星の瞬き  ~無敵超人ザンボット3~


 海に浮いていたあたしを助けてくれたのは勝平だった。たくさんいた他の乗客も、今はどうなったか判らない。まだ助かっただけまし、というものだ。
 キングビアルに到着したザンボエース(だったっけ?)から降りる時、勝平は片目をつぶって、いたずらっぽくこう言った。
「じいちゃん達にはナイショだぜ!後でちゃんと話すからなっ!!」
 神ファミリーの人達以外の人間を乗せる時は、おじいさんの許可がいるそうだ。もっともなことなので、あたしは従うことにした。
 こそこそ勝平の部屋に歩く途中で、勝平が今までのいきさつを聞いてきた。
「・・・ふ~ん、そうか根室に移ったんか、そこでまた・・・か。しかしアキもついてないよなあ、行く先々でガイゾックに襲われるなんて。」
 全くその通りだった。札幌の避難民キャンプで、お父さん、お母さん、ミチとどうにか暮らしていたのに、またガイゾックに襲われてそこを逃げ出すハメになったのだ。移動中に親とはぐれて・・・ミチと・・・あれっ?・・・
 憶えてない。憶えてないのだ。
「・・・で、何で船に乗ったりしてたんだ?」
 勝平が聞いてくる。あたしは一生懸命考えたが、何も思い出せない。そこだけぽっかり記憶に穴が開いてるような気がする。何故、親とはぐれて、ミチと別れて、船に乗ってたんだろう?気がついたら、いつのまにか客船に乗っていて、それからガイゾックのメカブーストに襲われて、海に投げ出されたことしか思い出せない・・・
 それでも必死に考えていたら、頭が割れるように痛くなってきた。
「ごめん、勝平・・・憶えてないの。」
 済まなさそうに言うと、勝平が慌てて
「疲れてんだよなあ・・・ま、いいや、後で思い出すだろう、さあ、俺の部屋だよ。」
 あたしは勝平が案内してくれた部屋に入った。男の子の部屋って、何か落ち着かない。勝平の匂いでいっぱいだからかな、と思ったりしてしまう。内心どきどきしていた。
 勝平がベッドにだらしなく寝そべりながら
「ほら、これ使えよ!」
 と乾いたタオルを投げてきた。海水でべとべとする髪の毛を拭きながら、着替えたいなあなんて思っていた。すると
「後で恵子に服借りてやるから、これで我慢しろよ。」
 言いながらも、勝平はベッドで寝たまんまだ。パジャマを片手にあたしがモジモジしていると
「何だよ、早く着替えろよ、何やってんだよ、アキ!!」
 なんて、無神経なことを言うのだ。
「もう!勝平、あたし女の子なんだよ!!」
 と言うと、勝平は今更のようにベッドの上で慌てて座り直した。
「そ、そうだよな、うへへ、ゆっくり着替えてね・・・」
 えっちに笑って、そそくさと出て行った。だけどあたしは、まだ安心したりしない。きっと勝平は・・・
 5秒ほど数えて待っていると、やっぱりドアのノブがゆっくり開いてくる。
「アキ・・・」
 えっちな顔の勝平が、やっぱり覗いてきた。
「もう!!」
 勝平のヘルメットを頭にゴチンと当ててやった。
「いてて・・・」
 勝平が痛そうに呻く。だけどえっちな顔が憎めなくって、あたしはおかしくなった。久々にお腹の底から笑えたような気がした。
「じゃ・・・ごゆっくり・・・」
 勝平が出て行こうとする腕を、あたしは急に引き留めた。何でだろう、身体が勝手に動いているみたいだ。
「アキ・・・?」
 のどが渇いている。適当な言葉が思い出せない。出てこないのだ。浮かばないのだ。
「アキ・・・どうしたんだよ?」
 けげんそうな勝平の顔を見ていると、何かがあたしの記憶によみがえる。何だろう?
「しっかりしろよ!」
 勝平があたしの肩をがくがく揺らす。
 あ・・・あ・・・あ!!
