内に入りこんでいく私の指。掻き回しても掻き回しても満たされない身体と想い。いや、切なさがかえって増すだけの行為。
 襟を噛み、袖を噛み、夜具を噛む。
 思いきって秘所を撫でる、肉の芽を弾く。蜜が溢れかえり、また夜具と袴をしとどに濡らしていく。
 くちゅ、ぐじゅっ、ちゅく、
・・・犬夜叉・・・お前に・・・抱かれたい・・・抱いて欲しい・・・
 喘ぎながらひたすらにそう思う。
・・・ああ、この手がお前のものならば、独りですることもないのに・・・お前が欲しい、犬夜叉っ!!・・・はぁん、ああっ、あんっ、あん、あん、あん!・・・
 窓の外を見る。
 冴え渡る白銀の月光に、また犬夜叉の銀色の髪を思い出す。
 川を渡る時、揺れる船着場で足をすくわれて、犬夜叉に抱きとめられたあの時の抱擁。暖かい抱擁、胸に抱かれて、あの時、死んでもいいと思った一瞬の刻のことを。
 
 犬夜叉に想いを寄せるようになってからというもの、見る見るうちに霊力が落ちた。犬夜叉を想うことによって、普通の女になったのだ。
 霊力の落ちた私はもはや巫女ではなかった。むしろ巫女の脱け殻だったのだろう。
 そして・・・そして、鬼蜘蛛の悪しき転生した妖怪、奈落によって、私は犬夜叉を殺そうとした。例え、それが罠であったとしても、犬夜叉を殺そうと思ったのは否定できない本当のことだった。
 私は無念の思いで死んだのだ。
 ところが奈落は配下の外道を使って、私を復活させたのだ。五十年間も怨念を背負いつつ、この世に甦った私は、しょせん骨と土と泥のまがいものの人形ではあったが、愛憎の念こそ深まっていて成仏などとてもできそうもないのだった。

・・・こうして・・・またもや・・・奈落の罠に落ち・・・あさましい行為に・・・没頭している・・・

 犬夜叉の姿が見えた。今日はあの邪魔なかごめも、法師も見当たらない。
「犬夜叉!!」
 呼び掛けてみてもこちらに気づかない。それどころかいよいよ鬱蒼とした森の中へ入っていく。
 後を追いかけて森の中へ入った途端、私は見えない力によって、身体をがんじがらめにされていたのだ。
「ふふ、そんなに奴が恋しいか?」
 笑いとともに姿を現したのは奈落だった。
 きゃつは犬夜叉に化けたのだ。私を遥かに上回る霊力で私を騙したのである。
「・・・貴様・・・奈落か・・・」
「死人であっても、まだ恋する乙女という訳か、切ない、実に切ないのう、桔梗よ。」
 奈落が動けない私のあごを撫でた。その気色悪さに私は身をよじった。
「よ、よせ、触るな、触れるな!」
 だが、奈落は宙に浮いた私の身体を、まるで物を愛でるかのように撫でるのだった。
「これはわしの結界よ・・・霊力のほとんどないお前では、破ることもできまい?ん?どうだ、桔梗、苦しそうだぞ?!」
 力を込めても身体が動かない。必死に念を唱えても無駄だった。私は奈落の術の虜だったのだ。 
 奈落が軽く腕を振る。私は地面に叩きつけられて、這っていた。
「くっ、な・・・何をする・・・?!」
 背後から皮肉めいた奈落の声が聞こえた。
「なあに、鬼蜘蛛の無念の想いを、成就させてやろうと思ってな。」
 誰も触らないのに、袴がふわりとまくり上がっていく。
「や・・・やめろっ!」
 奈落の手が私のむき出しの尻に触れた。
「すぐによくなるさ。」
「や・・・やめ・・・ああっ!!」
 固い何かが秘所に侵入してきていた。初めは未知の痛みを予想していたのに、痛みなどまったくなかった。その代わり・・・快感があった。
「お前に生娘の痛みなどあるか、人間のまがいものの身体に痛さなどないのだ。」
 ずっ、ずっ、ずぶっ、
「あ・・・ああっ!あんっ・・・よ、よせ・・・奈落・・・やめろっ!・・・」
 後はもう声にならなかった。奥底から押し寄せる快楽の波涛に頭が痺れて、私は哭いた。
 ずっと哭き続けた。

