ゴーゴンヘッドはチキンの香り ~ドラゴンクスト2悪霊の神々~


明智智明さんから頂きました、当書斎2番目の寄贈作品です。
馬鹿琴が大好きなDQ2ネタ!
トンヌラが密かにカッコいいぞ。(笑)


 「奴」は、漆黒の水底にその異形なる身を横たえていた。
 横たえると言うのは正しい表現では無いだろう。そこは暗く、良く確認することが困難だが、明確な光源があれば、おそらく「奴」を目にした者は恐怖に震えたことであろう。「奴」の肉体は、絡み合う夥しい大蛇に覆われ、それら全ての付け根から子供の頭ほどもある巨大な単眼を覗かせていた。一見した所、その肉体は球に近い。
 伝説に謳われる魔物、ゴーゴンの頭にその外見は酷似している。しかし、「奴」はその眼力に、射た者を石化させる魔力は無い。当にその力は退化し、俗に亜種と呼ばれる程度の力しか、「奴等」は持ち合わせていなかった。
 しかし。
 「奴」は言わば、突然変異体だった。
 恐るべき石化の魔力こそ無いものの、「奴」は遠浅の水底で絶対的なカリスマを誇った。 「奴」の脳細胞は人間に酷似した思考を可能とし、半透明の従属者たちを自在に指揮する。
 今、「奴」は来たるべき時を待ち、静かなる雌伏の状態にあった。


 そして、哀れなる獲物は、船と言う水上の檻に囲われつつ。
 あたかも「奴」に差し出される卓上の晩餐の如く、その魔の海域に差し掛かったのである。


「トンヌラ……勘弁してくれよ」
 小柄な体に、長大な鋼の剣を携えた少年が大きく肩を竦める動作をする。その動きに合わせて、彼が身につけた鋼の鎧が、じゃらり……と音を立てた。
「戦闘の度に瀕死になってちゃ、ハーゴン討伐なんておぼつかないぜ?」
 その武勇によって、世に名を知られるローレシアの王子。エニクスである。
「ベホイミ!」
 屈み込んだ少女の手から、淡い輝きが漏れる。光は柔らかく、甲板に倒れた少年の体を包み込み、その肉体に穿たれた傷痕を癒して行った。
「これで、大丈夫よ」
 紅いフードの下から、軽くウェーブがかかった髪が覗く。まだ多分に幼さを残してはいたが、彼女の容姿は輝かんばかりに愛らしい。今は無き、魔法国家ムーンブルクが最後に残した血。王女マリアである。
「でも、確かにちょっと情けなかったわね。一発でフラフラになっちゃうんだもん……。わたしは、逞しい男の人のほうがいいな……」
 マリアは、そのほっそりとした体を、エニクスの肩に寄りかからせ、鋼の胸板に指を寄せた。僅かに背伸びをして、エニクスの耳元に息を吹きかける。
「わっ……止めろよ、マリア」
 言いながらも、マリアの腰を抱き寄せるエニクス。きゃっきゃっとはしゃぎつつ、マリアに嫌がるそぶりは無い。
 甲板に横たわった少年、三国一ののんき者と定評のあるサマルトリアの王子は、なんとも言えぬ疎外感を覚えていた。
 彼の名は、トンヌラ。トンヌラ王子である。
「パピラスには、ザラキが効かなかったんだよ!……あと、いかづちの杖も」
「たった二匹だろ?殴って倒しゃいいんだよ……ま、非力なトンヌラには無理か……」
 マリアが口先だけ、ひどーい、と口を尖らせる。
 するとエニクスが、電光石火の速度でその唇を奪った。
「んぅっ!………ん……んんん……」
 ちゅっちゅっと囀るようなキスを繰り返すと、エニクスが囁いた。
「ここでやっちまおう、マリア。暴れ足りなくて力が余ってるんだ」
 唇が離れた間を、唾液が形作るアーチが垂れ下がっていく。マリアは、その淫靡な橋を一息に吸い込む。
「ちゅるっ……んっ!……いいよ……。断らなくていいのに。私ならいつでもオッケーだよ?エニクスがしたい時にしていいのに!」
 すっかり無視される形になってしまったトンヌラ王子は、なんだか甲板に居辛くなり、船室へと下っていった。