 真っ白い閃光と共に記憶の1部分が、目の前をよぎったような気がした。
「勝平・・・」
 あたしは何かを言おうとしている。
「勝平・・・あたしの裸、そんなに見たいの?」
 思いがけない言葉だった。あれ、わたしは何言ってんだろう?・・・あ、そうだ、裸にならなくちゃいけないんだ・・・
 服を勝平の前で脱いでやった。パンツまで脱ぐと、凍ったままの勝平の目の前で、すべてをさらしだした。不思議と恥ずかしいといった感じはしない。
「勝平、あたし、きれいかな?」
「・・・あうあうあう・・・ア、アキ・・・お前・・・」
 次にやるべき手順は判っている。ご奉仕をすればいいのだ。目をむいた勝平の足元に座り、パイロットスーツのチャックを降ろしてやる。おちんちんが勝平の白いパンツから勢いよく飛び出してきた。大人と違って、可愛くてまだピンク色。少し皮が多いような気がする。
・・・え?大人と違って?あたし、何で知ってるんだろう?・・・お父さんのじゃないし・・・あ、そっかあ、難民キャンプだ・・・
 思い出した。難民キャンプで大人達にさせられたこと。それは、いやらしい大人達に身体中を触られ、いじられ、怪獣のようなおちんちんをお口で舐め、それをあそこに散々入れられて・・・終わった後は、お金もらって、おやつもらって、食べ物もらって・・・
 勝平のおちんちんはとっても可愛らしい。ごく自然なことのようにお口に入れた。ぺろぺろ舐めると、ようやく我に返った勝平が
「アキ!アキ!何してんだ、お前・・・うっ!」
 こんなに気持ちよさそうにうなる勝平を見ると、嬉しくなる。
「きもひいひでひょ、おひんひん・・・あむ、あむっ、ちゅ・・・」
 後ずさりする勝平が可愛い。逃げないように左手でお尻を捕まえた。
・・・さあ、逃がさないわよ・・・命助けてもらったお礼に、恩返ししなきゃ・・・
 あたしは、大人達に教えてもらった通りに、ソフトクリームみたいにぺろぺろ舐める。大人と同じに勝平のおちんちんから、とっても苦いのがたくさん出てくる。
・・・これって気持ちいい証拠なんだっけ。舌のざらざらしたところで舐めると、みんな喜んでくれたわ、あ、歯を立てないように気をつけなきゃ・・・
「あ・・・あ・・・あ・・・ア、アキィ!!」
 勝平が苦しそうに身体をくねらす。でもこれは、痛いとかそんなんじゃないはずだ。あたしは用心深く様子をうかがいながら、おちんちんをしゃぶってあげた。
 一杯つばを溜めながらお口の中でおちんちんを咥えると、じゅぱじゅぱすごい音がする。固~いおちんちんが更に大きくなった。
・・・これって出す直前だわあ・・・
 出し入れを大きくしてあげた。声にならない勝平の叫びが聞こえている。そのうちに勝平があたしの頭をつかんで自分でおちんちんを動かし始めた。
・・・のどまで刺さって苦しいけど大丈夫、がまんできるわ・・・
 何よりも、勝平が気持ちよさそうなのが嬉しかった。
「う、う、う!!」
 勝平の動きが大きくなった。
「あ、アキィ、出るう!」
 ぴしゃっ、びしゃと勝平のおちんちんから熱い液が出て来て、あたしののどを撃った。2回、3回とたくさん濃いのが出てくる。小さいお口が勝平のそれで満タンになってしまったが、舐めるのを続けると、男の人はもっと気持ちよくなるはずなので、舌を動かし続けた。
「はあはあはあ・・・」
 大きく肩で勝平が息をしている。あたしは、ようやく出し終わったおちんちんからお口を離した。まだ勝平のそれが、お口の中でたくさん残ったままだけど。
・・・え~と、全部飲まなきゃいけないんだっけ・・・うう・・・青臭い・・・に、苦いよう・・・
 まだこの味にはなかなか慣れないけど、目をつぶってまるで苦いお薬を飲むように飲み込んだ。勝平のなら飲めるもん、と思ったりもする。今度はお清めの作業が待っている。まだお口の中が粘っこいけど、舌の先でおちんちんの先っちょを舐めた。