 ずっ、ずぶうっ、ずぶっ、
 奈落のそれが私を犯している。秘所の中の肉壁をこすり、出口まで引き抜き敏感な肉の芽をこすり、また奥底までこすっていく。
 妖怪とはいえ驚くばかりの体力だった。
 もっとも、それに責め続けられている私も尋常の者ではないのだが。
 秘所の中をずっと凌辱されている私は、蜜を地面に垂れ流して、まだ喘ぐのだった。
 こつん、こつん、こつん、
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ!!」
 発狂するのではないかと思うほどの悦楽。身体が蕩けそうなほどの快感。目が眩むほどの色欲。
・・・ああ・・・もう・・・私は・・・巫女ではない・・・ただの・・・色に迷う・・・女子・・・しかも・・・死人の・・・
「ああっ!!」
 深い挿入に感じ、憎いはずの奈落の身体を抱く。わずかに見える奈落の口元が冷酷に歪んでいた。
「・・・人間でなくてよかったの、桔梗よ、人間ならばとっくに干からびて死んでおるわ・・・妖怪と死人の交合いであるが故に終わりもなく、果てもない・・・」
「あっ!ん!ん、ん、ん、はぁん、ああっ!」
「人肌の温もりもないのに、いい具合をしておる。」
 半ば呟きめいた奈落の声を聞きながら、私はまた達した。もう何度目か正確には判らない。どれほどの時間が経過したかも判らないほどであった。
 それなのに、奈落の身体にすがってまた求めていた。己の蜜と汗にまみれながら、奈落のそれの突き込みを食らっていた。
・・・ああ・・・ま、また・・・いってしまう・・・あ・・・ああっ、だめえ、だめえ、ああんっ!!・・・
 かすかに残った理性が自分を振り返っている。
・・・わ、私・・・魔道に堕ちたのか・・・あ・・・あ・・・ああっ、だめ、私、また・・・ああ、いいっ!!・・・
 目の前が深い絶望で暗くなる。だが押し寄せる肉の快楽は、山よりも高く、海よりも深く、私に襲いかかり歓喜の声を振り絞らせていた。
「あっ、あっ!あっ、あっ、あっ、あっ、あっ!!・・・だめ、だめっ!」
「ん?ここか、ここか?」
 細かい突き込みが私を揺さぶり、冷たいはずの身体を沸騰させた。三日月のように半身を反らし、秘所をえぐる奈落のそれを受けとめるのだった。
 奈落のそれは何度となく肉壁を責めたて、蜜を掻き出しては絶え間なく私をえぐっていた。その度に私は哭き、我を忘れ、喘ぎ、ため息を吐き、全身を震わせた。
・・・もうだめっ、奈落に急所を責められて・・・い・ぬ・や・しゃ・・・犬夜叉・・・私・・・堕ちる・・・堕ちていく・・・だめ・・・もう・・・
「いやあ、いや、あ、ああっ!あ・・・あ・・・ああっ!!」

 この身体が壊れると思った。
 ばらばらに破壊されると思った。
 何もできない、と思った。
 奈落に抗えないと思った。
 冥府魔道に堕ちると思った。
 いや、もうすでに堕ちている、と思った。

 いつのまにか、懸命に奈落を抱きしめていた。更に身体の一番深いところまで突かれて、手を首に回して抱きすがっていたのだった。
「う・・・」
 奈落が低く唸り、私の中へ妖怪の精が放たれていた・・・

