堕ちた天使 ~おジャ魔女どれみ~

「なあ、この後どうする?」

 満腹状態のあたしに、小竹がそう聞いてきた。

 たっぷりジューシー、しかもガーリックをたくさん使った、分厚いお肉を心いくまで頂いたあたしは、何だか上の空で返事をしなかった。

 しかもグラスワインの赤が、ほんのりとあたしを気持ちよくさせてしまっていた。

「何でもいいよう。」

「ちぇっ、何だよ、ステーキ食べただけで満足なのかよ。」

「うん、満足。」

「アホクサ!」

 浮かれた足取りのあたしの手を取って、鼻の穴まで丸くした小竹は、小走りに歩き出した。

「あ、待ってよ!!」

 お腹いっぱい。幸せ。

 でも走ったら、だめだよ、そう言っても、小竹は、ぐんぐんあたしを引っ張って走るのだった。

 もちろんあたしには、行き先はホテルだと判っているのだ。

 辺りでは、夜の繁華街のネオンが妖しいピンク色でいっぱいだった。足をもつれさせながらも、小竹に連れられるあたしは、意識がちゃんとしている。

 食欲が満たされたら、次は性欲、そんなことは当たり前のこと。

 

 あたし達は、今更入るのを逡巡する女の子を一生懸命に必死になって口説いているカップルを尻目に、ホテルの入り口へと入っていった。

「小竹も最初はあんなんだったよね。」

「ああ、なかなかお前がやらせてくれなかったからな。」

 小竹が選んだ部屋のキーが落ちてくるまでの間、あたしはさっきのカップルを見てた。

 長い黒髪の女の子は、まだいやいやと下を向いたまま、首を何度も横に振っている。男の子は、手を引っ張って中に入ろうとするが、女の子の足に根が生えたようで、その場をなかなか動かなかった。

「おい、いくぞ。」

「あ、うん。」

 最後に振り返ると、とうとう諦めた男の子が女の子の肩を抱きながら、外に出ていく姿が見えた。

 それを見たあたしは、何だか安心してしまって、ほっとため息を吐いた。

 あたしにもあんな頃があったんだよな、とつい思ってしまった。

 