「あぐっ!・・・うわ・・・す、すごい・・・」
 大人の話によれば、いったばかりのおちんちんはくすぐったいそうだ。勝平も手を離したら暴れそうな感じだ。丁寧に残ってるそれを、すみずみまでふきとるようにしてあげた。
・・・じゅぽん・・・
 まじまじと勝平のおちんちんを見てみる。あたしのつばでおちんちんが濡れて光っていた。ピンク色のおちんちんは、大人と違って怖くないけど、まだ大きいまんまだ。
 それを見ていたら、身体が鈍くうずいているような気がしてきた。
・・・ああ、入れて欲しい・・・勝平のおちんちん・・・アキのあそこに・・・入れて欲しいよお・・・
 いつのまにかあたしは、勝平のそれで濡れた指をじっと咥えている。そして・・・待っている。勝平が大人達のように、あたしを気持ちよくしてくれるのを、心から待っているのだ。でも勝平は何もしようとしない。激しく息をするだけで動きもしない。
 だんだんいらいらしてきた。このままじっと待ってても、何も起きないような気がする。
・・・あたしも、もっと気持ちよくなりたいのにぃ・・・勝平、男の子から言ってよお・・・
 だけど相変らず勝平は、あたしの裸を見ているだけだった。
「勝平・・・ねえ、あたしも気持ちよくしてよお!!」
 あたしは勝平にお願いするように、ベッドの縁に手をついて、お尻を向けた。誘うみたいにお尻で円を描いて、勝平の行動を待っていた。くいくいとお尻を振った。
「・・・ア、アキィ!!」
 果たして、息を荒くした勝平が抱きついてくれた。
「ああん、勝平!」
 あたしの鼻に抜けるような声。固~いおちんちんがお尻に当って、とっても嬉しい。だけど勝平は、どうしたらいいか判らないみたいだ。おちんちんがお尻に触るだけで、全然気持ちよくない。
「勝平、来てよう!」
 またお尻を振ってみると、勝平が、やっとおちんちんをあたしのあそこに入れようとしてくれている。
「アキ・・・どうしよう?」
 情けなさそうな声がする。振り返ってみると、半べその勝平が困った顔をしていた。
「場所が判んねえんだよお~」
「・・・うん、もうしょうがないわねえ・・・ええっと・・・」
 身体を伸ばして、おちんちんを握るとあたしは自分のあそこへ導いた。
「・・・そう・・・そこ・・・違うったら!そこは違うの!・・・そう、そこ・・・あん・・・そ、そこ!・・・そうよ、勝平、深く入れて・・・あん・・・あ、あ、あっ・・・もっと・・・動いてえ!!」
 無我夢中でリードした後は、あたしが叫ぶ番だ。大人達と違って、そんなに痛くない。勝平に任せるだけじゃなくって、あたしも前と後に動いていた。
・・・うんっ!・・・いいよ・・・いいよう、勝平、あたし気持ちいいよ!・・・もっと動いて、動いてみてっ!・・・ああ・・・あたし、あたし、あたし・・・
 さっきのお口より、もっといやらしい音がしている。じゅく、じゅくって動くたんびに、湿った音が部屋に響いている。
「アキ!アキ!!」
 大人達ほど乱暴じゃない、丁寧でもない、まっすぐあたしを突くだけの動き。でもあたしは気持ちいい。自分で自分の1番気持ちいいところが、判ってるから。勝平のおちんちんをそこにこすりつけるように当てるのだ。
 だって、勝平にしてもらってるんだもん、気持ちいいに決まってる。知らない大人達なんかにされるより、全然いいに決まってる。
「勝平!勝平!!あん、あん、あ・・・あ・・・そこ、いい・・・そこ、もっとしてっ!」
 甘えるように、おねだりしちゃうんだ。
「あ・・・うん、いいよ・・・いい・・・いいようっ!」
 もう逃げなくていいんだよね?ここにいて、いいんだよね?
「いい・・・気持ちいい・・・もっとあたしにしてよおっ!!」
 こうやって、勝平だけでいいんだよね?
