ラヴィアンローズの夜 ~機動戦士ガンダムZZ~


 部屋の前に人の気配がしていた。まさかネオジオンのスパイ潜入か、何てことを考えたりもして拳銃の確認をした挙句、まさか、そんなことはあるまいと私は苦笑いをした。
 ドアの外に佇む人間からは、苦悩の感情の波動が感じられていた。私はいわゆるニュータイプではないが、長い宇宙生活で感覚が鋭敏になっているのかもしれない。
 書きかけの家族宛の手紙を置いて立ち上がると、外の様子を伺ってみる。
「?」
 私は耳を疑った。どうやら外の人間は、私の部屋の前でため息を吐いているようなのだ。
「ま、まさか・・・」
 その瞬間、コンコンと微かにノックされた。ドアの先にはやはり当艦ラヴィアンローズのエマリー・オンス艦長代理がいた。
「エ、エマリー・・・」
 相手がエマリーだった、というのはさほど意外性はなかったが、いざこうして2人きりになると緊張してしまうものだ。
「・・・ネオジオンの船でも見つけましたか?」
 エマリーは無言で首を横に振った。当たり前である。敵船が接近すればたちまち艦内に第2種戦闘態勢が号令される。今もって船が静かなのは、航行が順調な証拠だった。
「・・・お邪魔してもよろしいですか?」
「あ、ああ・・・ど、どうぞ・・・」
 ドアを閉める時、ミリィ・チルダ達クルーに見られはしないか一応確認したのは、自分の心に何かやましい所があるせいなのだろうか。
「ブライト艦長・・・」
「は、はいっ!」
 ひどく色っぽい声で呼ばれたせいか、私は変な声を出してしまった。
「ご家族へお手紙でも書かれていたのですか?」
「ああ・・・ええ・・・まあ。」
 私は、ネオジオンによるダブリンへのコロニー落しの後、ノルウェーのカラバ基地から再び宇宙へ上がった。そして、ラヴィアンローズでエウーゴの最新鋭艦であるネェル・アーガマ受領後、ネオジオンが攻撃してきたドサクサに宇宙空間に投げ出されたシンタとクムをランチで救出に出たため、もう出発していたネェル・アーガマに乗れなくなったのである。まったくドジな話だった。
 その後、補給と地球連邦軍とエウーゴ上層部説得のため、月のグラナダ基地へ向かう予定を取っていた。後はランチの整備次第で出発するはずだ。その僅かな暇に妻と子供達へ手紙を書こうとしていた矢先だった。
「そ、そうですか。」
 果たしてエマリーの顔が暗くなった。
「で、エマリー艦長代理・・・御用は?」
「・・・用もなく来てはだめでしょうか?」
 小首をかしげてエマリーが言う。その色っぽい仕草に唾を呑みこんでしまった。
「いや、だめじゃないが・・・」
「・・・お願いがあります。ランチの準備完了まで3、4時間あります。その間に私に・・・どうか、私に思い出を下さい。」
 言うなりエマリーが抱きついてきた。いい匂いが鼻をくすぐると同時に、熱っぽい身体に私は不覚にも戸惑っていた。
「ああ・・・ブライト・・・お願い・・・!」
 抱きつかれた拍子に2人の身体が流れてしまう。
「き、気持ちは嬉しいが私には妻も子も・・・」
「その先は言わないで!」
 私は驚いた。エマリーが私に唇を重ねてきたのだ。ぎゅっと首の後ろにまで腕を廻して、大胆にもエマリーは私を求めてくるのだった。
「ぐぐ・・・エ、エマリー艦長代理!」
 デスクの上に置いたミライとハザウェイ、チェーミンの家族の姿が私を監視してるように思えて、エマリーから離れようとするが、彼女は全く力を抜こうとはしない。
「ああん、ブライト、ブライト!好きよ、大好きなんだから・・・ね・・・私に恥をかかせないで・・・」
 疲れも溜まっていたし、妻であるミライにもここしばらく逢えていない。もちろんアーガマで地球圏の各地を巡ったが、会議に打合せ、戦闘行為に忙しく、歓楽街というものにも足を踏み入れていないことに気づいた。
・・・たまには自分にご褒美をプレゼントしてもいいだろう・・・ええい、ままよ・・・
「ああ、嬉しい・・・」
 私が強く抱きしめると、エマリーがピンク色に薄く染めたその美しい顔を輝かせた。とても美しかった。
「ああ、ううっ、ブライト、ブライト!!」
 壁に寄り掛かったまま、激しく舌を絡め合う。膝をぐいぐいとエマリーの足の間に押し当ててやった。昔の映画のラブシーンを頭に描いていた。
 私は、この年まで妻のミライ以外の女性は知らない。ミライも男性経験がなかったようで、(もっとも、カムラン・ブルームや故スレッガーのことなどは、怖くて詳しくは聞けないが)新婚時代は映画とかテレビのラブシーンを参考にさせてもらったものだ。
「ああんっ、そ、そんな・・・!」
 くにゃっとエマリーの身体から力が抜けた。私は膝に力を入れて、エマリーの股間を割った。制服の上から、熱い体温が伝わってきていた。
「はあん、ブライト~!!」
 鼻にかかったような艶っぽい声とともに、エマリーは私をベッドへ押し倒した。そのまま息も荒く、私の唇を求めてくる。
「う、う、う、うぐ、も、もう我慢できませんっ!」
 カチャカチャという金属音をさせながら、エマリーは私のベルトを引き抜いた。同時に自分の制服も脱ぎ捨てていく。胸のホックを外してタンクトップ姿のまま、今度はジッパーを一気に下ろして下半身が下着姿だけになってしまう。
「ちょ、ちょっとエマ、エマリー・・・」
「お願い、時間がないの!」
 また唇が塞がれた。今度はキスをされながら、私の下半身が脱がされてしまう。
・・・こ、これではどっちがされているか、判らん・・・
 私は目を白黒させながらも、制服を脱がせようとするエマリーに対して協力していた。お尻をやや軽く浮かし、完全に脱げると満足そうにエマリーは笑った。
「・・・まあ、ブライト、こんなに大きくなっちゃって・・・嬉しい♪」
 そうなのだ。長い禁欲生活が続いたせいか、もう私のペニスは痛いくらいに大きくなっていた。
「エマリー・・・」
「嬉しいです、ブライト!」
 エマリーはそう言って、目の前にある私のペニスを優しくこすりあげた。
「だっ、だめだっ!!」
 びくんと震え、腰を引けた。ゆっくりとペニスをこすりながら、エマリーは上目遣いに私を見る。
「だめ、って言われても・・・気持ちいい?」
「あっ、気持ちいいが・・・いやっ、ううん!」
 返事が出来なかった。私は快感に思わず目をつぶってしまった。
「うふふふ・・・」
「うわっ!」