 気がつくと奈落が横たわった私を見下ろしていた。
「・・・?」
「よかったか?」
「・・・」
「ふふ、よすぎて何も言えないか?」
「無抵抗の・・・」
「ん?」
「無抵抗の女を辱めて・・・嬉しいか?」
「くっ、くっ、くっ。」
 奈落が笑った。
「何がおかしい?」
「・・・どこが無抵抗だ?」
「な、何?」
「無抵抗どころか、手をわしにきつく回して、もっと、もっととせがんだのはお前ではないのか?」
 痴態を思い出して、思わず私は視線をそらしていた。
・・・そう、私はよがって、求めて、欲しくて・・・叫んでいた、よがっていた・・・
「桔梗、それが本当のお前だよ。」
 思いがけぬことを奈落が言った。
 私は愕然として奈落を見上げた。
・・・お前以外の男には髪の毛一筋も触れさせはしない、と犬夜叉に誓ったのではなかったのか?・・・
・・・なのに、なのに私は・・・私は・・・この有様はどうだ・・・
・・・哭いて、喘いで、淫欲に全身を焦がして、汗と涎まみれになって、果てても果ててもまた求めて、気を何度やっても満ち足りなくなって・・・

 犬夜叉に固く約束したのに。
 お前だけにこの身を捧ごう、と契りを交わしたのに。

 あの奈落ごときに。

 おぞましい妖怪に。

 あさましき野盗の鬼蜘蛛の転生した妖怪に。

 辱められた。抱かれた。達した。果てた。気をやった。また望んだ。

 涙が一滴こぼれて頬を伝わった。

「これが見えるか?」
 奈落が片手を私にかざした。手の上には占い師がよく使う透明な水晶玉が乗っていた。
 水晶玉が一瞬ゆらめき、中に一人の少女が写し出された。
「よく見ろ。」
 白い服に緑の襟。襟からは赤い布切れがはみ出している。緑の短い装束からは、白い健康的な足が覗いていた。豊かなみどり髪はあくまで黒くつやつやとしている。
 その顔はどこか私に似ていた。
「か・・・かごめ・・・」
「そう、かごめだ。お前の生まれ変わりの女だそうだな。」
・・・私の生まれ変わり?・・・五十年前に死んだ私の・・・ち、違うっ!・・・死人といえど私はこうして甦った、たとえこの身体がつくりものであったとしても、妄執の念で死魂を取りこむことによって動いているとしても・・・かごめは、断じて私の生まれ変わりなどではないっ!・・・私はこの私だけだ!!・・・
「・・・ほう、美しい顔が険しくなったな。」
 水晶玉の中が変わった。かごめと犬夜叉を写していた。
「い、犬夜叉・・・」
「そうだ、お前の想い人の半妖だ。」
 犬夜叉のもとに駆け寄るかごめ。そして二人はひしと抱き合い、唇を重ねていく。
・・・やめろ・・・
 口を離してかごめが何事か呟く。口の動きで言葉が知れた。
・・・ききょうなんて、いなくなってしまえばいいのに・・・だと?・・・
 犬夜叉はただ辛そうな顔をして、かごめを見つめていた。
・・・否定して、犬夜叉!否定してよっ、そんなことないって、かごめに言って・・・あ!・・・
 また二人が抱き合う。やがて犬夜叉がかごめの装束を脱がしていく。上気したかごめの顔がほんのり桃色に染まり、今度は犬夜叉を脱がしていた。
 やがて草むらに倒れこんだ二人は、激しく求め合い始めた。
 私が最後に見たのは、名も知れぬ花々を幾度となく握りしめ、悦楽とともにそれを根元から次々と折っていくかごめの白い腕が震える姿だった。
 また涙がこぼれて、水晶の中がぼやけていた。

