続Love Potion No.9 ~To Heart~

「浩之、いい?」

「え・・・今日もかよ。」

 まるで待ち伏せされていたようである。

 俺は、仕方なく綾香の後に尾いてヤクドナルドの中に入っていった。

 当然のように今日も綾香のおごりであった。ベーコンレタスバーガーをムシャムシャと食べ、コーラを呷るように飲み干していく。

 ガツガツ、ムシャムシャ、一気に流し込むと、

「何だよ、俺の顔に何かついてんのか?」

 さっきからずっと、綾香が俺をにこにこ笑いながら見ていた。

「ううん、おいしそうに食べるなあって、思って見てるの。」

「そりゃ、うめえからよ。」

 食べた食べた、満腹だ。お腹一杯だ。

 腹をさすってから、ふと綾香を見た。彼女は、相変わらず猫のように光る目で俺を見ていた。

 その顔には笑みすら浮かんでいた。

 何か背中にうすら寒いものが走るのを感じつつ、

「どうして笑うんだよ?」

 と聞くと、

「だって、今日もいいのが採れそうなんだもん。」

「いいのが採れる、って、マジか、お前!」

 絶句する俺の前で、綾香はまた笑った。

「大体、何回絞れば気が済むんだよ!」

 最初のヤクドナルドの女子トイレでの冒険以来、俺は何回絞り取られただろうか。

「だって、姉さんが実験に失敗したり、足らないって言うんだもん。」

「うう・・・」

「それにあんただって、喜んでるじゃない、実は。」

 図星だ。

 それに密かに綾香のテクが上手くなってきているのが、嬉しかったりもするのも事実だった。

「さあ、そろそろいくわよ。」

 俺はドナドナの売られていく子牛よろしく、女子トイレに連れ込まれることになった。

 