 エマリーがペニスをぱくりと咥えこんだのだ。私は生暖かい感触に震えた。妻のミライだって口でするのを嫌がり、拒否する始末だったくらいだ。即ち私のオーラル初体験である。
・・・暖かい・・・柔らかい・・・ああ・・・気持ちいい・・・
「ん、ん、ん、んっ!ん、ん、んっ、あむっ!」
 じゅぷじゅぷと音をたて、エマリーは咽喉の奥まで入れてしまった。唇をすぼめ、ぬるぬると締めつける。そしてそのまま顔を上下に往復させる。
「ん、ん、ん、あん、あっ、んっ、んっ、ああ・・・おいひい・・・ん、んっ、ん!」
 エマリーが懸命になって愛撫を送りこんでいる姿を見ていたら、私の快感が急速に加速してきた。そしてペニスがだんだんエマリーの口内で溶けてしまうような錯覚を感じていた。挑発するかのように咥えながら、私を見るエマリーと視線が合った瞬間、私は爆発した。
「!あ、で、で、で、出る!!」
 エマリーの頭が激しく動いて、吸い込みを強くする。
「う、う、う、エ、エマリー!!」
 私はエマリーの口内に放ってしまった。出し続ける瞬間も吸い続けられるものだから、快感が増大していた。どく、どくっ、どぴゅと何ヶ月、いやひょっとすると何年か振りの精液が出た。
「うう・・・すごい・・・すごいよ、エマリー・・・」
 霞む目をこすり、私はまだ含んだままのエマリーを見ていた。
「ちゅぽ・・・うう・・・はくひゃん、ふらいとのいっはい・・・」
 ようやく口を離したエマリーが妖しい瞳で私を見ている。こくっと咽喉が鳴って、私の溜まった精液を飲んだのだ。
「とってもおいしかったです・・・ブライトの一杯出た精液・・・」
 悪戯っ子のようにエマリーが赤い舌を見せた。舌の上に少しだけ白いどろっとした液体が残っている。その仕草に私は再び欲情していた。
「あん、ブライト・・・」
依然として固いままの 私のペニスがびくんびくんと脈動しているのを見て、エマリーが官能的な声を上げた。
「ね・・・来て・・・ブライト、ね、来て・・・私のここに・・・」
半立ち状態で白い下着を脱ぎ捨てて、エマリーが私を誘う。ペニスがまだ痛いくらいじんじんと痺れている。
この期に及んで私はまだ迷っていた。
・・・まだ浮気じゃない・・・まだ浮気じゃない・・・
「ああん・・・焦らさないでえ・・・もう私、待てないんですう・・・こっちを見てえ!」
エマリーが自分の花芯をこちらに見せた。美しいピンク色の亀裂が、薄い金色の体毛の奥から見えている。指で広げられたその花芯から、透明な液体が糸を引いているのを見た時、私の理性のタガが吹き飛んだ。
「エ、エマリー!!」
・・・すまん、ミライ・・・
という詫びの気持ちもあるにはあったが、もう我慢できなかった。
私は身体を起こして、エマリーを抱き寄せた。上に乗った彼女を跨らして、 ぱっくり開いた花芯にペニスを押し当てた。
「あん・・・は、入るの?ブライトの固いペニスが、私に入るの?」
上気したエマリーの嬉しそうな声。彼女が手を添えてゆっくりと腰を沈めて来た。
「ああん!あ・・・あ・・・あ・・・きゃん!!」
大きな声がした。エマリーが両手を私の肩に置きながら、ゆっくりとしかし確実に動き出す。
「き、きゃん、やん・・・あん・・・あ・・・あん・・・ブライト、気持ちいい?」
「うん・・・すごく熱い・・・エマリーの中、とろとろでぬるぬるしてて・・・気持ちいいよ・・・」
私はうなされているかのように言っていた。エマリーが私にキスをする。再び、何回も舌を合わせてお互いの口内を貪りあった。キスの最中でも私はもっと深くエマリーの身体に入りたくなり、ず、ずんと腰を動かした。
「きゃん!きゃん、あん、あ、あ、あ、ああっ!!」
私の動きに合わせて、エマリーも激しく動く。自分のペニスがめったやたらと彼女の膣内を突きまくっていた。
「あう、あん、あっ、す、すごい、あん、ブライト、ブライト!!」
エマリーの花芯から愛液があふれ、ベッドに染みこんでいくのが判った。 暑いとばかりに、彼女がタンクトップを脱ぎ、現れた豊かな乳房に私の眼が釘付けとなった。私は乳房に顔を埋めた。
「あん、あん、きゃん、ああ、おっぱいが感じる!」
エマリーが自分でも揉む。
じゅぶ、にゅぷ、じゅぷぷ、
小刻みに身体を震わせ、エマリーの身体が反っていく。私はこれでもかとペニスを激しく送りこんだ。
「きゃ・・・きゃん、あ、あ、あ、も、もう、もう・・・」
エマリーの絶叫が響いている。玉のような汗が私の顔に掛かってきた。
「もう、何?」
私は身体を休めずに訊ねた。
「ああん・・・も、もういきます・・・いきます・・・きゃん!!」
1番感じやすいと思われる点を私は突いた。医学的なことは知らないが、私はそこを執拗に突いてやった。
「やん、だめえ!!」
エマリーが痙攣する。がくがく身体を揺らして、彼女は達した。揺らした反動で彼女は私の方へ帰ってくると、ガブリと私の肩を思い切り噛んだ。
だが、まだ終わっていない。私もエマリーも満ち足りていない。
「はあ、はあ、はあ・・・す、すごいわ・・・頭が真っ白に・・・あん、あん、きゃんっ!!」
達したはずのエマリーがまた喘ぎ始めた。私が動き始めたのだ。
「ブライト!ブライト!!・・・私、また、また・・・ああんっ!・・・ああ、おかしくなるうっ!」
 両手が私の首を抱き、懸命に彼女は快感を訴えていた。そのはかなく、艶っぽい顔が私の動きを駆り立てるのだ。
「エマリー・・・いくのかい、いくのかい?」
「きゃんっ、あん、やん、あ、もう、もう・・・あん、いきそうです、ね、ブライト、ブライトもいって!!」
「あ・・・わ、私ももう・・・あ・・・どうしよう、どこへ・・・」
 ペニスへ肉襞が絡みつく。私は精液の置き場に躊躇していた。このまま、発射してもよいのであろうかと悩んでいたのだ。
「いいの、いいのよ、中に・・・大丈夫だから、あう、やんっ!あ・・・またいくう!」
 結局、私はエマリーのリクエストに応じてしまった。彼女の中へ出すことに同意してしまったのだった。最後の大きな動きにもう我慢できず、
「あ、いくっ!」
 と叫んで私はエマリーの中へ自分の欲望を発射したのだ。彼女は短く震えながら、更に腰を深くこすりつけてきた。
「あん・・・一杯!・・・はあん、ブライトのが、いっぱい・・・」
 私はエマリーの口唇を吸った。目も眩むような快楽の余韻を味わいながら、ずっと吸い続けていた。