 そう。

 あたし達、つきあって大分長いけど、最近デートのヴァリエーションがない。

 会って、映画見たり食事したりして、お酒はほどほどにして。

 最後は決まってホテルでえっち。

 えっちは嫌いじゃないけど、それだけだったら、何か寂しい。身体だけを求められているような気がして、いや。

 そんなことを考えながら、シャワーの栓を切った。先に浴びていた小竹が(これもあたしの不満の1つだ、一緒に浴びたかったのに)、ビデオを見ていた。

 もちろんアダルトビデオである。画面いっぱいに女の人の乳房が映っていた。

 あたしが出てきたのに気づいて、

「あ、借りちゃった。見ようよ。」

 と照れる様子もなく言った。

 バスタオルを巻いたまま、ベッドで座っている小竹の横に座った。

 これで押し倒されたらえっちの始まり、って訳。何かワンパターンだけど。

 でも、小竹はなかなか襲ってこない。顔をちらっと見ると、アダルトビデオに釘付けだった。

「んもう!小竹!!」

「おい、どれみ。」

 テレビから顔を動かさずに小竹が言った。

 頭にきてた私は、

「こんなところまできて、えっちなの、見ることないでしょうが!!」

「見ろよ!」

「いやよ!」

「いいから!」

 無理矢理、小竹に髪を掴まれて、とうとうテレビ画面を見てしまった。

 いや、振り切ろうとしたいたのに、私は、画面に映ったビデオ女優を見た瞬間、凍ってしまった。

 テレビの中にいたのは、おんぷちゃんだったのだ。

 昔から美少女だったけど、今もとびきりの美人だった。そういえば、高校生くらいの時にスキャンダルがあって、女優をやめたとか風のうわさに聞いていた。

 しかし、今、画面の中にいるのは、間違いなくおんぷちゃんだった。

 おんぷちゃんに何があったんだろう。

「そうなんです、昔は女優さんを目指していたんですけど。」

「え~そうですか?セクシーってほめ言葉ですよね~」

 にこやかに笑ってインタビューされているけど、時々切なそうな顔になる。どうしてだろう、と思っていたら、カメラが引きに入って理由が判った。

 ソファに座っていたおんぷちゃんの股間に男の人がいて、スカートをめくった白いショーツの上から、赤いペニスみたいなものを押しつけていたのだった。

 よく耳をすますと、ブィーンって音が聞こえていた。

 これだ。これだったんだ、あの切なそうな顔の理由。

「これ、おんぷだよな?」

 小竹の問いに私はうんうんうなづき、画面をじっと見ていた。

「じゃあ、早速いってみましょうか?」

 インタビュアーの声に、おんぷちゃんは笑顔で、しかしそれでも不安そうな顔で、

「はい!よろしくお願いします。」

 と言った。

 おんぷちゃんの両脇に、2人のブリーフ一丁の男の人達が出現した。いずれもたくましい腹筋で、最近ビールの飲みすぎでお腹が出そうな小竹とはえらい違いだな、と思った。

 しかし、股間がもう盛り上がっている。きっと、おんぷちゃんとするこれからのことを考えて、大きくなっているのだ。

「え~触っていいんですか?恥ずかしいなあ。」

 とか言っておんぷちゃんは余裕の笑顔を見せて、触り出した。

「あ、固くなってます、2人ともすごいなあ、うふふ・・・あん!」

 股間を刺激し続けていた男の人が、激しくペニスをかたどったモノを動かしていた。

「ああん、あん、大きい・・・」

 切なそうな顔で手触りの感想を言っていたおんぷちゃんの顔が、だんだんえっちになっていく。言葉が少なくなり、可愛い口が半開きになって、白い歯が見えた。

「じゃあ、お口でしてくれる?」

 いまだ画面に映らないインタビュアーの声に、おんぷちゃんはこくりとうなづいた。

 それを合図に両側のブリーフ軍団がもぞもぞとして、いきなりアレが出てきた。モザイクで見えないけれど、ぐんって大きく高く空を向いている。

 何より、それを直接見てるおんぷちゃんの嬉しそうな顔が、その大きさを証明していた。

「うわ・・・すっげえ・・・」

 隣の小竹の呟きが聞こえた。

 ぱくっ、おんぷちゃんがそれを口にしたのである。最初は味を確かめるように、ゆっくりと口を動かしていたが、やがてもう1本を片手に、急に頭を振り始めた。

 ちゅぱ、ちゅぱ、って派手な音がおんぷちゃんのちっちゃな口から聞こえてる。

「き、気持ちいい~」

 これは小竹じゃなくって、ビデオの中の男の人の声だった。うふふ、妖しくおんぷちゃんは笑ってアレに舌を絡めていく。

 口から出したかと思うと、根元の方に潜って吸い付いていった。

 たっぷり吸った後、今度は別の方へ。忙しく口に含んでは、両方を交互におしゃぶりしていった。

 すごい、おんぷちゃんのテクニック、とあたしは半分呆れ、半分感動していた。

「ああっ!ああ!」

 急に振り絞ったような声でおんぷちゃんが叫んだ。

 3人目の男の人がおんぷちゃんのショーツの脇から、赤いアレのおもちゃをぐいぐい捻じ込んでいたのだった。

 感じてるはずなのに、それでもおんぷちゃんは、両手のアレを離そうとはしなかった。

 むしろ自分の方に引き寄せて、口に入れようとするのだ。

 すごい、プロ根性だ、と思った。

 子役をやってた昔からプロ根性の塊だと思っていたけど、まさかこんなビデオの中でもそれを発揮するなんて。

 おんぷちゃんて、本当にすごい子だ。

 

 いつしか画面の中では、複数プレイが始まっていた。

 白い白い、本当に白いおんぷちゃんの身体が、男の人達の浅黒い身体の中を泳いでいた。

「ああ、いい、ああ、感じる!!」

 って絶叫しては、また口にアレを入れられて、泣きそうな顔になる。それは苦しそうな顔でないのだ。

 かと思えば、またおもちゃで掻き回されて、

「あんっ!!ダメ!!ああ!!」

 って大騒ぎ。

 交替で3人の人のアレを挿入されている、おんぷちゃん。

「ああ、いくう、いくう、いくう!!」

 悶えまくった後は、顔に精液を掛けられて。次々に掛けられて。

 出し終わったアレを口に入れては、丁寧にお掃除して。でも次のアレを入れられてしまって、

「ん、ん、ああ、ああ!!」

 女の私から見ても、可愛い、そして美人の顔が汚されていく。でも男の人達の欲望に汚された顔の卑猥さと言ったら。

「ううん、またいっちゃう!!」

 3人目のフィニッシュを浴びた後、疲れきった、でも笑顔のおんぷちゃんは、画面に向って、

「ごちそうさまでした・・・えへ、とっても気持ちよかった。」

 と、ピースサインをしていた。

 

「お、俺、もう我慢できねえ!」

「あん!」

 あたしは鼻息も荒い小竹に押し倒されていた。そのまま、彼はあたしの身体に鼻を埋め、手であそこを探り始めた。

 でも、あたしは画面から目を離すことができなかった。

 

 どうして、おんぷちゃんは、アダルトビデオに出てるんだろう?