「勝平!!好き、あたし勝平が好き!!ああっ!もっとちょうだいっ!!」
 勝平なら、いつでもしてあげる。だから、もっとして!あたしを天国に連れてって!ミチのことも、恵子さんのことも忘れて、あたしだけにして!
「いいよう、いいよう!!」
 支えていた腕が気持ちよさに負けて、へなへな崩れてしまった。ベッドに顔を埋めて、頭がぼうっとしてしまう。
・・・ああ・・・気持ちいい・・・勝平の匂いがするわ、このベッド・・・とけちゃいそう、どこかへ行っちゃいそう・・・あ~ん!・・・
 何も見えない。真っ白で見えない。ただ、勝平が、後からあたしをよくしてくれているのが判るだけ。
「アキ、出そうだよ、出そうだよ!」
 また情けない声がする。
「あ、あ、あ、い、いいよ・・・中でそのまま、そのまま勝平の、あたしにちょうだい、ね、ね、ね、ね!ねえったら、あん、す、すごい!!」
 ぐっと勝平が叫んだ。勝平は叫びながら、あたしの中へ出していた。何度も出した。そのまま動きが休まらないので、あたしも受けとめながら大きな声で絶叫してた・・・

「・・・じゃあ、俺はじいちゃんの所へ戻るから、お前はゆっくりしてろよ。」
「・・・うん。」
 あたしはうなづいた。パイロットスーツを着込んだ勝平、やっぱりかっこいい、と思ったりした。
 出て行った勝平を見送ると、あたしは勝平のパジャマに着替えた。
・・・恵子さんの服、借りたいなあ・・・あ・・・お風呂に・・・ううん、シャワー、浴びたいな・・・
 借りるには、勝平達神ファミリーのお許しをもらった方がいいだろう。なにせあたしは、いそうろうの身なのだ。
 海水とさっきの汗で身体が汚いのは判ってはいたが、あたしはベッドの上にごろんと乗った。ふかふかのベッドは気持ちいい。漫画の雑誌がベッドサイドにあるのが、いかにも勝平らしくておかしかった。
 ぱらぱらと少年何たらを読んでみる。あたしは照明を落として、雑誌を読むことにした。
 しばらくしてから・・・身体に悪寒が走った。
・・・???何だろう・・・あっ!・・・
 真っ白い閃光が頭の中を走った。割れるような頭痛が一瞬来たかと思うと、あたしはなぜか手術台に乗ったような錯覚を見ていた。しかもうつぶせで、裸のままだ。上から耳にキンキン響く何か歯医者さんのドリルを大きくしたようなものが、降りてくる。
 身体に植え付けられるのだ、と思った。周りにいる人間だけど人間じゃない白衣の人達が、にやにや笑いながらあたしを見てる。あたしを見る目が嬉しそうだ。
・・・おまえは、にんげんばくだんになるのだ・・・
 白衣の1人がそう言ったような気がした。

・・・あっ!・・・
 錯覚が終わった。身体ががくがく震えてきていた。
・・・勝平、助けて、お願い、助けて、助けて、まだ死にたくない、死にたくなんかないっ!勝平のそばにいたいもんっ!・・・
・・・勝平と一緒に遊園地へ行きたい、ジェットコースターに乗りたいっ!アイスクリームもケーキも、食べたい!・・・
・・・おしゃれしたい、きれいなお洋服が欲しい!・・・
・・・そして、勝平ともっと気持ちいいこと、したいよおっ!・・・
・・・死にたくないっ!死にたくないっ!助けて、助けてよおっ!・・・
 さっき別れたばかりの勝平の笑顔が浮かんだ。
 その瞬間、勝平の顔に星型が瞬いて、あたしはもう何も見えなくなっていた。

(了)

亭主後述……

「アキィ、お前はよう、ガイゾックに追われ、殺されるためだけに生まれてきたのか……」
という訳で、Abura_Ageさんのリクエストにお答えしてみました。
お気に召しましたか?……って何て残酷なお話なんでしょ。
アキと勝平、ここからしか持っていけなくて、つらいです。暗いお話になっちまいました。
ごめんなさい。