「フン♪フ~ン♪」
 シャワールームの中でエマリーが鼻歌を歌っている。彼女は全身を泡に隠しながら、機嫌よさそうに私の身体にも泡を塗りたくってくれた。
 宇宙では水が空気の次に大切である。佐官クラスでも、水を自由に利用できないのが実情だった。そのため泡立ちのよいボディソープが配給され、それを流す時は一瞬で済ませねばならない。
 香りのよいボディソープを流す時が来た。エマリーが後ろを向いてシャワーを取ろうとする瞬間、私は再び固くなったペニスを彼女のお尻に当てた。洗われている最中に、再び勃起していたのだ。
「・・・あっ!・・・だ、だめよ・・・ブライト・・・」
 そんなことを言いながら指をエマリーの花芯に伸ばすと、ボディソープとは異なるヌルとするものが、私の指に触れていた。
「濡れてるのかい、エマリー。」
 答えようとしないエマリーの花芯の中の指を動かしてやった。
「あ!だめ、もう時間が・・・ああん、だめようっ!!」
 身悶えするエマリーが私の欲望を加速させていく。お尻をぐいと引き寄せて、ペニスを花芯にあてがい、ずぶっと突き立てた。
「私のがまだ・・・エマリーに入りたいって・・・」
「あんっ!・・・ああ、私・・・ああんっ、どうしよう、あ、あ、あ、あ、きゃんっ!!」
 犬のようにお尻を高く突き上げるエマリーは、両手を壁に広げて私を求めてくる。私といえばさっき2回も射精したというのに、相変わらず欲情していた。
「やん!やん、やん、ああん、こ、声が出ちゃう、あん、ブライト、愛してるわあ、あっ、んうっ!!」
 ペニスが花芯を突くたび、エマリーが鳴いた。
「あっ!」
「エマリー・・・君は最高だ。」
「やん、あっ!」
「・・・すごいよ、すごく私を・・・」
「あっ!」
「ああ、エマリー・・・」
「んうっ、はあん!」
「気持いいかい?」
「きゃんっ!き、気持・・・いいのっ!」
 エマリーがシャワーを床に落とした。シャワールーム内一杯に私とエマリーという獣の声と粘膜の音だけがしていた。
「・・・ブライト・・・あん、ブライト!・・・私、も、もう!」
 こちらを向いたエマリーの瞳が潤んでいる。その切ない眼差しに急速に私は快感を感じていた。
「もう・・・あん、やんっ、いきそう・・・ね、私ってはしたないかしら・・・ああん、いい!!」
「いいよ、いってくれて・・・あ・・・私も・・・」
 腰を掴んで、ペニスを奥まで送り込む。もはや私も限界だった。
「いい、いい、あ、あ、あ、あ、きゃんっ!!」
 私はどく、どくっ、どくと劣情の塊を放った。くいくいとエマリーの花芯が吸い込むように蠢いている。
「あん、ブライト~!!」
 呆けたようなエマリーの声が響き渡っていた。