 これは奈落の幻術かもしれない。
 罠かもしれない。
 また私に憎悪を吹きこんでいるのかもしれない。

・・・だけど・・・だけど・・・だけど・・・もう・・・疲れた・・・疲れてしまった・・・
「壊れたか、桔梗よ。」
 私の上に奈落が覆い被さった。胸元を荒々しく触られている。同時に袴の裾が割られて、奈落の指が探っていた。
「ふん、声も出ないか。」
 乳房を吸われた。歯型の痕をつけるかのように噛まれた。乳首の先まで強く噛まれていた。
「遂に何も反応しなくなったか、まるで人形のようだな。」
 身体を離して奈落がそれを私にあてがった。
「木偶人形には、前戯も愛撫もいらぬようだな。ふふ、お前の秘所だけはぐしょぐしょに濡れるから不思議だ。」
 ず、ずぶっ、ずぶり、
 奈落が入ってきた。
「あ・・・」
 声だけが洩れた。
 ずっ、ずっ、ずっ、
 奈落のそれが私を貫く度に粘膜がこすれる音がした。
 ずぶ、ずっ、ぐっ、
「ああ・・・あっ・・・あ・・・あ・・・」
 何も見えないのに快感が走る。固く大きい奈落のそれが私の秘所に出入りを繰り返している。膨れ上がった茸のような先端が肉をこじ開け、食いこみ、また外へ出ていくのだ。
 その抽送が、微少だった快感を次第に大きくしていった。
「あ・・・あ・・・や・・・やめ・・・ろ・・・」
 もう私の声も細く小さかった。やめろ、というその声には、抗う気も失われているような気がしていた。
 秘所から洩れるいやらしい音と、またあふれ始めた蜜が私を狂わせていくのだった。
 ぱん、ぱん、ぱん、
 湿った音に併せて、乾いた音がしている。奈落が一定の節を取って、それを送りこんでいた。
「やあ・・・やだ・・・あ・・・ああ・・・や・・・やめてっ・・・あん、あん、あん、んっ!!」
 手が自然に伸びて、奈落の背中に回っていた。手だけではなく、足まで袴からあらわになって巻きついていた。
「ふふ。」
 奈落が不気味に笑った。
「それが・・・」
「あん、あん、あん、あ、あ、あ、あ、や、やめてっ!」
 どんなに否定しても奈落はやめなかった。そして、どんなに否定していても私も奈落を離さなかった。
「それが本当のお前なのだ、桔梗よ。」
「やめ・・・ああっ、ち、違う・・・本当の・・・私は・・・あ・・・ん、ん、ん、ああんっ、いい・・・いいっ!!」
「頭で、心で違うと言っても、本当のお前は淫らで、男が欲しくて堪らないのだ。身体がそう望んでいるのだ。」
 ず、ずぶ、ずっ、
「いい、いい、あん、あ・・・あ・・・おかしくなるうっ、あ、あ、ああ、もうだめっ、あんっ!!」
「未来永劫に、よがり続けるがいい。」
 にゅぷ、ずぶっ、ずっ、
「・・・あ・・・ああ・・・やめて・・・もうやめて・・・ああ・・・いい、いい、あ・・・あ・・・いく・・・いくう・・・あん・・・ああっ!!」
 とてつもない快感に溺れて、私は奈落の下でまた哭いた。
「わははははは、そうだ、もっと哭け、哭き続けろ!」
「いい、いいっ!あ・・・ああっ!!・・・かはっ、ん、んっ、ん、ああ、いいっ!いくうっ!!」
 闇の中で妖怪の哄笑と反魂の巫女のよがり声が聞こえ続けていた。
 いつまでも響き渡っていた。

(了)

 

亭主後述……

切なさが堪らない死人(しびとです、しにんって読んだらあかんえ!)の桔梗たん。
私は主人公のかごめよりも、こっちが大好きです。
最初は犬夜叉を相手役にキャスティングしてましたが、奈落の方がドラマになる、と思ってこちらに致しました。
物語はまだ終わりそうもないのですが、こんなシーンを妄想しちゃいました。
高橋留美子さんのキャラでは、ダントツにお気にちゃんかな?あ、音無響子さんを除いてですが。
無事成仏して頂きたいもんですな。南無~