 

 小竹に愛撫される間に、ビデオは次のシーンに変わっていた。

 今度は、20人くらいの男の人が、下着だけになったおんぷちゃんを取り囲んでいる。そしておんぷちゃんはにっこりと笑って、

「みんな、いっぱい出してね!」

 と言って、みんなのアレを咥え始めた。まもなく、おんぷちゃんに口どころか、手でもしてもらっていない1人目が、

「ああ、いく~」

 と情けない声で叫んで、おんぷちゃんの顔に発射していた。

 それからは次々に、おんぷちゃんの顔に、胸に、足に引っ掛けていくお祭り騒ぎである。

 自分で刺激しておんぷちゃんに掛ける男の人、ちょっと触ってもらっては掛ける人、わざと足に掛ける人。

 でも、おんぷちゃんはいやな顔1つ見せず、笑っている。笑うどころか、出した後のアレを舐めていた。

「いっぱい、出したね、ありがとう!」とか、「気持ちよかった?」とか、おんぷちゃんは、男の人達の間で天使のように振舞っている。

 

 すごい、すんごく、おんぷちゃん、いやらしい。

 

 小竹が胸を吸い、あそこの中に指を入れてきたが、あたしは仰向けになってもまだ画面を見ていた。いや、画面から視線を離せないのだった。

 どろどろになったおんぷちゃんが喘ぎ出している。

 男優というのはすごいもので、精液だらけになったおんぷちゃんを見ても構わずに、そそり立ったアレを入れていった。

 一生懸命に他のアレを口にしていたおんぷちゃんが、

「あ、ああ!!」

 って悶え出す。その顔、反応を見ては、また他の人が射精するのだ。

 哀れ、おんぷちゃんは、白くべっとりと汚されているにも関わらず、

「あん、もっとみんな出して!」

 とか、

「ああん、濃いの、もっとちょうだい!!」

 とか叫んでいる。

 そして男の人が、射精寸前のアレを顔に近づけると、餌をねだるヒナのように大きくあ~んしたおんぷちゃんのちっちゃなお口に注ぎ込むのだった。

「ん、ん、ああ、ああ、ん、ん、んっ!!・・・あ、待って、まだ残ってる・・・んく、んぐ、ちゅぱ、ちゅぱ、あ、ああ!!」

 この繰り返しだった。

「どれみ、入れるぞ。」

 小竹の声に、あたしは我に返った。

「あ、うん。」

 気のない返事をしてしまった、と思った途端、小竹があたしの中に入ってきてた。

「あ、あ、ああ!!」

 顔が仰け反った拍子に、逆さになったテレビが視界に入った。

 たくさんの白濁液の中に、放心状態のままのおんぷちゃんが放置され、やがて画面が引いていく。

 と、場面がまた変わり、アレの形をしたおもちゃを与えられたおんぷちゃんが、独りで自慰をするシーンになった。

「あ、ああ!」

「ん、ん、ん、ああ、ああん!!」

 あたしの声とおんぷちゃんの声が重なった。

 

 あたしもおんぷちゃんも、いやらしい。いやらしいこと、いっぱいされてる。あ、おんぷちゃんは自分でしてるのか。

 

 と思ったら、逆さになったおんぷちゃんの周りに、たくさんの男の人達が群がった。

「見て!みんな、見てっ!!私がいくとこ、みんな見てえ!!」

 途端に自分でアレをしごいてる男の人達が、おんぷちゃんに向かって放ち始めた。

 空いてる方の手を使って、しこしこ。おんぷちゃんの足にスリスリ。

 そして、どっぴゅんと。

「熱い!!みんなの、熱い!」

 

 あのきれいだったおんぷちゃんが、堕ちていく。

 汚れていく。

 男の人達のおもちゃになっているの。

 堕ちた天使の、おんぷちゃん。

 

 何だか胸がすかっとしているのは、どうして?

 おんぷちゃんが、あんなことしてるのをどうして喜んでいるの?

 

 きらいだったから?好きじゃなかったから?

 人を見下しているような眼差しがきらいだったから?

 

 もっと、もっと。もっと、もっとして、小竹、ああ、もっと深くう、深く、きて!!