 グラナダ基地へのランチが発信準備を終えていた。後はメインの乗客たる私が乗り込むだけのようだった。
「遅いですよ、ブライト艦長!」
 ミリィが怒ったように言った。
「すまん、すまん。」
「・・・あれ、エマリーさんもご一緒だったんですか?」
「いや、私の荷物をまとめるのを手伝ってもらったんだ。」
 言い訳をした。
「おかしいですね~、ブライト艦長の荷物はネェル・アーガマにあるのでは?」
「ぐっ!・・・まあ、いろいろあるんだよ。じゃ、失礼するよ。」
「・・・ブライト・・・」
 ランチに乗ろうとする私の手にエマリーが触れてきた。
「エマリー艦長代理・・・」
「・・・また、会えますよね。」
「もちろん。」
「戦争が終わったら、会いに行ってもよろしいですか?」
「ああ。」
「早くしたまえ、ブライト艦長!」
 メッチャーさんの怒号が聞こえた。一緒にグラナダまで同行する予定なのだ。もっぱらエマリーに懸想をしている、というのがエウーゴの噂だった。
「実は・・・」
 エマリーが声を低くして言った。ランチのエンジン音が高くなって聞こえにくい。
「何?」
「・・・ブラ・・・子供・・・欲し・・・危険・・・です。」
「え?」
「ランチ出発です!総員、ハッチから退避して下さい!!」
 エマリーの声が全部聞けぬまま、私は中のクルーに手を引っ張られた。
 エマリー以下の敬礼があり、私は敬礼を返した。すぐにハッチにいたクルー達が退避していく。
・・・子供?・・・危険?・・・何だ・・・?
 私は、喋りかけてくるメッチャーさんの非現実的な戦術論に適当に相槌を打ちながら、エマリーの言葉を思い出していた。