 ……なんだかなー。最近、いっつもこんな感じだよなー。
 手の中でいかづちの杖を弄びつつ、船底へ向かう階段を下りる。
 どうも最近、エニクスに水をあけられっぱなしな気がしているのである。それに、マリアとも疎遠だ。ここしばらくエッチしていない。
 ……船のじいさんの孫と、よろしくやっちゃったからなぁ。まだマリア怒ってるんだろうなー。
 そればかりではない。
 エニクスは着実に、戦士としての実力を上げてきている。彼の強靭な肉体は、トンヌラ王子では持つこともかなわないような総鋼造りの長剣を軽々と振るうのである。
 ……ボクには魔法があるって言ってもなー。
 マリアは確実に、トンヌラ王子よりも優れた魔法の使い手である。あらゆる系統の魔法を、トンヌラ王子よりも高いレベルでマスターしている。
 ……やっぱり、二足のわらじはきついのかなー。でも、今更一つに搾ってもなー。
 トンヌラ王子は足を止め、しばし考え込む。
 結論。
「ま、いっか。今のままで」
 成る程、のんき者である。


 マリアは船の舳先に腰掛けると、長衣の裾を捲り上げた。上目遣いにエニクスを見つめて、はにかんだように笑う。
 長衣の下の体は、一切の下着を身につけていなかった。剥き出しの肌は、眩しいほどに鮮やかな白さを放ち、うららかな日差しの下に映える。
 少女のまだ僅かなかげりも持たぬ秘所は、なぜかしとどに濡れそぼっていた。
「こんなに濡らしやがって……期待してたんだろ?」
 エニクスが吐息を荒くする。
 ……間違いない……マリア、戦闘中も濡らしてたんだ……。
 頬を赤らめつつ、マリアが唇を尖らせた。
「ばかぁ!見てばっかりいないで、はやくしてよ!……あたしもう……限界なんだからぁ」 掠れた声色に、エニクスの目の色が変わった。鋼の鎧が、甲板に落ちて乾いた音を立てる。鎧下を勢いよく脱ぎ捨てると、痩身ながら鍛えぬかれた少年の裸身が顕になった。
 肩口から背筋に向かう肉付きは、尋常では無い。
「いくぜぇ!」
 エニクスは長衣の裾を掴むと、一気に捲り上げた。並みの衣服であれば、裂けてしまってもおかしくない乱暴な手つきである。
 しかし、魔力を孕んだ糸で織られた長衣は、僅かなほころびも生じさせはしない。
 するりと、マリアの体を長衣が脱げおちた。
 なだらかに、少女から女に変わる途中の艶やかさを描く肢体がさらけ出される。
「んもぅ!乱暴なんだから!」
 フードごと脱がされて、マリアの髪が逆立っている。潮風に天然パーマの長髪がなびき、大きく広がっていった。
 その髪に顔を埋めるようにして、エニクスはマリアに囁いた。
「もう、充分だろ?いきなり行っちまってもいいだろ?」
「あひぁっ……!」
 ぬちぃっ……と音がして、マリアの股間にエニクスの指が突き入れられる。さしたる抵抗も無く、節くれだったエニクスの人差し指は根本まで飲み込まれた。
 多量の潤滑液が、無理やり押し広げられた肉唇の隙間から漏れ出る。
 かぎ状に曲げられた指先が、ぐちゃぐちゃと少女の内側を掻き回す。
「うぁんっ!?ぅっく……!……お汁……掻き出さないでぇ……!」
「すげ……締め付けてくる……!」
 先刻まで初々しい佇まいを見せていた少女の秘唇は、いまや中指まで加わった指先の蹂躪に、限界まで腫れ上がり、充血しきっていた。
 エニクスはマリアの足の間に顔を寄せると、挿入した二本の指を力いっぱい広げる。
「いやぁっ!」
 少女の幼い花びらが、濃厚な女の匂いを放つ。
 深奥に広がる秘孔が、喘ぐようにヒクついていた。とめどなく、粘っこい液が溢れ出してくる。
「も……もう、お願いエニクス……!うし……ろ……から、してぇ………!」
 限界に達したマリアが懇願した。
 一も二も無く、同様にいきり立った分身を持て余し始めていたエニクスも同意する。
 マリアは、舳先に膨らみかけた胸を押し付けるようにして腰を突き出す。エニクスは、彼女のお尻を掴むと、すでに大量の先走りを分泌しつつある怒張を力任せに押し付けていった。


 衝撃が走った。
 エニクスの体から力が抜ける。
 指先が痺れて感覚が消えていった。
 ……これは!?
 膝から崩れ落ちるエニクスの視界に、半透明の生物が映った。
 しびれくらげ。
 麻痺性の毒を放つ、クラゲ型のスライムである。
 ……俺としたことが、ぬかった……!!
 音を立てて倒れこむエニクスの体に、飛び上がるくらげ達がまとわりついて来る。その数は無数。
 麻痺しつつも、数匹をエニクスは叩き潰す。しかし、きりが無い。
 一匹を倒す間に、他のくらげの針を受けてしまう。次々に注入される麻痺毒。エニクスの意識が遠のいていく。
 ……畜生!一匹一匹潰してたんじゃ、きりがねえ………。
 そして完全に、エニクスの意識は途絶えた。