 いつもながら、綾香はテキパキと俺を脱がせていく。あっと言う間に、ズボンからペニスが引きずり出されていた。

「あら、まだ元気じゃないわね?」

 しおれたペニスをぴんと指で弾いて、綾香が言う。

「そりゃ、ほとんど毎日、お前に吸い取られてたらな。」

「あら、失礼するわね・・・んもう、いいから早く大きくなってよ、ん、んむ・・・」

 ぱくりと口で咥えられてしまった。

 しゃがみながら綾香は、奥までいきなり咥えて、もう首を振っていた。

「う、うめえ!!」

 俺は思わず声に出して呟いていた。

 ぐる~り、ぐる~り、円を描いたかと思うと、首が上下して強烈な吸い込み。

 すぼめられた唇が、ペニスに刺激を与えてくれる。

 そして何より、さらさらの長い黒髪から漂ってくる綾香の匂いと、一生懸命な顔。

・・・うわ、だめだ、俺こういう顔に弱いんだよっ!・・・

 襲ってくる快感に負けて、いつしか俺は壁に寄りかかって、膝を軽く曲げていた。

 だんだん、前のめりになる。吸い込む綾香の唇がチャプチャプ音を立てて、気持ちいいからなのだ。

 可愛いピンク色の舌が出てきて、先端を舐め回す。いっぱい溜まっていた唾液が、ペニスを鈍く輝かせていた。

 次に舌は亀頭の割れ目に宛がわれ、中身を穿るように動く。

 ぴく、ぴく、鋭い快感に身を震わせてしまう。

「あ、あ!!」

 俺は綾香の頭に手をやって、その動きを封じようとした。

「な、何?どうしたの?」

「い、いや、もう気持ちよすぎて、出ちゃいそうだったんだ。」

「いいのに、早く出してよ。」

「え?」

「いいから、濃いの、いっぱい出してね。」

 そう言って綾香はまた咥えた。

 その顔の何といやらしいことか。

・・・清純そうな格闘家の美少女が、俺のペニスを・・・反りかえった、醜悪に膨れ上がったペニスを・・・

「うう・・・」

・・・ちゅぱ、ちゅぱ・・・卑猥な音を立てて、可憐な唇で・・・ペニスを締め上げて・・・

「ん、ん、ん、いっぱい、出してね、浩之、ん、んっ、んんっ。」

 1回俺を見上げて、悩ましいお願いをしてから、また口でしゃぶることに専念する。

 愛しい、と思った。綾香のことが好きだ、と思った。

 だから要求通りに、口の中へ出してやろうと思った。

「綾香、出すぞ、いい?」

「ん、んっ、ん、は、早くぅ!」

 ペニスにイカズチが走り抜け、俺は放った。

 綾香の首の動きと吸い込みが激しくなり、快感は増幅されていった。

 貪欲にも、俺はもっと気持ちよくなりたいがため、綾香の頭を持って腰を振っていた。

「ん!ん!!ぐ!!」

 2射目、3射目が出てきて、口蓋を打たれた綾香が低く叫ぶ。

 しかし俺は離さない。もっと気持ちよくなりたいために、ペニスを押し込んでやった。

「うう、うう!!」

 吠えた。

 目の前を火花が散っていた。ペニスに絡みつく舌が、その原因であった。

 だがすべてを出し終えても、ペニスは小さくならなかった。コーラの紙コップに綾香が吐き捨てて、その後をきれいに舐め取ってもくれても(そんなことをするようになったのだ!)、小さくならなかった。

「出し過ぎよ。」

「いや、気持ちよくって。」

 俺は頭をポリポリと掻いた。

「あら、まだこんな元気なの?」

「う!」

 指で先っちょが弾かれたのである。

「頼もしいな。」

 言うなり、綾香はチュッとキスをしてきた。

 何か固い棒がペニスの中にあるようで、俺は一向に萎えなかった。

「な、なあ、綾香・・・」

 コーラの紙コップをからから振っていた綾香が俺を見る。

「ん?」

「あの、その・・・」

「私、煮え切らない男の人、嫌いよ。」

「・・・」

 咽喉まで出てきた言葉を飲み込んでしまった。

 いや、何てことはない、ただ、この場でお前を抱きたい、それだけだ。それだけを言いたいのに、出てこない。

「んじゃ、姉さんが待ってるから、私行くね。よっこらしょっと。」

 綾香が立ち上がる。スカートの乱れを直して、そのまま出て行こうとする。

「あ、ま、待って!」

 自分でも判らぬうちに綾香を呼び止めていた。

「もう何よ、早く言ってよ。」

「う、う、う。」

 やっぱりうまく言えなかった。

「あ、判った、したいんでしょ?」

「う、うん。」

 思わず返事をしていた。

 ああ、俺は節操のないダメダメ男だ、これじゃあ。

「やっぱりね。」

 はは~んと、さも当然のように綾香はうなづいた。

「まだこんなに大きいもんね、ここ。」

 俺は、何だか急に自分の欲望が恥ずかしくなった。

 確かにここ数日、綾香に口でしてもらっている。

 気持ちいい。たっぷり出してもらっている。それは否定しない。

 

 けど。けど。けど。

 やっぱり、綾香のことも、愛してあげたい。

 そう。そうだ。綾香を気持ちよくさせてあげたい。2人でよくなりたい。

 