「何でもっと早く展開しないのか!」
 エウーゴの幹部連中はなかなか私の説得に応じようとしなかった。
 ハマーン率いるアクシズの連中がグレミー派と分裂した今がチャンスだというのに、エウーゴは共倒れを待っている始末だった。グリプス戦役で、エウーゴ艦隊はほぼ壊滅しているとはいえ、余りにも無策過ぎる。それでもようやくネェル・アーガマの単独行動はまずいと思ったのか、ようやく重い腰を上げたのだ。
 私も巡洋艦に乗って、サイド3のコア3とアクシズに向かっていた。
・・・死ぬなよ、ジュドー、ビーチャ、ルー、エル、沈むなよ、ネェル・アーガマ・・・
「ブライト艦長、ネェル・アーガマより至急電です。」
「何だ?」
「謀反したグレミー艦隊とネェル・アーガマが交戦、ネェル・アーガマは無事なるも、ドック艦ラヴィアンローズが撃沈!」
「な、何、それでクルーは!?」
 さっと肌に冷たいものが走る。苦い唾が湧いてきていた。
「・・・まだ続きます・・・え~と、ラヴィアンローズのクルーはほぼ全員、ネェル・アーガマに移乗、あっ!」
「どうした!」
「・・・エマリー・オンス艦長代理・・・戦死です・・・」
「!」
・・・エマリーが死んだ、のか・・・
『・・・ブラ・・・子供・・・欲し・・・危険・・・です。』
・・・どういう意味だったんだろう?・・・

「エマリーさんはね、最後に・・・ブライト、って絶叫したんですよっ!!」
 ネオジオン軍降伏の手続きが始まる数時間前に、ミリィが泣いていた。
「ブライト、って呼んだ最期の声、私は・・・忘れません!」
 ミリィが走って去った。私はエマリーの遺品を眺めていた。
・・・日記帳、か・・・
 最後の頁を見た。日付が戦死する1日前だった。
『生理が来ない。思惑通りだ。私はうまくブライトの子供を宿したのだろうか。』
・・・え?・・・
 慌てて続きを読む。 
『名前はどうしよう。できれば男の子がいいな。ブライトには2人の子供がいるから、健康だったらどっちでもいい。』
・・・エマリー・・・
『もうすぐ戦争も終りだろう。軍を退役して、小さなお店でもやろうかな。奥さんが地球にいるなら、グラナダ辺りならブライトも時々来てくれるかな?』
・・・そうか、エマリー・・・君は俺の子供が欲しかったのか・・・ああ。エマリー・・・
 船の片隅で私は独り泣いた。こんなに泣いたのは、リュウ・ホセイが戦死して以来のことだった。

 その後、私はジュドーにこっぴどく殴られた。

(了)

 

亭主後述……

機動戦士ガンダムZZ第3弾!今回は大人の(?)愛です。(笑)
ミライ一筋のブライトさん、他の方の作られたガンダム年表(!)見てみると
宇宙世紀0087年3月から0089年1月まで禁欲生活なんですもん。長いよね~(笑)
その間恐らく遊ぶ暇も無かっただろうし、27才から29才の健康的な男性が我慢するなんて辛いっすよ。
本編では、情熱的な不倫願望の持ち主である(笑)エマリーに迫られて、 あたふたするブライトさんがおもろくて書いてしまいました。
私だったら手出すよな~、考えてみるとZのメンバーでは、近くにいたのはレコア、エマ、ファ、アンナ(笑)
などほぼ相方がいましたし、ZZはコギャル化したエル、ルー(相方いるね)にやっぱりアンナ
(お、Z、ZZのレギュラーだ。そういや『シャアの逆襲』にもいたような、笑)
ではブライトの相方は、エマリーで決まり!!
しかし、そのエマリーもS★D★A★さんの見抜いた法則通り戦死!!
いやあ、イデオン・ダンバイン以来久々に人が死にまくるアニメ見ましたわ。あ、EVAは別格ですけど。
さあ~て気合入れて第4弾執筆です。
あ、ご感想お願いしますね。