 

 小竹の首に手を回し、ぎゅっとしがみつく。挿入が深くなったような気がして、あたしは感じてる。

「いいよ、気持ちいいよ!」

 夢中で小竹の身体を抱きしめる。

 アレが私を掻き回す感じ。太くって、固くって、ああ、やっぱりあたし、いきそう。

 と、目を開けて小竹の顔を見ようとした時。

 

 あたしは・・・あたしは・・・あたしは・・・とってもミジメだった。最低だった。

 

 小竹の奴、あたしを抱きながら、テレビを、ビデオを、画面の中で喘ぐおんぷちゃんを見ていたのだ。

 腰を動かしながら、時折あたしの胸を揉んで、でも視線は上だけを向けて。

 

 頭の中で、奴はおんぷちゃんとしているのだ。

 あたしを抱いてるフリをしながら、おんぷちゃんとの妄想に耽っているのだ。あたしは、おんぷちゃんの代用品なのだった。

 

 あたしにことだけ、好きだ、って言ってたのに。ウソツキ。バカ。

 

「もっと、もっとぉ、ちょうだい!!」

 遠くからおんぷちゃんの絶叫が聞こえてきた。

 

 その後、後ろ向けよという小竹の言葉に促されて、あたしはバックの体位でされた。

「ああ!あ!ああん!!」

 あたしはベッドに顔を伏せて、喘いだ。喘ぎながら、小竹は堂々とおんぷちゃんを見ているのだろう、と思った。

 顔を上げた。

 ビデオの中のおんぷちゃんも、やっぱり後ろからされている。

 筋骨たくましい人に後ろからされながら、2人のアレを持って、嬉しそうな顔をしている。交互に口に入れて、ペロペロってしてる。

 眉根が歪んで、口に入れられなくなるのは、後ろからされてるせいなんだろう。

「あ、いく!」

 男の人が叫んで、大きく開いたおんぷちゃんの口へ注ぐ。

 どろりんとやけに重たげな精液が、上あごに付着している。でもおんぷちゃんはちゅぱちゅぱと、アレを吸っていた。

 差し出された次のアレをしごきながら、ごくんと飲み込んだ。

「濃かったね・・・溜まってたの?あ、ああ!!」

 苦しそうなのに、いやらしいその顔。

 大きく突かれて、

「あ、だめ、だめえ!!」

 それを見ていたあたしも何だかふわっとしてきていた。

 

 あ、あたし、あたしもいきそう。おんぷちゃんの顔見ながら、あたし、あたし。

 おんぷちゃん、一緒にいこう。ね、あたしと一緒に、あ、ああ!!

 

「小竹、あたし、いく、いくっ!!」

 小竹の突きが早くなった。腰の回転があたしをどんどん高みに導いていく。

 同時に、画面の中のおんぷちゃんの嬌声が響き渡っていた。精液を引っ掛けられまくっていく彼女の淫らな、それでいて美しい顔を見ながら、あたしは達した。

「いくう!」

 果てたあたしのお尻の上に、呻く小竹が射精する。

「あん、熱い・・・」

 ちらと振り返ったあたしは、小竹がテレビに目をやったまま、射精しているのを見た。

 そして、再びあたしはベッドの上に崩れていった。どうしようもない快感の余韻と崩壊感の中で。感じながら、ミジメな思いの中で。全身を震わせて。

「ああ!あっ!!」

 画面の中では、まだおんぷちゃんが喘いでいる。

 

 堕ちた天使。汚れたアイドル。

 なのに、なのに、おんぷちゃんはきれいだった。輝いていた。

 

(了)

亭主後述・・・

 

大学生くらいの設定です。(笑)あのままでは、書けませんでした。

 

ところで私の友人のH君。彼はお子さんもいらして、それはそれはよいパパなのですが、欠点(?)があります。

 

それは、おんぷちゃんの熱烈な大ファンだということ。(爆)

 

一緒に飲んだりすると、「おんぷちゃんは、いい。」「おんぷちゃん、最高!!」の連続で、私を洗脳するのです。

 

恐らくお嬢さんより、本人が夢中なのでしょうか?

 

H君の薦めに従って、日曜日の朝、録画して見ましたが・・・私の感想は後にするとして。

 

で、こんなの書いてみました。いかがでしょうか、H君。

 

堕ちてしまったアイドルのその後です。H君は怒るかな?え?私は誰がって?

 

ヒールとタイトミニが眩しい関先生(笑)とお嬢様な玉木麗香様(爆)、そして何といっても、帰国子女な(それともハーフ?)飛鳥ももこたんに萌えなのであります。