「あ、綾香!」

 俺の言わんとするところを気づいたのだろうか、綾香はいきなり、スカートをまくってみせた。

「いいよ。」

「え?」

「ここでしても、いい、って言ったの。」

「う、うそ?!」

 素っ頓狂な声で返事をしてしまった。

「うそでこんなこと、言えないわよ。」

 言うなり、綾香はお尻を、可愛くてまあるいお尻を突き出してみせた。

 そしてお尻を振り振り、

「ほらほらぁ、おいしそうでしょ~」

 当たり前だ、白くて丸くて、果物に例えて言うなら、食べごろの水蜜桃だ。

 藤田浩之、突撃します、俺は心でそう叫んで、尻にむしゃぶりついた。

「あんっ・・・」

 鼻に抜けたような声が聞こえた。俺の顔が尻の谷間に埋もれたからである。

 パンツの横から舌先を這わすと、そこはすでに汗とは違うもので湿っていた。

「お前・・・ここ・・・」

「や、やだぁ・・・濡れてる?」

「うん、濡れてる。」

「あん、ああんっ!」

 舌に甘苦い綾香の愛液が触れた。叩くように亀裂の中へグリグリ。

 そうするとまた分泌が激しくなり、同時に綾香の匂いがきつくなっていった。

「やぁん・・・恥ずかしい・・・ん、んっ、ああん・・・」

 派手な音を出して、俺は亀裂を吸った。唾液と愛液が混ざって、もう何が何だか俺にも判らない。

 細い腰を持ち上げるようにして、啜ってやる。悶える綾香の声がだんだん高く、か細く、そして切なくなっていった。

「あ、あ、ああ!」

 口を離して花芯を押し開いて、見つめてみた。

 ピンク色の可愛い場所。中は真っ赤、どちらかと言えば毒々しい。

 今は体液によって、鈍く、だが美しく輝いていた。

 急にそこが愛しくなって、また吸いたくなった。

「あっ、ああっ、ああ!!」

 耳障りな音がした。綾香がトイレの内側の壁に爪を立てていたのだ。

 綾香が欲しい、俺は心の底から思った。

 中に入りたいのだ。1つになりたいのだ。

 立ち上がった俺は、綾香の尻を突き出させた。

「い、いくよ。」

「う、うん・・・」

 ペニスをしごいて、パンツの横から花芯に当てる。

「浩之・・・」

 濡れた切ない眼差しを向けて、綾香が言った。

「うん?」

「や、優しくして、ね?」

 心の中に愛情が改めて湧き起こる。

 うなづく代わりに、ペニスをゆっくりと侵入させていく。

 ズブズブ、粘膜の音とともに、低い体勢の綾香が身体を反らした。頭が持ち上がった瞬間、

「あ、ああっ、す、す、すごいっ!!」

 一気に奥深く侵入し、そのまま突いた。

「ああん、あんっ!!」

 身体を密着させて、綾香の柔らかさを感じてから、戻って突く。この繰り返し。

 さっき1回出しているから、俺は全然平気だった。反対に綾香は口で舐めることで感じていたらしく、動きに合わせて、悶えていた。

「ひ、浩之、すごい、すごいっ、ああ、そこ、気持ちいい!」

 抱きかかえるようにして、手を突起に伸ばしてやった。

 固く大きくなった突起を摘んで、また腰を送り込む。次第に洩れる声が大きくなってきていた。

「ここ、気持ちいい?」

「うんっ・・・すごい、いい・・・あ、あ、ああ!」

 こんな大きな声だと、外の客達にばれないか心配になるが、俺はやめなかったし、綾香もそう望んでいるはずだと思った。

 だから俺は突く、突く、突いてやる。

 綾香を悦ばすために、俺もよくなりたいために。

「ああん、お、奥まで、入って・・・入って・・・るうっ!!」

 綾香がのけぞって、長い黒髪がふわりと空を舞った。

 その髪から漂うシャンプーの匂いと、熱い身体が俺をいっそう興奮させていた。

「そんなの、そんなの、そんなのぉ!!」

 きゅっと狭まった花芯が俺を締めた。くいくいと挟んで、俺を捕えていた。細い腰を持って、突きまくる。高まる吐息とかすれた声のシンフォニー。

 汗がポタリと落ちて、綾香の背中に染みた。

 それを見た時、甘い疼きのようなものがペニスに充満した。持ちそうだったのに、もはや危ない兆しだった。

 快感が増している。

 おや、と思って綾香を見てみた。何と彼女自身が尻を振っているのだった。

 そのおかげで、こすれた粘膜が快感を増幅させているのだ。さすがは綾香、只者ではない。

「綾香、俺、最高・・・」