「いやぁぁぁぁぁっ!」
 甲板に転がりながら、マリアが床上の裁きの杖を拾い上げる。
 掲げると、杖の先端から火の玉が迸った。
 バギの呪文と同じ効果を持つ炎が、くらげ達を焼いていく。しかし、その程度の威力ではいかにも非力である。クラゲ達を倒すには至らない。
 かといって、マリアにはまだ、ベギラマの心得は無い。
 多勢に無勢。
 くらげの群れに囲まれ、裁きの杖に縋りつくマリアの背後で、音も無く水面が盛り上がった。
 無数のヘビたちが漏らす呼吸音。
 充血した視線。
 マリアは背後に何らかの気配が発生したことを確認しつつも、振り返ることができない。


 「奴」が姿を現したのである。


 船底にある部屋で、トンヌラ王子はいかづちの杖を弄んでいた。
「あー。なんか、寝てるだけで力がつくような魔法の鎧とか、無いかなー」
 あるわけが無い。


 ぞっとするほど冷たいヘビの鱗が、マリアの体を這いずっている。
 獲物はすぐには食さない。「奴」のポリシーである。特に、意志をもつ生物の牝は、奴にとって格好の玩具である。
 マリアを高らかに縛り上げ、掲げつつ、「奴」はヘビ同様、二股になった巨魁な己のモノを引きずり出した。
 マリアが喉の奥で、声にならない悲鳴をあげる。
 しかしその瞳は、これから始まるであろう、未知の行為に対する期待で爛々と輝いていた。現に、彼女の秘所は乾くことも無く、むしろエニクスとの時以上に潤滑液を分泌していた。
「ぁぁぁぁぁ……そんな……。……そんなモノで、されちゃうっ……!」
 徐々にマリアと「奴」の距離が縮まっていく。マリアの視線は、そそり立つ一対の怒張を捉えて離れない。
 彼我の距離、およそ1メートル。
 80センチ。
 60センチ。
 巨魁な怒張の一端が、マリアのいかにも狭そうな肉洞の入り口に接触した。
 そしてもう一端は。
「あああああっ……!!そんなっ!そんな大きいのに、お尻なんてっ!?」
 太さはマリアの二の腕よりなお太いだろう。それが、本来は排泄のみを目的とした器官に押し付けられつつあるのである。
 ゆっくり、蹂躙は開始された。
 狭い口を広げて、強張りが入り込んでくる。マリアの体は横向きにされ、大きく両脚を割り裂かれている。広がったそこは、すでにどこも大量の潤滑液にべとべとであり、いかにも挿入は容易だった。
 無理矢理、と形容するのが相応しいような様子で、「奴」のモノがマリアの肉唇をこじ開けた。同時に、怒張自身が意思を持つかのように蠢き、もう一方の菊門にも潜り込んでく。
 めりめりと、肉の軋む音。
「あがぁぁぁっ……!!」
 白目を剥きかけつつも、マリアの表情は恍惚に歪んでいた。もともとムーンペタでは、文字通り牝犬でならした少女である。
 犬のペニスを受け入れた経験もある。異常な性行為の経験は豊かだった。故に、そういった行為に快感を感じることができる感性も持っている。
 「奴」の性器は、まさに一本一本が独立したヘビであった。男性器としての機能を持ちつつも、肉を使った蠕動運動を駆使して自在に蠢くことができる。
 彼らは、マリアの肉体の抵抗を力任せにねじ伏せながら、奥へ奥へと突き進んでいった。 膣口は信じられないほど広がり、菊座は皺がなくなるほど大きく口を開いている。
「ひぃっ……ああぅっ!……ぉおっきいぃぃぃぃ……っ!おなかいっぱぁいぃっ……」
 怒張は膣を埋め尽くし、子宮の入り口に頭をくぐらせようとしている。若しくは、マリアの細いウェストの中で、菊座から遡って内臓を陵辱する。
 ずんっ、ずずんっと、不規則に「奴」のモノはマリアを突き上げる。突き上げながら、時折全身をくねらせてマリアの膣をシェイクする。
「うぐあああぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
 にわかに掻き曇り始めた空に向かって、マリアが吼える。四肢がぴんと張り、膣口の上に開いた小さな穴から、ぷしぃっ……と、一条の温水が迸った。
 達してしまったのである。
 一際強く、マリアの括約筋がくわえ込んだ二本の剛棒を締め付ける。
 「奴」も、体を震わせた。
 どくんっっっ!!
 圧力をかけられた液体が一気に噴き出すかのように、マリアの胎内に冷たい白濁が迸った。やや薄く、さらっとしているが、量は尋常では無い。
 変温動物の体内から吹き出す精液は冷たい。
 まるで膣と尻に氷を突っ込まれたような感覚を味わって、マリアは絶叫した。大量の精汁は、半ばまでめり込んでいた子宮の中にそのほとんどが放たれ、少女の痩せた下腹を妊婦に近いプロポーションへと変貌させていく。
「だめぇぇぇっ!?死ぬっ、死んじゃうぅぅっ……!」
 泣き叫びつつ、再度マリアは絶頂の縁に押し上げられた。背中が強くそらされ、指先が宙を掻く。
 ずぽんっ!
 マリアの肛門から、勢い良く一本が抜けた。
 ぽっかりと口を開いたままのその器官は、それほど間を置かず、まるで射精するように「奴」の牡汁を噴出し始める。
「ああああああああっ……!!……ああ………ああああああっ!!」
 逆流した精液の多岐に押し潰されて、しびれくらげが一匹、甲板で平たくなった。