「わ、私も・・・最高・・・あ、ああ、あん、あ、きてる、きてるかも!!」

 いきそうなのだ、俺はそう思った。

 指で突起を摘み、ペニスも腰も折れよと突き続ける。

「あ、ああっ、く、くる、ああ、浩之、くるう!!」

 律動に目が眩みそうになる。運動に疲れてきた足がバカになりそうだった。

 綾香の可愛い悶えが、快感を鋭く促していった。

「やぁん、いく、いくう!!」

 心なしか、やや小声が聞こえ、綾香が果てた。

「お、俺も・・・あ・・・」

 自制ができなかった。それをするには時間が足りなかった。

 あっ、と思った時はすでに遅い。過敏になったペニスは刺激を受けて、欲望を射出していた。

「あ・・・あ・・・あ・・・温かい・・・」

 力なく綾香が呟く。だが次の瞬間、

「って、何、中で出してんのよ!!」

 きっと鬼のような顔で綾香が言った。

「す、すまん、つ、つい・・・」

「つい、ってあなた、もしできちゃったら、どうすんのよ!!」

 更に顔が険しくなっていた。だが当たり前のことか。

「う、う、う・・・」

 快感の余韻で、言い訳も何も浮かばなかった。

「バ、バカァ!!」

 閃光のようなロシアンフックが俺を襲った。鬼神のような綾香の怒りのこもった一撃だった。

 意識が遠のいていった。

 

 しばらくの間、綾香には会えなかった。

 家に電話をしても、セバスチャンが取り次いでくれない。諦めて携帯に掛けても、着信拒否されてしまう。

 怒りが込み上げてきたが、よくよく頭を冷やしてみれば、自分が悪いことに気づいた。

 つい、とか、うっかり、とかこれは男の言い訳である。

 うう、俺は安易に中出ししてしまった。

 悔やんでももう遅い。それに悔やんでみたところで、新たな心配事があった。

 

 もし、「命中」していたらどうしよう?!

 若い身空で父親になってしまったらどうしよう、ということである。

 

 しかしよく考えてみれば、来栖川家に入ることになるのか、あの日本有数の金持ちの家に。

 それはそれでいいかも。

 

 なんてアホなことを考えている間に数日が過ぎていった。

 ある日、松原葵ちゃんが、俺にエクストリーム大会の開催が近いことを教えてくれた。

「でね、その大会に綾香先輩が出るんですよ!」

「へえ、綾香が?」

 興味なさそうに俺は言う。本当言うと興味津々だった。

 だが、俺達のことは内緒だったのだ。だから堂々と表に出せないでいる。

 私もとうとう出場するんですよ、という葵ちゃんの言葉も上の空に、俺は日時と場所を聞き出した。

 

 昼休み、例の場所で芹香お姉さんにバッタリ会った。

「え?お薬の原材料、ありがとうございますって?」

 お姉さんは、コクと例の仕草でうなづいた。

 俺は、真昼間の話題にしては恥ずかしくなった。綾香に絞り取られたことを想像して、赤くなった。

「え、いいんですよ、そんなこと・・・それより綾香は元気ですか?」

 しばらく会ってないんですと俺は続けた。

「え?エクストリームに向けて、練習してる、って?そうですか。」

 姉さんはその後、容易ならないことを言った。

「今回の薬が役に立つって?え、不老不死の薬が、エクストリームに?」

 どうして、不老不死の薬が格闘大会に意味があるのだろう。

 俺が尚も聞こうとした途端、チャイムがなった。芹香お姉さんは丁寧なお辞儀をして、教室に戻っていった。

 

 試合当日は快晴だった。

 格闘技大会ということで格闘ファンはもちろん、レディース大会のため、ちょっと見た目危ない連中(綾香いわくストーカーまがいの行為に及ぶ輩もいるらしい)も多かった。

 要するに満員である。

 俺はすぐに綾香の姿を探したが、トーナメント表ではシードされているので(さすが女王である)、この世界では新人である葵ちゃんの試合を先に見学した。

「葵ちゃん、がんばれ!!」

 俺の声援はすぐに掻き消されてしまった。どうやら熱狂的なファンが、すでにいるらしい。

 ちょっとだけ安心したが、試合は白熱した。と言うより相手が強いのだ。

 俺はハラハラドキドキしていたが、終盤ようやく葵ちゃんが1発いいのを入れて勝った。本当は駆け寄ってタオルでも渡してあげたいが、葵ちゃんの試合を見ていたらしい綾香を見つけて、俺は追いかけた。

「綾香!」

「あ、浩之!」

 純白のトレーニングウエアに身を包んだ綾香はにこやかだった。

 ほっ、よかった、怒っていないらしい、俺は安心して近づいた。

「綾香さん、サイン下さい。」

 ファンが色紙を差し出している。慣れたように綾香はペンでサラリと書いた。

 弱った、ここでは満足に話もできない。

「まだ試合まで時間あるの?」

「あるわよ・・・あ、浩之、よかった、ちょっとこっちきて!!」

「うわ!」

 こっちから話そうと思っていたのに、結局綾香のペースになってしまっている。

 綾香は俺を外に連れ出すのだった。

「どこ、いくの?」

「ふふ、私のキャンプ場よ、秘密のね。」

 駐車場だった。黒塗りのリムジンがで~んと置いてあって、綾香はキーを取り出して車に乗り込んだ。

「セバスチャン、いるの?」

 俺が心配そうに聞くと、綾香は首を振った。

「姉さんの方についていってるの。私の方の運転手は、夕方まで休みを取らせてるから、大丈夫よ。さあ、乗って。」

 オドオドしながら俺は乗った。

 豪華な車内であった。たっぷり4人は向かい合って乗れる、ゆったりとしたスペースである。

「何よ、そわそわしちゃってさ。」

「だって慣れないよ、こんな豪華な車は。庶民には高嶺の花さ。」

「そうかしら。」

「葵ちゃん、勝ったみたいだね。」

 話題を変えてみた。

「何とかね、いいのが入ってよかったわ。」

「そうだね。で、綾香はどう?」

 自身満々な笑顔を見せたが、綾香は敢えて何も言わなかった。きっと大丈夫なんだろう。

「ごめんね、いろいろ連絡くれたみたいで。セバスチャン、妙に神経質になってるから、私のこと。」

「あ、ああ。」

 う、綾香の方から切り出されてしまった。

「でも大丈夫だから、あっちの方、順調だったし。」

「え?そうなの?」

 声が我ながらうわずっていた。

「うん、無事にきてるから、心配しないで。でももう中は嫌よ。」

「ごめん。」

 よかった~まだ父親にならなくて済むんだ、やった~

「でね、お願いがあるの。」

 そういう綾香の瞳がもう潤んでいた。

「な、何?」

 腰が引けた俺の前に綾香が座った。

「例のヤツ、欲しいの。」

「ええ?ええ?!」

「いいでしょ、試合前だし、効果があると思うの。」

 手際よく綾香は俺のズボンからペニスを露出させていく。俺はしばらく座ったまま、呆然としていた。

「あ、元気ないけど・・・久々だわ。あむ・・・んんっ、ん、ん・・・」

 柔らかく温かい粘膜。それが俺を包み込み、ペニスが含まれていた。

「お、お前、試合前って・・・いいのかよ、こんなこと・・・う、ううっ!」

 気持ちよさに俺は震えた。

「試合前だから、いいんじゃないの。あ、どんどん元気になってきた。ステキよ、浩之。」

 また含まれる。首が上下し、根元深くまで咥えられていた。

「ビクビクしてるの、可愛いわ。ん、ん、んうっ!」

「う、うわ、綾香、気持ちいい・・・」

 綾香の頭を撫でて、俺はうっとりとしていた。

 カポカポ、いやらしい音が聞こえる。口から出たペニスには芯があり、固く太くなっていた。

 我ながら現金なものである。

 綾香が頬ずりをする。唾液と先走り液が顔を汚していたが、構わない様子だった。

「ああん、固い、ステキ・・・ステキよ・・・」

 ピンク色の可愛い舌が先端を何度も舐め回す。その度に糸が引いていった。

 どくんどくん、ペニスが脈打った。それに気づいたか、含んだ綾香の首の振りが激しくなり、どんどん気持ちよくなってしまうのだ。