 と、


「ザラキ」
 死の言葉が、一言発せられた。
 船室へと続く扉からである。
 それまで我が物顔で甲板を闊歩していたくらげ達は、その一言で突然力を失い、ゼリー状の肉体を甲板に横たえていった。
 「奴」は愕然として、抱え込んだマリアを取り落としていた。
 そう。如何に数が多くとも、彼らはあくまで一グループに過ぎなかったのである。そのタフネスに関係なく一群を死に追いやるザラキの呪文は、正に彼らにとって天敵であった。「おおー!すごい、効いたよザラキ」
 ぼさぼさ髪を真中のヘッドギアでまとめた、線の細そうな少年が姿を現した。
 彼は、甲板の中央で仰臥しているエニクスを見つけると、得意げに胸を張った。
「えにくす!どうだい?やっぱりボクがいないとだめだろう!?」
 ……あー。一度言ってみたかったんだ、このせりふ!
 対するエニクスは、実に複雑な心境を込めてトンヌラ王子を見やった。無論、麻痺して声を出すことはできない。
 ……トンヌラ、お前さ、自慢はいいから早くあいつを倒してくれ。
 そんな感じの心境であろうか。
 「奴」は、現状がまずい状態になったことを知り、逃走を決意した。遠浅の海の王を気取る己としては悔しいが、命さえあれば再起のときもある。そう思考したのである。
 そして彼は、勢い良く船べりから飛び出そうとして…………がくんとつんのめった。
「やぁぁんっ!もっとぉ!もっといっぱいしてくれなきゃやだぁ!!」
 そこには、いまだ幼い秘裂でいっぱいに「奴」の怒張をくわえ込んでいるマリアの姿がある。
 ……なんと言う締め付けであろうか!!
 「奴」は心底戦慄した。
 ……このばか!牝イヌッ!離さないと死んじゃうでしょっ!離してっ!
 というニュアンスを込めてマリアを見やると、少女は幼い美貌に陶然とした微笑を浮かべて言ったのである。
「だぁめ……。もう離さないんだから!」
 いかづちの杖が稲妻を放ったのは、その直後の瞬間であった。



「でさ、……結局……なんだったわけ、こいつ……うぅっ!」
 黒焦げになって煙を上げる「それ」を見やりながら、エニクスはマリアの中に精を放った。そして、……あー、こいつでいっちまった……とちょっと自己嫌悪に陥る。
「ただの……うぅっ!……ゴーゴンヘッドでしょ?……ああーマリア、出すよぉ!」
「うぶぅぅぅ!んくっ……ぅん、んっく……」
 いかにもおいしそうに、マリアは口に放たれたトンヌラの迸りを飲み込んでいった。
 そして口元を拭うと、眉を吊り上げて二人を見た。
「んもぉ!ふたりとも、全然身が入ってないんだから!こんなんじゃ、あのゴーゴンヘッドのほうが良かったわ!」
 その言葉に、二人の王子は顔を見合わせた。
「……それは心外だな」
「うんうん。ボク達のほうがずっといいってこと、分からせてあげなきゃ!」
 二人の王子は猛然と、行為を再開した。途端に、甲高いマリアの声が大海原に響き渡る。 その時一陣の風が吹き、黒焦げになった「奴」から立ち昇る煙と臭気を、四方に散らしていく。


 それは、なんとも言えぬ、美味そうな匂いだった。


<END>

 

亭主後述……

DQ2です。魅惑のトリオです。
んもぉ!ふたりとも、全然身が入ってないんだから!こんなんじゃ、あのゴーゴンヘッドのほうが良かったわ!
……だそうです、気合入れて、2人の王子にはがんばってもらいやしょう。(笑)
幼い美貌の牝犬……もといマリア姫がこんなに淫乱だったとは……
私もムーンブルグに行きた~い!(爆)
ハーゴンを倒してしまったら、することなくなってしまくりですね!う~む、えらいことだ。
明智さん、ありがとうございました。皆さんもどうかご感想を!