 手が袋の部分を揉んだ。それがまたいい、あ、このままだと俺は。

「綾香、うまいよ、お前のしゃぶり方・・・」

「そうでしょ、ビデオで研究してるの、えっちなの、借りて。」

「そうなの?」

「うん、で、バナナで練習。」

 爆弾発言である。

「ほらあ、ここ、いいでしょ?気持ちいいでしょ?」

「あ、ああ、すげえ・・・」

 うっとりとしてしまう。

 唾液で充分湿った舌が何度も舐める。

 かぽ、かぽ、くぷ、くぷ、ああ、この派手な音が、俺を狂わせる。

「ダメだ、俺・・・いきそう・・・」

 途端に吸い込みが激しくなった。ペニスの根元が膨れ上がったような気がして、俺は訴えていた。

「いく、いくよ、綾香!」

「ん、ん、ん、ん、ああん・・・」

 頭を持って俺は射精した。その間も吸われ続けた。まるで身体の力を吸い取られているようだった。

 長く至福の時間が続き、目がくらくらした。ようやく顔を上げた綾香は、いつのまにか用意していた紙コップにぺっと吐き出した。

「あん、こんなに残ってる・・・」

 ズズズとまた吸われて、俺はシートの上でのたうち回ることになった。

 ひいひい言わされて、俺は狂いそうだ。綾香を見つめる。唇の端に残った精液の残滓をも集めて、舐め取る綾香が最高に淫靡だった。

 だがその後の綾香の行動に、俺は驚くことになった。

 綾香は紙コップの中身を、鼻を自分で摘んで口に持っていったのである。

「な、何してるの?」

 うえ~、マズイ、またコマーシャルの真似が繰り返された。

「ああ、これ?試合前に飲むといいのよ、これ。」

 照れくさそうに綾香が言った。心なしか頬が赤いと思った。

「お、お前、姉さんに何作ってもらったんだよ?」

 え、と綾香は一瞬ばつの悪そうな顔を見せた。

「試合に不老不死の薬はないだろ?何なんだよ、教えてくれよ。」

「しょうがないわね~まあ、浩之が原材料なんだから言うわ。」

 よいしょよいしょ、綾香はスポ-ツバッグの中から、ペットボトルを取り出した。

「これ、飲んでみる?姉さんが作った薬。」

 中身はタオルが巻いてあってよく見えない。キャップを開けると、この世の物とは思われない匂いがして、俺は綾香に返した。

「いい。で、これは何?」

「簡単に言うと、吸収率のいいプロテインね、もちろん魔力の力を借りてるけどね。」

「へえ・・・で、効果は?」

「体のいい、ドーピングよ。」

「原材料が、俺の精子か。」

「そう。あながち不老不死じゃないでしょ?」

 グビグビ、綾香はいきなりペットボトルを飲んだ。しかも、さっきの紙コップに出して、だ。

 またまずいといった顔をして、飲むのだった。

「トホホ、俺は原材料かよ。」

 何だか切なくなっていた。

「あら、これでも感謝してるのよ。さ、試合、がんばってくるか!」

 そう言って綾香は戦場に向った。

 俺は後ろから追いかけ、情けない思いでずっと試合を見守っていた。

 ベスト8は綾香とダークホースの葵ちゃんだった。葵ちゃんは、無傷の綾香に対して傷だらけだった。

 

 俺はふと、綾香ではなく、葵ちゃんを応援していたくなっていた。

 

(了)

 

亭主後述・・・

 

80万ヒットを獲得して頂いた長谷さんのリクエスト後半です。

どうでしょうか、読んで頂ければ幸いです。

凄いことになっていましたでしょうか?(笑)

綾香は非常に魅力的なキャラです。書いてて、自由に動くと言うのか。結構好きです・・・が、強すぎ。(涙)